おにぎり転んだ(ラスト)
第四話 おにぎり(ラスト)
〈今日も、はげ頭でちっこい目のゲンさんと、おかっぱどんぐり目のちび助シュンちゃんが、仲良く高原へピクニックに出かけました。第三話の続きです〉
いろいろありましたが、やっと落ち着いて昼食を食べらせそうです。
周りの綺麗な景色を見れば、食も進みました。
2人は仲良く、ピクニックを楽しんでいます。
でも暫くすると、また――ガサガサ――という音がうしろから聞こえてきました。
ゲンさんは、今度も犬だろうと思って、うしろをちらっと見ました。
すると、ほうら、やっぱり犬?……だけど、何故か下顎から牙が突き出ています。しかも顔が細長く鼻が平です。あらら、明らかに犬ではありません、でっかい猪でした!
それが分かった途端、ゲンさんのちっこい目と口は大きく開いて、シュンちゃんの目もまん丸になりました。
しかもその猪が、鼻息も荒く彼らに向かって突っ走ってきたのです。
「うわー!」ゲンさんは、またまた転がり落ちて逃げました。
「ひいーー!」シュンちゃんも後に続きました。
流石にこれには、ほとほと参ります。彼らは一目散に逃げつつ、こんな災難に遭っては、もう声をからして叫ぶしかありません。
「助けて―! ピクニックは、懲り懲りだーー」
〈そうして誰もいなくなったところで、一匹の猪が残ったおにぎりをムシャムシャとおいしそうに食べていましたとさ〉