冒険者どもに告ぐ
物語は、脇道に逸れますが、すぐ終わります。ちょっと実験的な試みなんですが、楽しんで貰えると嬉しいです!
俺はクアン・バシャール、冒険者だ。いや、救世主様だと言ってしまおう。俺が救世主だとなッ!!!
神の宮殿に繋がるという伝説の巨塔。いわゆる「天瞑の塔」が姿を表す時、すなわち、それこそ、世界を救う救世主様が現れる時だ。ガキの時分、親から何度も何度もねだって聞いた子守唄の様に聞いた話だ。あの頃は、本気で憧れたものだった。しかし、大人になれば分かるのだ。そんなものは夢物語なんだってーな。
そういうストーリーは勝ったやつが勝手に作るものだ。ガキやバカを騙す為になぁッ!
白き魔女?馬鹿らしい。俺が救世主になって俺の為のストーリーを作ってやる。ガキの子守唄になる様な俺様のストーリーをなぁッ!
天冥の塔から最も近い街「トルベトリ」。小さな街は大勢の人で馬鹿みたいに、ごった返していた。俺は、顔見知りが居ないかを確認した。居た!
俺はドミニスコという男を見つけた。コイツは王雀騎士団の副団長をやっている男だ。以前、傭兵の仕事で世話をしてやった事がある。
「おう ドミニスコ 元気か?」
「いきなり なんですか?貴方は?」
「なんだ なんだ 冗談か? 以前 エントルバーグの猿郷2号作戦で一緒に戦ったじゃないか?」
「⋯傭兵の方ですか?」
「そうだ そうだ 天冥の塔の調査か?」
「それを なぜ 貴方に 話さなければならないのですか?」
「・・・いや 別に いやなら いいんだが」
「用がないなら これで失礼します」
なんだアイツは、俺の事を覚えてないなんて、記憶力のない馬鹿なヤツだ。まぁ、いい。許してやろう。
「おいッ」
俺は知らないヤツに急に乱暴に掴まれてぶん殴られた!!!!!
「な なにをするんだァ」