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はち、  作者: のん
5/7

出張


それからというもの

ゆうたはわたしの家にちょくちょく

来るようになり

毎日一緒にご飯をたべたりするのが

当たり前になっていた。



休みの日になるとゆうたに誘われて

いろんなところに飲みに連れていかれた。



ゆうたは人見知りがほとんどなく

お店にたまたまいた人と仲良くなることもめずらしくなかった。


日々を重ねていきゆうたは自分のことをよく喋るようになり深くまで知り合うようになった



ゆうたはイベントコンサルを主体とした

仕事を自分1人でやっているといっていた

今度大阪と名古屋で大きなイベントがあるらしくワクワクした様子で話していた


大阪に出発する前の日いつもの様に

でかいスーツケースを持って私の家に来た。

大阪から名古屋にハシゴだと言っていたので相当大きなイベントなんだなーと

とても感心し、少し離れるのが寂しいと感じていた。



「4日間も会わねえのひさびさだな。」


『そーだね、なんか変な感じ』


「なに寂しそーな顔してんだよ」


『そ、そんなことないよ...』


「強がんなって、すぐ帰ってくるから」

そう言ってゆうたは始発の電車で大阪へ向かった。もちろんわたしは駅まで送りそのあと少し寝ていつもの様に仕事に行った。



出張のゆうたから食べているご飯などささいな写真が何枚か送られてきて

楽しんでいるんだなということがわかった。

それと夜中にとてつもない量の札束の写真が送られてきた

わたしはびっくりして思わずえっと声をもらしていた


「あー、つかれたー」

『おつかれさまーすごい稼ぎだね』


「まあな、富裕層向けのイベントだったからみんな金落とすんだよ。ざっと700万くらいは手取りかな。写真見ただろ?」


『あ、すごいね。ほんとに社長なんだね』


「お偉いさんたちに挨拶回りしてたからまーじつかれた。今日のうちに名古屋に飛ぶ予定だったけどもう無理だから明日の朝一で行くことにした」


『なんか全然想像してた規模が違った〜ゆうたすごいね!!疲れてるだろうし寝な!落ち着いたら連絡くれればいいよ!』



「お、めずらしく優しいな(笑)

ありがとな。また連絡する」


わたしは改めてすごい人と知り合ったんだなとこの時思っていた。

それと同時にゆうたという存在のイメージが確立してきていた。


ゆうた=やり手社長







名古屋から帰ってきたと連絡が入り

また夜から一緒に居るようになった

荷物は全部家に送ったらしくクラッチバッグ1つでいつもと変わらないゆうたがそこにいた



「いやー疲れた。お前マッサージしろ」

『えーやだよー、わたしも疲れてるー』

「いやいや、俺の疲労はレベルが違う(笑)」


『絶対やだー』


またいつも通りの日常に戻って行った



それからほぼ同棲みたいな生活になっていたがちゃんと同棲をするというわけではなかったので

家賃や光熱費などは今まで通りわたしが払っていた

まあそこはそんなに気にしていなかった

そのころのわたしはゆうたと一緒にいる時間がとても居心地が良くて好きだった。


そしてゆうたも当たり前のように家にいるようになり合鍵を持つようになった



わたしは毎日大好きな人とそばにいれることがとても嬉しくて自然と仕事も頑張れた。




それからゆうたは時々自分の家に帰り

仕事が立て込んでいる日以外はわたしの家ですごすようになった。


相変わらずいろんなところに出張へ行っていた


わたしはいつ帰ってくるか分からないゆうたのために毎日ご飯は作っていた

今から行くわと言われ待っていたのに

結局来たのは朝方だったり

すっぽかされる日もあったが

わたしは仕事が忙しくて接待とかで帰れなかったんだなと思って

いくら遅くてもちゃんと家で待っていた。



「ごめんな、こんな時間なっちまって、先に寝てて良かったのに」


『大丈夫だよー、やることあったし』


「疲れたから寝るわ」


『うん!ご飯あるから食べてねー、今日の夜はいる?』


「やっとやすみだから今日はずっといるよ。俺がたまには飯作るから楽しみにしとけ」



『え、ゆっくり休んで!また帰る時連絡入れるね』


「おう」



そういいわたしは仕事に行った

その日はワクワクして早めに家に帰れるようにした。

早めと言ってもいつもほぼ終電帰りだったわたしなりの早めで22時に家についた



『お腹すいたーー、え!ちょうおいしそう!!!』


「まあ、簡単なもんだけど。」


『いや、全然だよ!料理も出来るんだね』



「そんなだって(笑)」


ゆうたはおしゃれっぽいご飯を作って待ってくれていた。

普段オシャレなお店でご飯食べるからこんな風にできるんだろうなと勝手に思っていた。



その日以来ふとご飯を作ってくれていることが多くなった。

いつも家作業の仕事が多いゆうたは私の家で仕事をするようになった

なので常に私の家にいた。


帰るともちろん家にいて

近くのお店で夕飯を食べたり

朝まで語り合ったり

毎日ゆうたと一緒にいることが当たり前になってきていた。

休みの前の日は出会った頃のように

仕事終わりから朝方まで飲み明かし

次の日は夕方までダラダラして

絵に書いたような幸せな日々を送った



9月から10月にかけては少し忙しそうで

出張や、会議などで家をあける日が増えた


冬に向けてイベントが立て込んでいるようだった。



わたしはたまには髪でも切ってあげようかなと思って空いてる日分かったら自分の働いているサロンに来なよと誘うと

嬉しそうにしていた。



その日が最悪な1日になるなんて

わたしは思ってもいなかった。





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