9話 魔法少女は真相に迫る!
「まずは翼様のお体から魂を抜くなどという不敬をはたらいたことをお許し下さい」
ガジャ達はその場で跪く。跪かれたことなどボクはないのでそれを見て逆に少し怖くなる。だけど別に危害を加えられたわけでもない。無駄な心配をしても意味がない。
今ボクに必要なのは正しい判断だ。ヨハンに対して判断を間違えたからこんな目にあったわけなのだから。窮地に追い込まれて死にそうになるのはもうたくさんだ。落ちついてどうするべきかを見極めなくちゃいけない。とりあえず頭を上げてもらい質問をする。
「謝るならなぜしたのです?」
「それは・・・本当に本当に申し訳ありませんでした・・・」
アルナが涙目でさらに謝ってきた。こんなキャラだっただろうか?でも女の子が跪いて許しを請うのはちょっとそそられる。いやサイテーだなボクは・・・これだから足元をすくわれるんだ。真面目に考えよう。
「いや 謝らないで アルナたちはボクの命の恩人だ 助けてくれて感謝しています ありがとうございました」
ボクは深々と頭を下げる。
「いや 頭を上げて下さい」
ガジャが慌てる。よしこれはポイントが高いはずだ。強気に出た後で一歩下がることでボクは謙虚さと感謝の気持ちを持っていることをアピールしつつ会話の主導権を握れたはずだ。たぶん。
てか全然話が前に進んでいない。とりあえず話を前に進ませよう。
「怒ったり疑ったりはしてないんです ただ理由を教えて下さい」
もちろん嘘だ。めっちゃ疑っている。
「それは・・・それはヨハンの力が大きく逆らうことができなかったのです 聖法教会の最高司祭であるヨハンは信徒にとって絶対なのです」
「えと ならなんで危険をおかしてまでボクを助けてくれたのですか?」
「いやいや 白き魔女様をお助けするのは至極同然のことです そして救世主様に対して弓を引くなど絶対にあってはならないことです 我々はできるだけ早く貴女様をお救いしようと奔走しておりました 王家に不満を持つものたくさんおりますが神の使徒である貴女様に不満をもつものなどおりません 聖法教会の信徒は皆そうです あのヨハンを除いては・・・」
「我々は仕事柄ヨハンの本性をうすうす感じてはいましたが白き魔女様の意識を乗っ取り操るという話を聞かされて確信いたしました あの男はおのれの権力のことしか考えていない 自らの欲の為にあのような不届きなことを企てるとはまさに神に逆らう咎人にほかならない ヨハンに必ず神罰を下さなければならない これは白き魔女様を救うための聖戦である 我々はそう悟りました」
「しかしながらヨハンは聖法教会の大司祭であり教皇という身です 多くの人間があの者を信じています ですからヨハンに気づかれないように秘密裏に教皇の座から引き下ろす工作を行なう必要がありました そのために神聖ミライリアの主だったもの達に慎重に根回しをおこなっていた時に翼様が柩から脱出されたので急遽方針を変更しヨハンを殺害したのです」
「我々の力がおよばす貴女様のお身体を危険に晒すような事態になり悔恨の念に打ちひしがれております 誠に・・・誠に申し訳ございませんでした」
ガジャ達は改めてボクにひれ伏す。震えている。本当に心から後悔しているようにみえる。
というかボクはあのまま柩の中で大人しくしていれば問題は解決したということなのか?
マジか!ただただボクは余計なことをしたというわけだ。ボクは本当にアホの子だな・・・
この後 23時頃にもう一度更新する予定です よろしくお願いしますm(*_ _)m




