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35話 最後の一人

「うぉぉぉぉぉ!!!!」

「効くかよ!」


 ギルドマスターの一閃をはじき返すシュライ。


「火剣!」


 叫び火属性の剣を振るうシュライ。


「そこだ!」

「だから効くかよ!」


 繰り返された攻防は結果は変わらず両者拮抗しているようだった。

 いや、違う。微妙にアリスが押し負けているように見えた。


「お前は許さないぞ!シュライ!」

「俺を許すのはお前じゃねぇぞゴミ!俺を許すのは俺だしお前らゴミを許すのも俺だァ!!!」


 弾き返すとシュライが距離を詰めた。


「氷剣!」


 氷を纏った剣で切りつけるシュライ。


「ぐっ!」


 後ずさるアリスに追撃をしかけるシュライ。


「風剣!」


 鋭い風をまとった斬撃を繰り出そうとしたシュライ。

 シュライとアリスの間に入った。


「かまいたち」

「なっ!」


 かまいたちをまとわせた剣で奴の風剣を受け止めた。

 相殺する風同士。

 いや、俺の方が魔法の威力が強く、シュライの剣を半ばから切断していた。


「なっ!なにぃ!」


 驚いているシュライ。


「Sランクの俺の剣を受け止めるだと………?ゴミのくせにと侮っていたのが失敗だったか!」


 叫んで後ずさるシュライだが


「その程度か?」


 追撃を加える。


「せい!」

「ぐぁあぁぅぁぁぁぁぁ!!!!!」


 ザン!!!!!!!

 俺はシュライの右腕を付け根から削ぎ落とす。


「お、俺の腕がァァァァァァ!!!!!!!」

「………」


 ブン!!!

 剣を振り切っ先をシュライの首筋に向けた。


「ひ、ひぃいぃぃ!!!!!!」

「チェックメイトだ」

「や、やめてくれ………」

「何人の奴隷がそう言った」

「し、知るかよ!ゴミの言葉なんていちいち覚えてねぇよ!」

「………」


 黙って首筋にプスリと剣先で薄く裂く。


「うぎゃあぁああぁぁ!!!!!!!俺のぉぉぉぉぉ!!!!俺の首がぁあぁああ!!!!!!」

「動くな死にたいのか?」

「死にたくねぇよ!!死にたくねぇよ!!!!」

「何人がそう言った?お前は何人殺した?」

「お、俺が悪かった!俺が悪かった!!!許してくれ!お前らも………俺のために許しを乞ええ!!!!」


 奴隷に向かってそう命令している。


「この期に及んでまだ命令できるその図々しさすごいね」


 マリーの冷たい視線がシュライに突き刺さる。


「俺は最強でなくてはならない。俺はSランクでなければならない。俺は勝ち続けなければならない。誰かに頭を下げるなど到底許される行為ではないのだ。俺は命じ続けなければならないのだ」

「うるさいなぁ」


 それを聞いてウザそうな顔をしたマリー。


「煩いしウザイ。死ねば?」

「俺が死んでは誰がこの世界を牽引する?!誰がこの国を支配するというのだ!」

「哀れな人」


 可哀想なものを見る目をしたマリー。


「シュライ。貴様には罪を償ってもらう」


 アリスが魔法の力が込められた道具でシュライを拘束した。


「………くそが………」

「まだそんな態度を取れるのか?強かなものだな」


 鼻で笑うアリスだった。



「どうしたんだい?カイム」


 俺は1人で更に奥の階層に目をやっていたところウィンドゥに声をかけられた。


「いや………この先何があるんだろうなって」

「一先ずは戻るのが先決じゃないか?」

「それもそうだが………」


 俺はウィンドゥを見てしかし次の瞬間には奥に目をやっていた。


「お前も気にならないか?こんなにこのダンジョンが変わった理由」

「気にはなるけど………今はシュライの方が先じゃないかい?」

「何か大変なことが起きていたら大変じゃないか?」

「それが起きていた時今の状態で大丈夫なのかい?何の準備もしていないけど」

「それもそうだが………やばそうなら戻る。それでどうだ?」

「本当に戻るんだね?」

「あぁ。約束する」


 そう言うと俺はウィンドゥと役割分担することにした。


「ウィンドゥはここに残ってシュライの監視をしてくれるか?」


 そう言ってからアナ達にも細かい指示を出すことにした。


「俺はアナとニーナ、それからマリーを連れて奥へ行く。サーシャとアリスはここに残ってくれるか?」


 そう言うと誰も反対はせずに黙って頷いてくれた。

 どうやら奥の調査は許されたようだ。


「カイム、やばかったら戻る。それでいいね?」

「あぁ。俺も無茶はしないタイプだ」


 そう答えて俺はアナ達を連れて奥へ進んでいくことにした。

 目指すはこのダンジョンがこうなってしまったことの元凶だ。



 風の螺旋?41階層


 さっきまでも熱いとは思っていたが。


「と、溶ける………」


 明らかに熱くなっていた。


「カイム………これ以上は危険だよ」


 マリーがそう伝えてくれる。


「本当に溶けちゃう。それに気のせいじゃなかった。このダンジョン上に上がれば上がるほど熱くなってる」

「やはりか………」


 正直俺も熱いと思っていた。

 そして


「戻ろうか。マリーの言う通りこの熱さの中進めるとは俺も思えない」


 進めるところまで進もうと思っていたがここまで熱くなるのは予想していなかった。

 もう少し進めるだろうかとは思っていたが予想以上に進めないという結果になってしまったのだ。


「熱いですー溶けますー」


 アナもぐだーっと力なく項垂れている。


「早いとは思うがここで切り上げよう。というより一気に熱くなったな」

「原因が近いのかもしれないっすけど安全考えるなら一旦退くべきっすよね。命あっての物種ですし」


 ニーナもそう口にしている。

 その通りだ。

 この暑さの中歩けば最悪命を落とすことになるだろう。


「それよりあのシュライって男どんな罰が待ってるんすかね」

「俺も詳しくは分からないがあそこまで好き勝手にやったのだ。結構な罰を受けることになると思う」

「うへー。あんな馬鹿なことしなかったら良かったっすのにね」

「普通はそう思うがあいつは普通じゃないからな。さてとウィンドゥ達のところに戻るか」


 そう答えて俺たちは階下に戻ることにした。

 このダンジョンの捜索は一応これで一旦終わりだ。

 そもそも今回は攻略が目的ではなかった訳だし。


新作明日くらいに投稿予定です。

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