ダンジョンに行く 普通の冒険 その2
「テス お願い!」
「うん」
あっという間に天冥の塔に到着した。ワープの魔法はとても快適だ。ルーラ的なヤツをボクも使って見たいけど、その才能はボクには無かったようで残念だ。
てか、女の子の4人組が天冥の塔に入るとなると、きっと普通に目立つだろうし、ボクが白き魔女のツバサだとバレたら大騒ぎになる。それは嫌だ。とても嫌だ。
なので、テスには塔の傍の上空にワープして貰った。この高さまで来れば、下からは見えない筈だ。
「さーて どうしようかな」
ちなみに、ひまひまは空を飛ぶ魔法は使えないので、ボクが魔法でお姫様抱っこしながら、宙に浮かしている。別にお姫様抱っこをする必要はないのだけれど、やってみたかったのでやってみた。
ボクの方が背が低いので、多分かなりチグハグな感じだと思う。ひまひまは、とても恥ずかしそうな顔をしている。好感度がかなり下がった気がした。
「このまま 空を飛んで 一気に上まで昇ってしまってもいいのだけれども それだと 面白くはないよね」
「うん うん そーだね♪ そーだね♪」
エマちゃは、軽い感じでノリよく答えてくれた。ひまひまは、おどおどしながら頷いている。テスは、話を聞いていない。明後日の方を向いて妄想にいそしんでいるようだ。
「それに たぶん 上から行っても入れないよね」
「うん うん そーだね♪ そーだね♪」
「⋯⋯」
「⋯⋯」
「とは言っても 他の人達と同じように下から入ったら かなり目立つよね 目立ちたくはないな」
「うん うん」
「エマちゃの魔法で みんなで冒険者の影に入って気付かれずに移動する事って できる?」
「できる♪ できる♪」
「じゃあ お願い」
「了解」
ボクたちは、人目を避ける為に細心の注意を払い、タイミングを慎重に見極めて、息を合わせて影にダイブした。その結果、誰からも気づかれずに冒険者のパーティーに潜り込むことに成功した!やったッ〜!!
⋯ボクは一体、ナニと戦っているのだろうか?