17話 塔の上の攻防
「えーと どの人が王様ですか?」
翼は軽いノリで話しかける。
「貴様ッ 何者だ!」
騎士の人たちがいっせいに剣を抜く。
たぶんあの王冠をかぶっている人が王様だろう。騎士の人はあの人を守っている。とりま翼は魔法を発動させる。
『刃風』
王様を捉えた!と思った瞬間ボクの魔法は掻き消された。魔法で魔法を相殺されたみたいだ。
「手癖の悪い小娘じゃい お仕置きをしてやるかのう」
ルネ導師が杖で床を叩くとその下に五芒星の魔法陣が浮かび上がった。するとボクの下にも同じ魔法陣が浮かび上がりボクの周りに光の輪が出現したかと思うと輪は小さくなりボクを締め付けた。
「超絶魔法『光魔流星群』!!!」
空から無数の光が翼に降り注ぐ。しかし『光耐性100%』が発動してボクには傷ひとつ付かなかった。
「くっくくっくッ はっはっはっはッ! 」
ルネ導師は笑いだした。
「なんと無傷か これはかなわんの 魔法の完全無効化とはな・・・この世に生を受けて齢140年になるがはじめて見たわい これは愉快 愉快じゃわい♪」
「王よ この子は神の祝福をうけておる ワシの魔法は一切きかんわ この老骨はそうそうに裏方に回らせてもらおう さてお主たちにはこのワシが強化魔法をかけてやろうかのう!」
騎士の人たちは光に包まれた。次の瞬間に黄金獅子騎士団団長ステイン・オーバーハルトは目にも止まらぬ速さで翼を斬りつけた。ボクは魔法でカウンターを決める。
「傷が浅い!?魔法が軽減されてる?やばッ・・・斬られる!」
間一髪ボクは剣戟を避け上空に逃げた・・・が上空に人影がある。
「死ねぇッ!」
皇帝近衛隊隊長オスカー・アラバスターが上から勢いよく剣を振り抜く。横に大きく避けるがオスカーは空を飛び追撃を仕掛けてくる!
『暴風撃』!!!
やぶれかぶれで発動した魔法が直撃した。オスカーは暴風に飲まれ身体を切り刻まれ落下した。よしやった!そう思った瞬間だった。ボクの腕に痛みが走る。
「ッ・・・銃弾!?」
銃弾がかすったようだ。白銀銃騎士団団長イーサン・ブラックが弾丸を次々と翼に撃ち込む。
ボクは慌てて魔法障壁を展開する。下では聖法教会の教皇ヨハン17世がオスカーに回復魔法をかけていた。身体は光に包まれオスカーは完全回復する。
「さーて どーしよーかな?」
1VS1なら全く問題ないけれど連携をとられるとどうにもならない。王様への攻撃は魔法で相殺される。強化魔法をかけられた騎士の人たちはかなり厄介だし致命傷を負わしても瞬く間に回復してしまう。
なんかオンラインゲームのレイドボスになった気分だ。
「ボクは一人 相手はたくさんで 魔法職 近接職 遠距離職 回復職がいる もし蘇生魔法とかMPの回復とかされたらどうしよう?」
倒しても倒してもそのたびに回復して復活されてしまってはキリがない。そのうちボクのMPが尽きて殺されてしまうだろう。
これ無理ゲーじゃないかな。
出来れば本日もう一度更新したいと思ってます。




