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第43話 お別れの仕方②
「違う。誘拐犯じゃない」
「じゃあ、電話してきたのは誰なんだよ」
西川さんは自分は誘拐されてないという。
「ずっと、黙っていたんだけど。私は…」
「佐阿。また会ったな」
大智がひょっこりと出てきた。
俺は出てきた大智胸元を掴もうとした。大智が西川さんの事を誘拐した犯人だと思ったからだ。
「やめて!」
大智を庇うようにして前に出てきた西川さん。
「西川さん。なんで…」
西川さんは何も言わずに無言でこっちを見つめる。何も言わない西川さんの代わりに大智が喋る。
「実はな。西川さんと俺付き合っているんだ」
「嘘だ!」
「ふーん。疑うんだ。いいよ。証拠を見せてあげよう」
西川さんが俺の目の前で大智とキスをした。




