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はち、  作者: のん
7/7

いるよ


体はとても重たいが

気づくと朝を迎えていた。




(今日ゆうたに会うのやだな、)


ほんとうは現実なんてまだ

受け入れられていなかったし

わたしはまだ軽くパニックだった





重たい足取りで職場に向かった。





ヒロくんは何となく気をつかってくれているようだった「おはよ、寝てないだろ。」



『寝たよー、全然寝た気がしてないけど。シャンプーしながら泣いたらどうしよう...』



「まあ、無理すんな。」

と、軽く頭をなでてくれました。






約束の時間


ゆうたからLINEが来ました。

わたしは変に緊張してメッセージを読むのすら怖かった。



「店の場所どこ?」



『あ、エレベーターの出口から1分で着くよ』



「迎えこいよー」



あー、いつもの感じだ

まだなにも勘づいてないんだな



『うん、わかった。』




そうしてわたしは駅まで迎えにいくと

ゆうたは遅せぇよって顔で待っていた。





(もう、泣きそう)



わたしは自分の気持ちを押し殺して

とにかくお客様として接した。



「今日このあと予定ある?ないなら今日あいん家行くわ」



『え、えっと、予定はないよ』



「お!じゃあ飯食って帰ろーぜー」




『うん。』




夜、2人でしっかり話そう。

わたしは心に誓った。




いつもの様に帰りにご飯を食べに

ラーメン屋さんに入った

わたしは1口食べたことろでとても気持ち悪くなってしまって食事どころの話ではなかった。

食事がのどをとおらないってこの事だって身をもって感じた。



ゆうたもそんな私を見てめずらしく

少し心配そうにしていた。



「おれ、ちょっと本屋寄りたい」


『うん、わかったよ』


(もう、ほんとに苦しい。このまま一緒に帰って大丈夫かな、1人になりたいなぁ)




1時間ほどするとゆうたが買い物を終えて

店から出てきた。



『遅かったね、』


「あ、わりわり迷っててつい。」




それから一言もしゃべらずに家に着いた。




「あいー、ちょっといい?」



『なに?』



話を始めたのはゆうたからだった



「今日具合でも悪い?大丈夫??」


『あ、多分寝不足なだけ大丈夫』



「そっか、これあいにやるよ」





ゆうたが差し出したのは2冊の本だった


2冊とも美容師関係の仕事の本



『ん?どうしたのこれ。』



「いや、あいに渡す用に買ったの」



『あ、ありがとう。でも急に...?』




「今日1日元気なかったじゃん、なんかあった?飯も食えないとか心配で」




『え、あ、うん。えっとー、ゆうたに彼女いるって知らなかったんだけど...』




「あー、なんか見たの?」



『インスタだよ』




「いるよ。いるけどもう終わってんだそいつとの関係...義理で一緒にいるというか、もう男女の関係はお互いないんだけどただ一緒にいるだけで

おれは、もう恋愛感情とかもなにもないんだ。」




『そう。』



わたしは彼の話をまっすぐに聞き入れた



「だからこの本を渡して今日で終わりになる覚悟で実は来たんだ。俺はあいのことが好きだらここにいる。もうあいつとの関係をちゃんと終わらせるつもりでお前と一緒にいるんだ」



きっとわたしはまだパニックで

受け入れることが精一杯だった

そしてわたしも一緒にいたいと思っていたので彼を信じて簡単に仲直りをした。





わたしは気がつくと涙が溢れていて

話の間ひとしきり泣いていた。



(きっと私のことがちゃんと好きだからこうやって家に来てくれるし一緒にいる時間をたくさん作ってくれるんだな、)



こう言い聞かせて彼を信じて

別れるのを待つことにした。






少し気持ちが楽になった。



「安心しろよ、もうお前だけだ。」

ゆうたのその言葉を信じることにきめた

もう誰に何を言われても揺るがない

そう強く思っていくようになった。



それから数日が経ちわたしたちは

今まで通りの仲良しに戻っていた。





そのころから彼はわたしのことを

「はち」と呼ぶようになった


忠実に飼い主の帰りを待ち続ける

ハチ公から名前をとってはち。

彼はその呼び方をとても気に入ってよく私を呼んでくれるようになった。




そしていつもと変わらない日常になれ

ほぼ同棲と言っても過言ではないほど

一緒にすごした。



それからというものな

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