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無精髭は武将髭にするとカッコよくて、中二病的センスが為せる業だと思ってる。
「おまいら、起きろ!
ラジオ大賞があるってよ」
なんだとコラ、僕は寝ていたって言うのに
僕の頭の脳内ではそんな感じで日常が進む。
「それじゃ某を主人公にすると言うのはどうでござるか?」
「あっ、無精髭の武将髭さん、
あんたが主人公になるのはちとばかし厳しいかな」
「どっどうしてじゃ日比谷殿!」
「いや、ワイも無精髭なんだが、
どうやらここ日本では女子受けが悪いらしいわ」
「まっ…マジか……」
「いや、本当にそうなんだよ」
僕たちは肩を叩きあった。
「フハハハ、哀れだな、君達は」
堕天した天使の翼を広げ、片目には封印した眼帯を刻んだ
ていう設定付けに見合うように痛いところにお金をかける、
重課金のソイツの名は……
「中二病マスター!」
「フフフ、闇の炎に抱かれて死ね!」
指を銃に見立てて、
僕たちのハートを撃ち抜いたつもりなのだろうが……
「いや、マスターはないから」
「某も同意」
「えっなんで!なんで!俺主人公でも良くね?」
「いや、マスターは痛すぎるから」
「痛いって……あぁ右目が右目がうずっ」
彼は泣いて帰っていった。




