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魔法少女に転生したら〇〇されたww  作者: メろロメん
3章 白き魔女
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54話 自分の部屋に見知らぬ女の子がいるという普通ならウハウハな展開なのにその女の子に戦慄を覚えることになった理由


目の前に少女が現れた。


よく考えればおかしな話だ。世界商会会館27階の会長執務室に見知らぬ女の子がいるということなど普通はありえない。


しかしその時はおかしいとは思わなかった。あまりにも非現実的で、まるで夢のようであったからだろうか?


その少女は乱暴に扱えば壊れてしまう人形のように華奢にみえた。だか獲物を狙う獣のようなギラついた目をしていた。


「こんにちは あの すいませんが ちょっと来てください」


「君を誰だね いったい どうやってこの部屋に入ってこれたんだ?」


言うが早いか少女に一瞬で距離をつめられ手を掴まれたかと思うと私は見知らぬ場所にいた。


そこには不思議な光景が広がっていた。青空の下で政治家、軍人、魔法使い・・・いづれも見るからに地位が高いことがわかる者達が、いかにも安っぽくてやたらと大きなテーブルを囲んで座っている。


ふと下を見ると驚いた。どうやらかなり高い場所のようだ。眼下に巨大な城壁に囲まれた街がみえる。


「お待たせしました こちらは えーと 『世界商会』の会長の・・・何さんでしたっけ?」


「クロセット・オバラだ ここはどこかな?」


「ここは神聖ミライリアの『空の円卓』です」


「なにを言ってるんだね 君は!? イタズラは止めて直ぐに私をもとにいた場所に戻しなさい 今は早急に神聖ミライリアとの交渉の対策を打たねばならんのだよ」


あまりに想定外の展開で頭が混乱する。だがこういう時にこそ平静さが必要だということを私は知っている。心をニュートラルに保たねば。そして確定要素のみで分析をするのだ。


確かに下に広がる景色は神聖ミライリアの首都グランドパレスの街並みにみえる。そして『空の円卓』は『白き魔女』によって破壊されたことは聞いている。ならば屋根がないことやこのテーブルが仮につくられたものであることの可能性はある。


「えと それをここでやってもらえませんか? 自己紹介した方がいいかな 顔見知りはいないですかね? まずはボクはツバサです 『白き魔女』って呼ばれてます そしてあっちがアルナです」


『白き魔女』は魔法を無効化するという情報も耳に入っている。だとすれば気づかれることなく世界商会会館の私の執務室にいきなり現れたこともむちゃくちゃな行動ではあるが説明はつく。


「神聖ミライリア 第38代皇帝アルナ・レオンハートです 確か一度 晩餐会でお逢いしましたね」


「!?」


以前見た時に感じた自信なさげな少女の面影はない。しかしそこにいるのは紛うことなき神聖ミライリアの皇帝であった。


つまり私は戦争を仕掛けてきた相手の首脳陣の前になんの当てもなく丸腰で投げ出されたということだ。


──もう詰んでいる。


私は状況を理解した。これは生きて帰れないだろう。もし生きて帰れるとしたら、それは『世界商会』という組織を神聖ミライリアに売った時だ。



アルナが以前に言ったセリフを一部変更しました。

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