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おにぎり転んだ。
第一話 おにぎり
〈今日も、はげ頭でちっこい目のゲンさんと、おかっぱどんぐり目のちび助シュンちゃんが、仲良く高原へピクニックに出かけました〉
そしてお昼時。
「さーて、お弁当を食べようか」ゲンさんが言いました。
「そうだね」とシュンちゃんが答えます。
2人は丘の頂上で、お弁当を広げ食べ始めました。
するとゲンさんの手が、思わず滑って「おっとっと」おにぎりを落としてしまいました。しかも地面が下り斜面だったのでおにぎりは勢いよく転がっていきます。
焦ったゲンさんは、急いで追いかけました。
けれど思った以上に急な坂だったため、ゲンさんは、「うわー!」あろうことかどんどん先に転がって、ついにはおにぎりを追い越したのです。
どうにか地面がなだらかになった所で、彼は大の字になって仰向けに止まりました。
その後、遅れて落ちて来たおにぎりが「うぐっ……」何と、口の中へすっぽりと嵌ったとさ。