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魔法少女に転生したら〇〇されたww  作者: メろロメん
3章 白き魔女
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39話 音が無い世界


「私はこれから皆さんに音を消す魔法をおかけします これにより気付かれずらくなりますが 当然 姿を見られたらバレますので お気をつけ下さい」


「わかりました お願いします」


「かしこまりました 『無音なる世界(サイレントワールド)』」


「これで 音が聞こえなくなったんですか?」


あれ??


声が出ていない・・・そうか音が消えてしまっということね。てかこれでは会話ができないよ。また欠陥魔法じゃん。


『翼さま この魔法の発動中は会話は念話でお願いします』


不意に頭の中にガジャの声が響く。


『なるほど そういうことね』


『では 塀を超えますよ』


『越えた先に人がいたりしないかな? 音を消すだけで見られたらダメなんだよね?』


『以前申しましたように 私は人の気配を察知する能力に長けており この屋敷にいる全ての人間の場所や様子は把握しています 誰にも気づかれずにみう達のいる場所まで案内させて頂きますので ご安心を!』


そうは言っても使用人はたくさんいるし誰にも気づかずには難しいんじゃないかな。


ダメだなボクは・・・やっぱりすぐにみんなのことを疑ってしまう。


ガジャはふわりと3メートルほどの壁を飛び越える。ボクは魔法を使ってその後を追う。


懐かしいの庭園が広がっていた。いい思い出は何も無いけどそういえばこんな感じだったなと記憶が蘇ってくる。


『このまま塀に沿って進みます ついて来てください』


屋敷に行くにはかなりの遠回りをしている。人を避けているのだろうか。めっちゃ早いスピードで移動しているのでボクは魔法で飛んでその後をついていくことにした。みんなもそれぞれ得意な方法で移動しているみたいだ。


もしかしたらエマとも念話ができたりするのかな?ちょっとやってみよう。


『エマちゃ エマちゃ 聞こえる?』


なんの返事もない。できるならすでにやってるか・・・本音が漏れることがあるのは困りものだけど便利は便利だから王宮(いえ)に戻ったら練習してみようかな。


『ここから一気に屋敷まで移動しますよ』


『あ はい 了解です』


なにボクは終わった後のことを考えてるんだ。フラグを立てるんじゃないよ。いや、ダメだな。なんか緊張感が無くなってきている。気を引き締めなくちゃいけない。


屋敷に着いたと思ったらガジャはいきなり壁を魔法でぶっ壊した。


えっ、なにやってんのー?


と思ったが壁が崩れて粉々になっているのに全く音がしない。壁にも魔法をかけたのね。これなら気づかれない?と思ったら向こう側に人影がある。バレてんじゃん!


女の子がなんか叫んでいる。しかし口が動いているだけで声は聞こえない。女の子にも音を消す魔法をかけたのか?これなら見つかっても大丈夫だね。なかなか使い勝手がいい魔法のようだ。


次の瞬間、何も無い空間から鎖が出現するとまるで意志を持っているかのように女の子に絡みつき身体を縛りあげた。ガジャさんが前にボクに使った魔法だ。あまりいい気はしないな。


その女の子をよく見ると知っている子だった。ここでボクが暮らしていた時に理由もなく嫌がらせをしてきたヤツだ。ボクに気がついたようで拘束され床に倒れた状態にも関わらず凄い顔で怒鳴っている。


なんかイラッとするから蹴っ飛ばしてやろうかな?


いや世界の救世主である白き魔女様がそんなことをしたらみんなに引かれてしまう。ボクは腹が立つからその子の顔は見ないようにして横を通り過ぎた。


でっかいシャンデリアの部屋を抜けてわけわからん模様の絨毯が敷かれた階段を駆け登る。相変わらずデカくて金がかかってそうな屋敷だ。ボクを売ったお金でいい暮らしをしてるのだろう。本当にムカつくよ。


この先にあるのはみうの私室のはずだ。部屋の中でなにをしているのかな?


きっとボクを見て驚くことだろう。なんかワクワクしてきた。


『この先の部屋にみうとヒロはおりますが 実は少々 まずい状況になっておりまして正直なところ翼様は突入なさらない方が良いかと存じます (わたくし)どもを信頼してください 絶対にみう達を捕らえてご覧に入れますので 翼様は一旦 お戻りになられませんか?』


『は? なに言ってんの? ここまで来て戻るわけないじゃん! てか まずい状況ってなにさ』


『それはちょっと・・・ 申しあげられません』


『理由を言ってもらわないと 判断できないよ 話にならないな』


ここでボクの邪魔をするなッ。マジでどういうつもりだよ。


『・・・かしこまりました では参りましょう 準備はよろしいですか?』


『大丈夫だよ』


遂にこの時がやって来た。まずい状況というのが少し気にはなるけどここまで来たらもうあとはやるしかない。


それにボクはすでに死を覚悟している。ここで死んでもかまわない。死んだとしても相手の腕や足の一本は持っててやる。死ぬまで魔法を打ち続けてやる。


最悪の想定もできている。前と同じように、ボクが万が一に捕まりそうになったら今度は自分で自分の首を魔法で切り落とすんだ。そうすれば二度と屈辱を受けることはない。


死を恐れなければ怖いことは何も無い。そう考えると気が楽になった。ボクは何でもできるんだ。



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