プロローグ
どもども~
ポンタローです~
しがないヘタレ作家でございます~
よろしくです~
ちなみにですが、ノクターンノベルスさんの方に、デスゲームっぽいダークな感じの作品『デザイアゲーム』を。
ピクシブさんの方に、エッチィ感じの二次創作を載せさせていただいておりますので、そちらの方もよろしくです~
ではでは~
プロローグ
俺は裏路地を怯えながら走っていた。何かが迫ってくる。気のせいではない。被害妄想に取り付かれている訳でもない。その証拠に、今、俺の右耳は千切れて無くなっていた。
一瞬だった。強烈なまでの殺気を感じたのは本当に一瞬。どこから攻撃が来たのかも分からない。しかし、気付いた時には、俺の右耳はなかった。
俺は走った。他には目もくれず走り出した。逃げろという本能の声に従った。人込みの中に紛れれば、襲われないかもしれない。しかし、俺は人込みに向かう訳にはいかなかった。
何故なら、今、俺の着ている服は血で真っ赤に染まっていたからだ。自分の耳から流れている血ではない。先ほど、自分が殺した女の血だ。
パチンコに負けてムシャクシャしていたところに、若い女の三人連れが歩いてきた。声を掛けたが無視されたので、カッとなって殺してしまった。人を殺したのはこれが初めてじゃなかった。だが、警察に捕まったことは無い。もちろん、それには理由がある。
しかし今、この状態で人込みに出れば、周囲に怪しまれるのは間違いなかった。しかし、俺は考える。確かに警察には捕まるかもしれないが、少なくとも生きてはいられる。たとえ塀の中だったとしても。追っ手は明らかに自分を殺すつもりだ。こうなったら……
俺が決意して、大通りに向かおうとしたその時、
「捕まえた♪」
声が背後から聞こえてきた。いつの間にか肩には手を置かれている。俺の背筋に悪寒が走った。
「いやー、逃げ足速いなー、あんた。ちょっと油断しちゃったよ。はっはっはっ」
まるで世間話をしているかのような軽い口調の声だった。しかも、若い男の声だ。いや、男というよりこれは……。
俺は、意を決して振り返る。そこには一人の青年が立っていた。高校生くらいだろうか、身長は自分と同じ一八〇センチ弱ぐらい、まだあどけなさの残る顔立ちは、明らかに自分より年下のものだ。
馬鹿な、こんなガキに自分はビビッて逃げ出したのか。ありえない。そんな考えが俺の頭をよぎる。
そのガキは、奇妙な格好をしていた。高校生ぐらいにしか見えないにも関わらず、ビジネススーツを着ていたのだ。もっとも、ネクタイはしていないが。ワイシャツすら着ていない。代わりに、上着の下に水泳選手などが着ている、体にピッタリとフィットした黒い全身水着のようなものを着ていた。
「お前、何モンだ?」
俺はじりじりと後退しながら尋ねた。背筋の寒気はまだ取れない。
「いやー、別に。ごく普通の高校生だよ」
ガキは笑った。その顔は、どう見てもごく普通の高校生のようにしか見えない。
「ただの高校生が、なんで俺を追い回す?」
俺の問いに、ガキは一層可笑しそうに笑い出す。
「ははは、いやだなー。理由はお兄さんが一番良く分かってるでしょ」
ガキは笑う。しかし、徐々にその目には殺気が混じり始めた。
「女の子三人も殺しといて、トンズラはさすがにまずいんじゃない?」
俺はビクリと肩を上げる。見られた? そんなはずはない。確かにあそこには、自分と女達以外誰もいなかった。
「しかもお兄さん、人殺したの今回が初めてじゃないでしょ?」
「何で知ってる?」
「それに、どうやらちょっと普通じゃないみたいだし」
「何で知ってるのかって聞いてんだよ!」
俺は激昂する。怯えている自分を鼓舞するかのように。
「そりゃ知ってるよ。だってそれがお仕事だもん」
「仕事だあ、何の仕事だよ?」
「お兄さんを殺すお・し・ご・と♡」
ガキはまた笑い出す。しかし先ほどまでと違い、その目は全く笑っていなかった。
「ふざけてんのか?」
「ふざけてなんかないよ。ああ、そうだ。これ返すね」
そう言って、ガキが放り投げたものは、先ほど千切られた俺の右耳だった。俺の背筋が完全に凍りつく。
こいつ、普通じゃない。なんとかしないと。そうだ、騒いで誰かを呼べば……
そう考え、俺は大声を出そうとした。しかし……
「だれ……」
俺が誰かを呼ぶことはなかった。声を出そうとした次の瞬間、俺の首は自分の足元に転がっていた。
はじめまして、ポンタローです。
まずはお礼を言わせてください。
ポンタローの小説を読んでいただいてありがとうございました。
小説を書き始めて早二年。書いた数はかなりのもの。
この物語もすでに完結していますので、早いうちに少しずつ更新していこうと思います。
この他にも、いろんなジャンルのものを書いておりますので、そちらもよろしければ読んでみてください。