表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
欲望の果てに……  作者: T隊長
始まり始まり 千葉編
19/21

邂逅 二

 市川駅前 飲み屋街 表通り


「ごちそうさん」


 ラーメンを食べて一息ついた片桐は暖簾(のれん)(くぐ)り、一新亭を後にした。


 暖簾(のれん)(くぐ)ると、向こうの店の壁際に『黒い影』が立っていた。


 その存在は此処(ここ)の飲み屋街では明らかに浮いていた。漆黒のローブに身を包み、フードを深く被ったせいで顔はよく見えない。鎌を持たせれば、死神にも見えるだろう。


 片桐はその黒い影の存在を確認したが目もくれず、人通りが多い表通りを歩き始める。


 先程一新亭に置いてあった爪楊枝(つまようじ)で歯の隙間を綺麗にしながら、片桐は本来の目的地へと向かって行く。


 片桐が歩を進めると、壁際に立っていた『黒い影』がそれを追うようについて行く。


 黒い影は50メートル程の距離を保ちながら、綺麗に整った筋肉質な片桐の背中を追っていく。


 片桐は背後の存在が自分を付けて来ていることに気づくも、決して距離を取ることもせず、同じペースで歩き続ける。


 片桐にとってこの黒い影は今の自分からしてらどうでもいい存在だった。


 何故(なぜ)なら。


ーー歯に挟まったの全然取れねーな。


 片桐からすれば、黒い影の存在は二の次であり、今最も優先すべきものは、爪楊枝(つまようじ)で歯の隙間に挟まった物を取り除くことだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ