49話 いつからボクは壊れたのか?
もちろん、陰口を叩かれたくらいで人を殺したりはしない。そこまで『キチガイ』じゃない。
・・・本当にそうだろうか?
ボクは自分が『キチガイ』じゃないと言い切れるのかなぁ。なんにせよ、確かなのはみんながボクを『キチガイ』だと言ったら自分がそう思ってなくても世間的には『キチガイ』になってしまうということだ。
みんながそう言ってるからきっとそうなんだろう。
ほとんどの人は大して興味がないことならそんな風に考えると思う。でも自分がみんなにそんな風にレッテルを貼られたらどうすればいいのだろうか?
ボクはそんな時に反発しながらもみんなが客観的にみてそう思うならば、そういう所があるのかもしれないと思ってしまっていたんだ。
とにかく自分に原因がある。それが間違ってるということがわからないなんてボクは頭が悪いのだ。反省して自分を変える努力をしなければならない。そんな風に考えてしまっていた。
なんでボクはそんなに卑屈だったのかな?なんでそんなに他人を信用したのかな?どこからボクはおかしくなってしまったのかな?
ちっちゃい頃、ボクは親や先生の言うことをよく聞くいい子だった。よく褒められていた。それがボクは嬉しかった。親や先生はいつも絶対に正しいと思っていた。
だけど、高学年くらいになると親や先生のいうことを真面目に聞いていると友達からバカにされるようになった。
ボクはバカにされた時にその友達を否定することができなかった。そして親や先生ではなく友達やその場の空気に合わすことが正しいことなのだと思うようになったんだ。
なんのことはない。ちっちゃい頃からずっとボクは自分のことを自分で決めずに他人に決めてもらっていたということだ。
そして自分がやりたいことをずっと我慢してずっとツラかったというわけだ・・・
何をしたいのか?何を選ぶのか?
それを自分で決めないなんて本当にバカだよ。みんなバカだと思っていたけども、みんなの中に自分も入っていたのだ。それをやっと目をそらさずに見ることができるようになった。
やっぱり、何が正しいかは自分で決めるべきなんだよッ!!!




