発覚
『ねえ、ゆうたーそろそろ髪でも切れば?火曜日切ってあげるよー』
「あ、まじ?」
『うん。時間あるなら来なよ』
「いく。」
「あ、ちょっとこれから家帰んねえとだ」
『え、こんな時間に?...あ、駅まで送るよ』
2人はすぐに家を出て駅に向かった
『じゃあね、気をつけてね』
「おう、火曜よろしくな」
(あ、じゃあ火曜までこないんだ)
ちょっと寂しく思ったけど
明後日は髪切りに来るしいいかと
1人家に帰った。
久しぶりに家に1人だった
この頃、私は友達とも遊ばず、ゆうたと過ごす日が大半を占めていた
ふとInstagramを開いた
『そういえば最近遊んでないなぁ』
友達の写真を見て、無性に会いたくなった
振り返ってみればゆうたは私が友達と遊ぶというとあまりいい顔をしないし
ゆうたの誘いを断ることもしていなかった
ほぼ毎日悠太が家にいるので私には自由な時間がなくなっていた
ゆっくりスマホを見る時間もなかった
1人になってぼーっとしていると、ゆうたのことが頭に浮かんだ。
『私ゆうたの何を知っているのだろう』
この時の私はゆうたのSNSなどしらなかった。
『#ゆーた』
彼は自分の名前を表記する時に
『ゆーた』とつづっていることがおおかった
私は何も考えずにそれを検索した
もちろんそんなハッシュタグ写真ははたくさんあり『見つかるわけないかぁ』と思って写真をスクロールしていくと
『これ、』
見つけてしまった
彼が女の子と2人で写っている写真を
私は昔の彼女かなぁと思って興味本位でその子のアカウントに飛んでしまった
見なきゃよかった
『ゆーたがめずらしく作ってくれました❤これで今月も頑張れる!ありがとう、だいすき!#ゆーた#彼氏』
なにこの投稿
ショックだった
ゆうたはその子と2年も前から付き合っていた。
そして3時間前の投稿に『熱でダウンなう。』と体温計の写真が投稿されていた。
冷静になった私は
彼女のところに行ったんだ。
気づくと私は泣いていた。
普通ならすぐ彼に連絡するだろう
なのに私はすぐに事実を受け入れられず
少しの間、ボーッとしてしまった。
信じたくない
信じられない
普段はタバコなんて吸わないのに
彼が置いていってタバコを吸っていた
タバコの味なんてわからないくらい泣いていた
私は彼に連絡はしなかった
火曜日に話し合おうそう決めたから
何度も彼女のInstagramを開いてしまう
そこにはシンも写っていて
ああシンは全部知ってたんだ。
そういえばあんまりあいつに深入りしない方がいいと言われたことを思い出した。
もっとちゃんと言ってよ
もっと早く教えてよ
ひとりじゃどうしようもなくなった私は
なぜかシンに電話をしていた。
『...もしもし』
「あい?どうしたこんな時間に」
『急にごめん。今家?』
「ちょうど仕事終わって帰ってきた」
『全部正直に答えて』
わたしは今まであったことを全部話したそしてちょっとシンに八つ当たりしたりもした
3時間も電話してしまった。
「あいがちゃんと決めな」
『信じたい...けどわからない。』
「あいつにゆだねることないんだよ。知ってて言わなかった俺もまじ悪いけど、あいつは今あいに甘えてるだけかもしれない。」
シンは私が居ないところで、ゆうたに何度も話していた。
どっちかにしろって、どっちも手放すことになるって何度も何度も言っていたらしい。
わたしの知らないところでシンはわたしを心配してくれていた。
「でもあいつが人に頼るのは珍しい
だから、生半可な気持ちではないはずだと思う。でも、間違っていることも多い。それを踏まえてあいが答えを決めればいい。少し休みな、いつでも電話してきていいから。」
わたしは気づくと泣きじゃくっていて
何も言えないほどになっていた。
私なりに一晩考えた。考えすぎて
朝は気持ち悪くて吐いていた。
今思えば、私はもうボロボロだった
ゆうたについていくことに必死で、自分をなくしていた。
なのに私はゆうたを信じるということを選んでしまった
毎日していたLINEを久しぶりに返さなかった
火曜日の時間だけ伝えて、私はスマホを閉じた。
今思えば無理をしていた。
私は唯一の同期のひろくんに話をした。
ひろくんはスタイルも良くて、人気者で
同期だった私は全くそんなことが思ったことはないがよく羨ましいと言われていた。
『ねえ聞いてよ。彼氏に彼女がいたんだけど笑』冗談ぽく話した
「まじ!?やばくね?(笑)で?別れた?」
『ううん明日来る』
「はぁ?大丈夫なの?」
『わかんないよーもうなんか今自分が何考えてるかわかんない。しかもゆうたは私がそのこと知ってるって知らない。』
「おいおい、どうすんの」
『明日話そうかなーって』
「でも、明日来るんだろう?」
『あーもうわかんないよう』
『明日何かあったら助けてね!!』
「とりあえず楽しんどく俺は(笑)」
『おいー!!!』
ひろくんと話して少し気楽になった。そういえばこんなに長く同期と喋ったのは久しぶりだった。
珍しくゆうたからも連絡は来なかった。
もちろん私のSNSは見ていると思う
「バレちゃったね」って真っ黒な写真をあげた。
気づいたかなぁ
もう今日は寝ることにした。
大丈夫、私の味方はいっぱいいる。
明日を迎えるのはとても怖かったけど
目をつぶった。