1/3
プロローグ
限界はどこか。
『もう、限界だ。 もう、無理だ。』
そう思ったことはどれだけあっただろう。 数え切れないぐらいあったはずだ。
なのに、人間の生きる力とは、想像にも及ばないほど強靭なのだろう。
私は、現に、その幾度となく訪れた『限界』から抜け出し、こうして呼吸している。
物事を、飽きずに考えて、今日も生きている。
そして、また、思う。
『今度こそ、もう限界だ。』
そんなことを。
破壊されていく。
心が、軋むような、鈍い音をたてて、壊れていくのがわかる。
表現もできないような音をたてて。
計れないような速度で。
それでも、時は刻まれていく。
そして、当たり前のように、陽は昇り、また沈む。 正確に、規則的に毎日。
これから、私はどこへ向かって行くんだろう。