12話 魔法少女の休息
あの神父様は信じれるか?
もちろん答えはNOだ。悪い人では無さそうだけどボクはもう誰も信じない。信じられるのはボクだけだ。
そんなのは寂しいって?
寂しいのが嫌でボッチにはなりたくなくて人の言うことを信じて聞いてきたけどその結果どうなった?
以前の世界ではいじめられっ子に今いる異世界では奴隷にボクはジョブチェンジすることになった。
ヒドい話だよ我ながら・・・
結局のところ他人のことをボクがどうにかすることはできない。だけど自分のことはボクがなんでも決める事ができる。
ここが重要だ!テストにでるよ。うん。
とにかく自分のことは自分で考え自分で決めてボクはこの世界でひとりで戦い抜いていかなくてならないのだ。
「自分が自分を信じられなければ終わりだ」
ボクは色んな人に裏切られてきたけど・・・ボクくらいはボクを信じてあげたいと思うようになっていた。
じゃあなぜこの神父様の部屋から逃げださないのかって?
ぶっちゃけボクは今現在魔法を使う事が出来なくなっていた。いわゆるMPが0の状態なんだとおもう。弓矢を引き抜いた時に魔力が尽きてしまったようだ。
加えて身体を動かすこともキツい。今日は色々ありすぎてスタミナも0だ。
神父様に回復魔法をかけて貰ったけど傷が癒えたただけで魔力やスタミナまでは回復しなかった。ゲームっぽく言えば回復魔法ではHPは回復するけどMPやスタミナまでは回復しないということだろう。
これはかなりの誤算だった。
本当のことを言えばもし神父様に事情を説明した時にあの人がボクを取り押さえて軍に引き渡そうとしていたらかなり厳しかった。
実はもう詰んでいたのだ。
だからもうしょうがない。あの神父様がボクが寝ている間に兵士を呼んでボクを捕まえようとしても諦めるしかない。ボクはもうやれることはやった。
てかめちゃくちゃ頑張ったよ。生まれてこの方こんなに頑張ったのははじめてだと言っていい。誰も褒めてくれないだろうから自分ぐらいはボクを褒めてあげよう。
「翼 君はよく頑張った!」
うん。なんか虚しくなってきた。
「よし寝よう」
そうしてボクは床に就いたのであった。




