お前は死にゆく運命だ!
次にボクはストゥツガルトさんに天冥の塔についての話を聞くことにした。
「お前は それを知らない方がいい」
「何故ですか?」
「知れば お前の運命の歯車が狂うからなー ヒヤッハッハハハッ」
「人の運命が読めるんですか?」
「そんな モノは読めぬッ!しかし 俺には解るのだッ!」
「はぁ そうなんですね」
なんか、ストゥツガルトさんは思わせぶりなだけで、やっぱり本当は何にも知らないんじゃないかと思えてきた。
「お前は定められた運命に抗わなければならない」
「何故ですか?」
「そうしなければ、死んだ様に生きる事になる」
「運命に抗えば そうはならないんですか?」
「そうだ しかし お前は運命に抗えば死ぬ事になるだろう」
「死んだ様に生きるか? それとも 死を覚悟して 好きに生きるか? という事ですか?」
やっぱり、ストゥツガルトさんはただの厨二病な気がしてきた。ボクはいい。実際に転生した時、中学二年生だったからね。ボクは病気では無い。むしろ健康と言えるハズだ。うん。
「そうだ お前は 運命に抗うが 決して運命に抗えない運命を持っている そしていつか お前は必ず死ぬのだ」
カッコイイ感じでダサい事を、ストゥツガルトさんは興奮したキンキン声で、がなり立ててきた。あまり顔を近づけないで欲しい。唾が飛ぶ。
「お前に 待っているのは死だ 絶望だ 怖いだろ どうだ 俺に助けを求めたくなっただろォ ヒッハッッッッ!!!!」
「いや 別に 」
翼は即答した。
「だって 人はいつかは必ず死ぬじゃないですか その運命からは誰も抗うことはできない それはボクだけじゃないでしょう みんなそうだ みんないつかは死ぬ 違いますか?」
翼は無感情にそう言った。