表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/7

食料ダンジョンで地域貢献

これも更新です


 宇宙人の侵略は隣接とか関係なしに都市規模の大きなトコへと進んでいる。

 海外だと首都以外手付かずの国もある様だ。


 だんだんと情報入らなくなってるけどな。

 その内、国内の情報すらままならなくなるだろう。


 自衛隊も頑張ってるが宇宙人相手には無力だ。

 大阪に作った対宇宙人遅延トラップダンジョンは、自衛隊や大阪府に活用されているようだ。


 東京都心は手遅れだったけど、多摩動保護のため、八王子にも作った。

 各都市の動物園と水族館保護は頑張ってる。

 同意無しでやってるから、完全放棄まで手出しできないけど。


 その合間にマンション自治会に出て、マンションをダンジョン化した。

 ダンジョンボスは俺の部屋のミニ仏壇の中に納まってる。

 なんか邪神信仰みたいだけど、野放しにするとお留守番のアッコちゃんに破壊されて、ダンジョン破壊可能になっちゃうからな。

 仏壇結界で保護して、アッコちゃんにはキャットタワーを耐久力強化した上でプレゼントした。

 これでマンションは物理的に難攻不落である。

 マンション住人はゲートボールスティックやゴルフクラブ、クワや鎌なんかで雑談しながら雑魚狩りを始めている。

 草むしりや美化活動のノリである。

 そうした住人たちよりもせっせとマンション内のモンスター狩りに励む存在、住人のペットである。

 流石にウサギやハムスターやインコはモンスターと戦わないが、犬に猫、フェレットなどは女神によるクラスチェンジを受けた上で戦っている。ほぼ戦士か盗賊だが。

 野路さんちのモップくん(ヨークシャーテリア♂5歳)が例外的に魔法使い。

 ニチアサのテレビが大好きという話だけど、そのせいなんだろうか?

 口から火を噴く小型犬。

 テレビ局が健在だったらスマホ撮影して送りたいトコだなぁ。


 日本のキー局は全滅。

 ローカル局は生き残ってるが、地域外の情報が不足していて、日本政府が生き残ってるのかどうかすら分からない。

 自衛隊がそれなりに組織だった行動を取ってるし、国家の意思決定に当たる者は健在っぽいけど。


 まあ、俺の見た範囲じゃ、主要都市には首相やら中央官僚やらは居なかった。

 ネットも分断され始めて海外の動きが分からなくなり、船舶も大きなモノから宇宙人に回収されているため、タンカーは全滅じゃないかな? 

 よって石油も備蓄分しかないし、それすら宇宙人に回収され始めている。

 直接採掘してる様子は無いけど、最初に襲撃食らったアメリカ辺りだともしかすると埋蔵資源の回収すら始まっているかもしれないな。フォートノックスはとっくにカラだろうけど。


「取りあえず、親戚、ツレのダンジョントライは終わったぞ」

「お疲れ、なら休んだら?」

「落ち着かねえよ、その内、いろんなもん無くなりそうだし」

 カンスト状態の有馬が暇を持て余し始めた。

 空飛ぶ魔道具はすっかり乗りこなし、他県に引っ越した友人とかにも会いに行ったりしてる様だ。


「不足して一番ヤバイのは食い物だな、良し、ダンジョン作るか!」

「どこに作るんだよ、おい」

「食い物だからな、みんなが来やすいトコじゃないとな」

「スーパー大森か?」

 個人スーパーだが10台以上車が停まれる駐車場付きの大きな店だ。


「あー、まだ健在なんだ、あそこ?」

「一昨年改装したばっかだよ! 中学の同級生の実家だろうが」

「そうだっけ?」

「ほら、二年時一緒だった大森さん」

「あー、大森さんってあそこの子だったんだ?」

 顔覚えて無いし、覚えてても女は化けるからなぁ、会ってもわからんだろ?


「じゃあ、ダンジョン化交渉は有馬に任せた。俺は和田の親父さんに頼まれて和田のダンジョントライやんなくちゃだし」

「ちょ、待て、俺だけ行っても理解してもらえんぞ?」

「魔法見せりゃいいじゃん、アレで空飛んでもいいし、頼むな?」

「ま、……瞬間移動はズルく無いか?」

 有馬がなんか言ってたようだが、俺は和田の親父さんとの待ち合わせ場所、良く奢って貰った喫茶店の前へと転移した。



◆◆◆



 和田の親父さんと和田(?)と合流し、ダンジョンへ向かおうとしたら和田の親父さんが「おっと用事を忘れてた、娘は頼んだ」とどこかに行ってしまった。


 久々に会った和田は完全に別人だった。

 町ですれ違ったとしても気付かないだろう、これは。

 部活で真っ黒だった肌は白くなってて、短くしてた髪も伸ばして、まるで女の子みたいじゃないか。

 小学生の頃は一緒に遊んでて、中学の時は女子の制服着てるのに違和感しか感じ無かったのにこれだ。

 なんか騙されてる気がする。

 実は別人とか従姉とかだったりしない?


 転移でダンジョンまで行こうと近くに手招きするといい匂いがする。

 で、今日の恰好。

 確かに可愛いし、似合ってるけど、動きやすい恰好って指定したよね?

 なんでスカート履いてるの?

 まあ、魔法使いか僧侶なら、その格好でも平気かもだけど……。


「ホントにダンジョンなんだ……」

「ワシが作った!」

「なに、それ~」

 コロコロと笑うもんだから調子が狂う。

 考えて見りゃ、都会に出てもろくに女の子と話とかしなかったなぁ。

 あっちの世界じゃ死に物狂いだったし、女神は普通の女の子とは別枠だし。


 世界がこんな状況だけど、なんか平和だなぁ……。


 和田の希望クラスは僧侶。

 女神にスマホで連絡を取るとなんか和田と代わってくれと言われた。

「女神様から聖女認定受けちゃいました!」

 へ?

 あっちの世界じゃ適格者居なくて不在だった聖女?

 これって俺がUターンで戻って来なかったら、和田が召喚されてたんじゃね?


 あの地獄に?


 ……俺Uターン決めてファインプレイじゃね?

 あれ、女の子には耐えられないでしょ、マジで。

 男でも優しい奴だったら途中で壊れてる。

 俺だってもう一度やれ言われたら全力で逃げるよ? 


 まあ、そうやって頑張って戻ってきたら異星人の侵略なんですけどねぇ。


 じゃ、今日、明日でカンスト行っとこうか?



◆◆◆



 和田も無事にカンスト。

 二回目のトライはアッコちゃん連れてった。

 和田もアッコちゃんの魅力にメロメロ。

 アッコちゃんも和田相手には人見知りせず、勇者と聖女のコンビは割と良好であった。


 でもって、今日は有馬からの連絡を受けてスーパー大森に。

 オッケー貰ったそうだが、どうやって言いくるめたんだろうな?


「お前、ホント、無茶ぶりすんなよな?」

「ん? なにが無茶だって?」

「営業してるスーパーをダンジョンにさせてくれとか、無茶だろ?」

「初期装備で魔王軍幹部とその取り巻き殲滅するより軽い軽い」

「え? もしかして、お前やったの?」

「やれなきゃ死ぬしな、頑張りゃ大抵のことは出来るな!」

 最初は怒ってた有馬だが、俺の返答を聞くうちにダウナーに。

 

「ま、過去の、それも別世界での話だ。それより、どんな風にやっていいんだ? 地上はまんまで残すにしても入り口だけはどっかに作らせてもらわないとな」

「裏の倉庫の古い方使っていいってことになってる」

「考えたんだけどさ、食料だけじゃなく日用品もあった方がいいよな? そっちの交渉も頼むな、今日は食料ダンジョン作るけど」

「おま……分かった」

「じゃ、倉庫の中へっと、空っぽだね。こっから地下ダンジョンにするか……ダンジョンクリエイト……地下1階が植物系雑魚で、ドロップが野菜、果物、地下2階が動物系雑魚で肉類一般、地下3階が海洋系雑魚で海鮮食品一般、地下4階が低級悪魔で穀類全般、地下5階がゴーレム系で調味料とお菓子、地下6階がキメラ系で高級肉類、海鮮、地下7階がボスフロアで酒類、ダンジョンレベルはノービス、死亡時アイテムランダムドロップで入り口送還、ボスは常時ポップ」

「もう出来たのか?」

「うん、出来た。試しに入ってみるか? 裏山ダンジョンに比べりゃヌルゲーだけど」


 有馬と二人で入った。

 裏山ダンジョン10階までクリアすりゃ、ボスも楽勝だな? 

 俺や有馬じゃオーバーキル。

 


「どっかに初心者用ダンジョン作った方が良くね?」

「ウチのマンション徘徊すれば?」

「いや、そういうんじゃなくちゃんとしたダンジョンで」

「今、学校とかどうなってる?」

「流石に県庁所在地落ちたら授業もしてねえよ」

「なら、俺らの母校で良くね?」

「今は学校の勉強よりそっちの方が大事だな、でもはっちゃけるバカ絶対に出るぞ?」

「赤の他人の為に女神に転職頼んだりしねえよ?」

「あ、そっか、クラス無しじゃカンストしてもクラス持ちカンストに完封されるか」

「最悪、牢獄ダンジョン作るよ」

「お、おう(ま、マジか)」

「(更生不可能な奴はダンジョンモンスター化しちゃえばいいしな)」

「お前、笑顔が黒すぎるぞ?」

 有馬にドン引きされた。

 最悪、悪徳レベルアッパーは殺害も考慮してたんだけど、俺が直接手を下すこともないわな。

 牢獄ダンジョン作って収容したり、ダンジョンモンスター化して皆に殺されまくらせたりすりゃいいわ。


 あー、早くアッコちゃんに癒されたいなぁ……。

 お、お刺身ドロップ。

 アッコちゃんに献上しよっと♪


もっと軽いノリの話にするつもりが、主人公がかなりダークに

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >主人公がダーク 非常事態で身内優先になるのはしゃーないです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ