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第21話 見つかりたくない④
クローゼットの閉じ込められてから1時間が経過した。
「…ヘックシュン」
西川さんがくしゃみをした。
俺は上着を脱いで西川さんに渡した。
5月の半ばでかなり暖かくなっているが下着姿はかなり寒いんじゃないかと思って渡したのだ。
「…ごめんなさい。そこの引き出しに服があるの」
「えっ。あ、ごめん」
どうやら俺が邪魔で西川さんは服が取れなかったようだ。
考えればわかったのに。
西川さんは服を取るためにクローゼットを開けたのだから。
「す、すぐに…」
バタン
俺は焦ってよろけて西川さんを押し倒す形になってしまった。




