20話 おわりとはじまり
騎士が剣を振り上げた。動きがスローモーションに見える。これで全てが終わってしまうんだ。
「待てッ 剣を下ろせ・・・!」
声が響いた。聖法教会の教皇であるヨハン17世が騎士を制する。
「その胸の五芒星のペンダント その白い服 貴女は白き魔女様ですか?」
この人は何をいっているのだろう。まあいいやとりあえず話を合わしておこう。
「はい そうです」
「やはり そうでしたか!」
「そのもの 白き衣を纏いて終末の世に舞い降りるべし」
「まさに伝説にある通りだ」
なんかどっかで聞いたことのある台詞だな。しかしどういうことだ。白き魔女ってもしかして教会で見かけたあの像の人のことだろうか?そう言えばあの像の人も五芒星のペンダントをしていた気がする。
「神の使徒が 世界の救世主が 今降臨された! 皆も見たであろう あの力を この小さき者は力を示した それは王をも超える力だ!」
「一対一の決闘の末にみせたその大いなる力で必ずやこの世界に平和をもたらしてくださるであろう!」
この人は王様を殺したボクを救世主だというの?全く何をいっているのかわからない。
「王族は腐敗しきっていた 度重なる侵略戦争 賄賂や汚職 奴隷制度を敷き弱きものを虐げ 不当に国民の富を吸い上げてきた」
「白き魔女様はそんな王族に神罰を下さったのだ この神聖ミライリアは生まれ変わる そして真なる神の国となるであろう・・・!」
王宮の屋上で戦いを見守っていた兵士達が声をあげる。そうして塔の上も歓声に包まれた。
もはや何がどうなっているのかボクにはわからなかった。ただただもう眠い。もう限界だ・・・血が・・・流れすぎた。ボクの意識は途切れていった。
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