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はち、  作者: のん
2/7

お前


わたしは23歳になっていた。

仕事に打込みほぼ毎日終電帰り、

後輩や先輩の付き合いも断らずに

美容師として開花していた。



もちろん彼氏なんて作っている余裕はなかったし、

だんだん異性への興味も薄れてきていた



そんなわたしを気遣ってか

元々知り合いだった美容師仲間のシンに

「夏だし、人集めてBBQでもしない?」


と誘われたのでちょっぴりめんどくさいなーと思いつつ女の子メンバーを集めた



軽い合コン的なノリだろうなと思い

まあ、せっかくだしお肉沢山たべよう!くらいしかこの時は考えていなかった。




当日




雨でも大丈夫な様に川沿いのBBQハウスを予約した

まさかの台風の直撃で豪雨の中集まることに


わたしが集めた女の子たちは

2人がドタキャン

シンが集めた男の子たちは1人をのぞいてみんな

集まったものの台風のせいでずぶ濡れ

笑えるほど雨にあたってきたので

そんな話題で仲良くなるのに時間はかからなかった。


わたしの隣にはなぜか長身で小顔の

カケルが座っていた

一般的にいうイケメンってやつ

カケルはお酒が弱くてもう若干酔っていた

わたしは昔から酔っ払っいが苦手だったのでいつものように軽くあしらっていた



すると少ししてシンが席を外した



(誰か迎えにいったのかな...

そーいえばまだひとりきてなかったか。)


と思いつつ気にとめることもなかったが

サプライズ的なノリでシンがひとりの男を連れてきた。



『え、なんで、服ぬれてないの?』




「は、タクシーで来たから。てか、お前だれだよ。」





この出会いがわたしの人生を大きく変えてしまうなんてこの時は1ミリも考えていなかった







もちろんわたしはなんだこのメガネ野郎と

思ったが一応初対面だったので

『あい...です。』と返した





「俺、お前きらーい(笑)」


とチャラけた反応をしたので



冷静にわたしは無視をかまし

結局この会が終わるまで口をきかなかった。





BBQがおわりみんなほろ酔い

昼からビール飲めるのは最高で

少しハイになっていたと思う。




わたしはシンに『帰りたいんだけど』とみんなに聞こえないように耳打ちした


「えー、まだ明るいしダメだよ〜」




完全に酔っ払っていた。

あぁ、もうこりゃだめだとわたしは諦め

二次会のカラオケについていくことになってしまった


みんな酔いが回ってテンションは高めだった。

この時も隣にはカケルがくっついていた

何度席を立って違うところに座っても

なぜか隣にくるのでめんどくさくなったわたしは移動を諦めた



「ねえ、あいちゃーん!一緒にこれ歌おうよ〜」



『えー、この歌しらなーい。カケル1人で歌っちゃいなよ〜』




と、適当にあしらっていた








飲みすぎて気持ちが悪くなったのだろう

カケルはしばらくトイレにこもっていた


『ちょっと!シン!!もーまじつまんない!!』


「わりわり、今日だけ俺の顔立てて」


『え〜』


「あ、俺の番だっ!まあまあ、俺の歌声聞いてろって」



(ったく〜、こういうときに使えないんだから〜)






ドサっ、





!!




「シンのこと好きなんだろ?」



と私の横に座ってきたのは

来て早々に宣戦布告してきたあのメガネのおチャラけ野郎だった。



『は?昔からの友達なだけです。』


「ふーん。」

「てかさ、嫌なら嫌って言えば?まあ、うまくかわしてたからあえて助けなかったけどさ」


『なにが?』


「カケル、ずっと横にいるの鬱陶しいんだろ?」



『別に、気にしてない』



「へぇー、お前おもしれーな(笑)」



『は?馬鹿にしてる?』



「いや、してねーよ。」



そしてメガネ野郎はそのまま隣に居続けた。





終電間際ようやく解散した

メガネ野郎はタクシーで

わたしとカケルは帰る方面が同じで

あとはみんな逆方面だった。


仕方なくカケルに肩を貸してあげた

貸してあげたというか気づいたら勝手に寄りかかって寝ていた


『カケル、駅ついたよ。起きて』


「もう着いちゃったのか...」



『はいはい、寝ぼけてないでちゃんと家帰るんだよ〜気をつけてね。』



「あいちゃんもね、電車のりすごさないようにね」


『うん、大丈夫だよ』






わたしはカケルと分かれるとボーとスマホをいじっていた



突然一通の通知がきた







「無事に帰れたか?」






それはずっとわたしのことをお前呼ばわりしていたあのメガネ野郎からだった。







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