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忖度

    第五話 忖度 


〈今日も、はげ頭でちっこい目のゲンさんと、おかっぱどんぐり目のちび助シュンちゃんが、仲良くカフェでお茶しました〉


  ゲンさんとシュンちゃんが、店に入りました。

「テラス席は空いてますか?」ゲンさんが店員さんに尋ねました。

「少々お待ちください」店員さんは確かめるためなのか、すぐにどこかへ行きました。


 今日は日差しが厳しいです。

 ゲンさんたちは、座ろうと思っているテラス席の方を何気なく見ました。ちょうど店員さんに促されて、一組の若いカップルが屋根付きのテラス席から離れているところです。わざわざ若い人たちが、屋根なしのテラス席へと移動したのです。


 何故だろうと思っているうちに、ゲンさんたちはその屋根付きの席へ誘導されました。どうやらその場所だけが、直射日光を避けられるテラス席のようです。

 座ったところでシュンちゃんが、最近のテレビ放送で気になることがあるようです。

「ゲンさん、『忖度』っていう言葉が流行ってるけど、どういう意味?」と尋ねました。

「それはねー、『他人の心をおしはかること』っていう意味だよ」とゲンさんは答えます。

「ふーん、よく分かんないなー」けれどシュンちゃんはそれを聞いても、首をひねるだけでした。彼には少し難し過ぎるみたいです。


 するとゲンさんが、自分の頭を指差して言いました。

「これこれ、今の状況がそうなのね。わしのはげ頭を見て、みんなが忖度してくれた訳よ」そうして次に、口を大きく開いて叫んだとさ。

「……はっきり言って大きなお世話じゃー!」

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