冒険者どもに告ぐ その2
頭がチカチカする。なんで俺は殴られているんだ。
「このやろー 良く顔を見せれたな トンズラこきやがって 金返せ」
知らないヤツはもう一度殴りかかってきた。俺はそれを華麗に避ける。流石は俺だ。
「なんだ お前は 誰だよ?」
まずいな。頭のおかしな奴に絡まれてしまった。こういうヤツは力で黙らせるに限る。圧倒的な力ってヤツでな。
究極魔法を使ってやろう。普通のヤツなら街の喧嘩で究極魔法を使うことは出来ないだろう。なんたって究極魔法は発動までかなりの時間を要する。でも俺ならすぐ使えてしまうんだなッ これが!
クアンは、身につけている大量のアクセサリーの一つを取り外すと、殴りかかってきた男に投げつけた。
「誰だか知らねぇが 地獄に堕ちろッ!」
「なんだこのやろーアクセサリーなんか投げやがって やっぱりあたおかだな」
「あたおか お前だ 死に晒せッ!メテオ!!!」
殴りかかって来た男の頭上に巨大な火の玉が出現した。
俺は別にファッションのために大量のアクセサリーを、身につけている訳では無い。アクセサリーには超強力な魔法が封じられている。俺の魔法はアクセサリーに魔法を封じて、それを自分の好きなタイミングで使う事が出来るというものだ。聞くとびっくりするような超有名人に封じてもらった魔法だってあるのだ。こんなゴロツキは俺の敵にはならねーのさ。
「おま···こんな人がいっぱいいる所で 何人 殺す···つもりだ クソ 」
殴りかかって来た男は必死で魔法で相殺した。
その瞬間、クアンは鞘に入った剣で殴りかかってきた男を乱暴にぶっ叩くと、馬乗りになって執拗に、殴りかかってきた男を殴り続けた。
「もう いいだろ」
見ていた群衆の1人がクアンの手を掴んだ。
「まぁ そうだな これからは人を急に殴りつけたりすんじゃねーぞ 誰か知らんけど」
そう言ってクアンは立ち上がり、服の埃を払った。