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第3話 友達になる⑤
走って行くと歩いている西川さんの後ろ姿が見えた。
今、プリントを…。
………歩くペース早っ。
西川さんスタスタと歩いて追いつかない。
それでも俺は西川さんにプリントを渡す為に必死に走った。
はぁはぁ…もう無理だ…。
俺が後ろでへばっていると、西川さんの歩くペースが遅くなった。
ここは小さな商店街。
小さいが少し人もいて、ぶつからないようにペースを落としたのであろう。
チャンスだ。
こんなチャンス逃すわけにはいかない。
最期の力を振り絞って西川さんに声をかけた。
「西川さん!好きです」