プロローグ
あの日、俺は《セカンドワールド》でいつもどおり授業を受け、普段通り冒険者として世界中を歩き回っていた。
俺はこの世界ではある意味で超有名人で以前テレビでインタビューされたこともあるほどだった。
その番組は《セカンドワールド》に関するものではないが。
こちらの世界では有名になるとGMから称号なるものがもらえる、俺はそれを99個集めており現在最多である、だがそれは有名なこととあまり関係がない。
ではなぜ俺が有名なのか、ひとえに【デッドマスター】という称号に関係してくる。
この称号の取得条件はとても簡単だ、ゲームにおける痛覚をonにして10000回死亡するというもの。
死亡回数10000とはとても多く見えるかもしれないがこの世界においてはそうでもない、ひどい場合転んだだけでも死亡になる。
というのもHPが意外とシビアにできていたためで多少の怪我でもHPは減らされてしまい、時には死亡扱いにされてしまう。
ただし普通の人は痛覚をoffにしている、でないと痛いからだ。
痛覚をonにするのは一部の特殊な性癖の人間やセックスに興じるときくらいだろう。
ついでに俺は特殊な性癖ではなく、ただの死にたがりだ。
ぶっちゃけて言うと死にたいけど自殺怖い、でも死ぬのになれたら案外だいじょぶなんじゃね?という考えで痛覚をonにして日々自殺他殺問わず殺されていた。
その結果、死亡回数は日に日に増えていき、一週間で一万、次の週には五万まで増え、先日ついにカンスト9999999まで到達した。
その時だった、やつが俺の目の前に現れた。