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魔法少女に転生したら〇〇されたww  作者: メろロメん
2章 王都にて
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16話 権力闘争という名の足の引っ張り合い

神聖ミライリアの首都グランドパレスは五芒星(ペンタグラム)の形をした巨大な城郭都市である。その中央には水路に囲まれた六角形(ヘキサゴン)の形をした王宮があり中心部にはセイントパレスと呼ばれる巨大な塔が(そび)え立っている。


聖法教会の教皇であるヨハン17世はセイントパレスの上層に位置する『空の円卓』と呼ばれる場所にいた。そこで皇太子であるユリウス・レオンハートが殺害されたことにともなう緊急の御前会議が開かれていた。


ヨハンはユリウスが殺されたことを内心では喜んでいた。なぜならこれで自分が推している第4王子であるカシル・レオンハートが皇帝になれる可能性が生まれたからだ。


別に喜んでいたのは私だけでは無いはずだ。皇太子であるユリウスは次の皇帝になることが決まっていた。ユリウス派は勢力が大きかった為に他の王位継承者を擁立するのは難しかったがユリウスが殺されたことで他の王位継承者を擁立する事ができるようになった。勢力が弱い者を擁立し皇帝にすることが出来れば強大な権力を得ることができる。その大きなチャンスが巡ってきたのである。


会議では国の主要な人物が招集され皆がユリウスの死を悼んでいたが水面下では新たな権力闘争が始まっていた。


「して現状はどうなっておる?」


玉座に座わる皇帝グラム・レオンハートが口を開く。


「はッ!ユリウス殿下を殺害したとみられる少女を弓矢で撃ち落としたのち捜索を致しまして聖スタンメルン教会にて匿われているのを発見しました 現在兵士300人をもって教会は完全に包囲しております ユリウス殿下の仇を必ずや我々金獅子騎士団が討ち取ってご覧に見せましょう」


神聖ミライリア軍の主力部隊である金獅子騎士団団長ステイン・オーバーハルトはそう高らかに宣言した。


「それはそれは心強いな それに比べてイーサンよ 王宮からその少女をみすみす逃すとは一体貴様はなにをしておったのだッ!」


軍の最高責任者であるカーリー将軍が王宮の警備を任されている白銀銃騎士団の団長イーサン・ブラックに対して声を荒らげる。


「我が隊が致命傷を負わしたとは言え取り逃したことは一生の不覚 ここに謝罪いたします しかしそもそもなぜ殿下はあのような事になられたのだ なんでも近衛兵が殿下についていなかったと聞くがそれは本当ですか?」


イーサンは皇帝近衛隊の隊長オスカー・アラバスターを詰問する。


「近衛兵がついていなかったという事はありません ただあくまでも殿下のご希望で控える兵は少なくなってはおりましたが・・」


「その結果どうなりましたか?例え殿下の希望であったとしても職務を全うせず最悪の自体が起こったのは紛れもない事実ではありませんか」


「それに関しては申し開きはございません 王よどうかお許しください」


オスカーは憔悴しきった顔で謝罪を繰り返した。その様子を副隊長のエマ・アラバスターが素知らぬ顔で見ている。神童と呼ばれているらしいがまだ15才の小娘がこの場所にいるのは分不相応だ。ユリウスの警護はこの小娘が担当していたはずだがきっとユリウスが少女に乱暴を加えることに苦言を言って警備を外されたのだろう。さすがにそのようなことはここでは言えぬだろうがなんにしろアラバスター家はこれで終わりだろう。代々親衛隊として王家に使えてきたがローゼンハイム家辺りが後を引き継ぐことにだろう。


「しかしながら相手は魔法を封じる拘束具を付けていたというのに魔法が使えたといいます 宮廷魔法使いの皆様方はちゃんと拘束具に魔法付与(エンチャント)を施していらしたのですか?」


それを聞いて当代きっての魔法使いと言われているルネ導師は怒りをあらわにする。


「我々を愚弄するのか?たしかに魔法が使えたという報告を聞いておるがそんなはずはあるまい おおかた虚偽の報告でもしておるのだろう」


「私が嘘をついてると言われるのかッ?」


ヨハンは罪をなすりつけ責任逃れをしようとする者達をみながらカシル・レオンハート王子をどのようにして次の皇帝にもっていくかを思案していた。


「敵襲だ・・・!!!」


突然ルネ導師はそう叫ぶと瞬時に魔法障壁を展開した。同時にセイントパレスは眩い光と共に衝撃波を受け大きく揺れる。


魔法攻撃を受けている!?しかし王宮には絶対魔法障壁と呼ばれる防衛システムが組み込まれているはずだ。なにも心配することは無い。


そう思った瞬間・・・セイントパレスは吹っ飛び天井がガラガラと崩れ落ちた。


「これは助からない」


ヨハンはそう思ったが身体は無傷だった。ルネ導師の展開した魔法障壁により会議の出席者は全員無事に守られていたのだ。しかし魔法障壁の外はもはや何も無い。壁から天井まで全てが消え失せていた。大量の粉塵が舞っている中で目を凝らすと白い服を着た少女が宙に浮いている。誰だろうか・・・


「!?」


もしや殿下を殺した少女か?いや瀕死の状態で兵300人に包囲されているのではなかったのか?何をしにここにきたのだ?ヨハンはパニックに陥っていた。それはここにいる全ての人間がそうであった。


少女は音もなく我々の前に降り立った。



舞台になっている神聖ミライースですがダイハツをイメージしてしまうので・・・神聖ミライリアに変更しました。更新が遅くなってしまい申し訳ありません。一応明日も更新の予定です。よろしくお願いします。


追記


首都グランパレスをグランドパレスに変更しました。

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