50話 キチ〇イにキチ〇イだと言われた件
普通は人は人を殺せない。
やっぱりいけないコトだと本能的に思うからだ。ボクが『キチガイ』ではないようにほとんどの人は『キチガイ』ではないのだ。
人を殺すには理由がいる。殺しを正当化する為の理由があって初めて、人は人を殺すことができるのだ。
ボクもどうにかこうにか自分を正当化する為に言い訳のように色々と理屈をひねり出してきた。
まぁ、いちばんお手軽なのはヨハンさんがやってたみたいに全部神様のせいにするやり方なんだけどね。神様が言ってるから従えといヤツだよ。
バカバカしいと思うかもしれないけど多くの戦争で指導者はこの方法を使ってるハズだ。神様がこの戦争は正しいと言ってると嘘をついてみんなを騙して相手を殺させるやり方をね。日本だって戦時中は天皇陛下を現人神と言って神様にしてたでしょう。
神様の命令なら自分は絶対に正しいということになるワケだ。絶対に正しいという確信があれば人は人を殺しやすくなる。
人を殺すことが正しいということになれば人を殺すことが間違ってると言う人が逆に世間から『キチガイ』とみなされる。
これはとても恐ろしいことだよ。こういう雰囲気になれば神様なんて居ないと思ってる人でもそんなことは言えなくなり誰かを殺す選択をしだすハズだ。
つまり空気を読んで上手く立ち回るヤツこそ直ぐに本物の『キチガイ』になるんだよ。空気を読むヤツがバカでKYは正義なんだな。
とにかく危険なのは自分の頭で考えないことだ。自分の頭で考えられない人は暴走してとんでもないことをやる可能性があるんだ。
つもりボクの自分で考えて本当にやりたいことをやったら暴走して人を殺したり大変なことをしでかすんじゃないかという心配は無用であり全く逆なんだ。自分で考えない人こそが暴走するんだよ。
ボクは決して『キチガイ』なんかじゃない。もっと自分に自信を持とう。
そして権力者はそういう自分の頭で考えないバカなヤツらを自分の利益になるように誘導するワケだよ。
悪意をもってるヤツはいる。そういうヤツらの思惑にのらないようにしなければならないッ!
うん?
・・・ここまで考えてボクはあることに気がついてしまった。今のボクは『神聖ミライリア』の国民を自分の利益になるように暴走させることができるんじゃないかな?
ボクの神の使徒である『白き魔女』という立場と膨大な魔力そして『神聖ミライリア』の戦力を使えばこの異世界を自分の意のままに操って支配することができるんじゃないかな?
ボクはそのことにあらためて気がついてしまった。




