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連行

「何をやってるか貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


広場に女性の怒号が響き渡った。

俺の勘違いでなければそれはケリーさんをぶん殴った騎士から発せられた。

……女性?目さんで180cmは超えているし他の騎士とは違って両手剣を背負っているように見える。

鎧で体型まではわからないが両手剣を振り回せるとなるとゴツいと思う。

ついでにいうと金属の篭手を装備して、他人をぶん殴れる女性はお近づきにはなりたくない。

もっともこの状況ではそんなこと言ってられないが。

ケリーさん含む俺に魔法をぶっぱなしていた騎士達は女性騎士の連れてきた騎士に槍を突きつけられホールドアップしている。

ついでに俺達も結構警戒されているのか女性騎士の一歩後ろにいる騎士はこちらをにらみ続けている。


「全員縛りあげろ!そこの二人、こいつらが呼ばれた理由と暴れるに至った理由……それとそこの肉塊について話を聞かせてもらいたい」


女性騎士が俺たちに近づいてくる。

それに数人の騎士が続いて、俺とレンを囲んだ。


「名乗りが遅くなったな、魔族国家デモン王国国立騎士団のミラだ、四番隊の隊長をしている」


そう言って女性騎士もといミラさんは俺とレンを近くのベンチに座らせた。


「さて……じゃあまずその肉塊について聞かせてもらおうかな」


空気的に逃げるのは不可能。

物理的に出来ない事もないけど面倒ごとは嫌なので今回は諦めよう。

レンを見るとのんきに果物をかじっている、だからどっから手に入れたよそれ、つか食いすぎだろ太るぞ。

あ……まだスキル解除してなかったんですねごめんなさい睨まないで殺気出さないで。


「どうした?」


レンが俺に殺意を向けてきたことを悟ったのか、それともなかなか話し始めないことをじれったく思ったのかミラさんはそう言ってきた。


「失礼、ちょっとした緊張です……そこの肉塊は俺の、正確には俺の加護の仕業ですね」


嘘も方便、俺やレンのスキルはバレたらもれなく人外認定されるから呪いと加護ということにしておこう。


「加護……?一体どんな加護だ?それは先ほど魔法を握りつぶしたのと関係があるのか?」


「関係はありますね、俺の受けた加護は自分に対するすべての害を跳ね除けるというものです」


実際のところ魔法は吸収、物理攻撃は運にもよるが数倍にして反射、毒物などの類は無効化なので跳ね除けるワケじゃないけど間違いじゃないと思うから良しとしよう。

ともかく加護で通じたのは良かった。

ゲーム時代セカンドワールドでも一応加護はあったがこれはキャラメイクの時数万分の一の確率で付く物でその効果は誰の加護かによって変わる。

ついでに俺もレンも持っていない。


「そんな強力な加護、どこで受けた。アスタリード様クラスの神の加護でも難しいぞ」


アスタリード、設定上この世界を治める神様、でも最高神ではない。

ちなみにセカンドワールドでのプレイヤーの立場はこのアスタリードによって世界をより良い方向へ導くために天から遣わされた存在となっていて、世界をより良い方向への部分がグランドクエスト、つまり全プレイヤーの目標となっている。


「どこでと言われても……こればっかりは生まれつきですし、親は俺が産まれてまもなくモンスターに食われたと聞きます。それに俺はある程度の年齢になった瞬間化物と呼ばれ、森に捨てられましたからね……今では生まれがどこの村だったのかもわかりませんよ」


「それは……申し訳ないことを聞いた」


「お気になさらず、ともかくあれは俺の加護によるものです。順を追って話すとケリーさんの連れてきた騎士が捕まえた男たちの一人、片腕の男がいると思いますが、その人の腕も昨日同じように加護で破壊してしまい、逆恨みされたあげく仲間を引き連れて俺を襲いました。これがケリーさんたちが呼ばれた原因ですね。それで俺の加護によって自分の力を数倍にして返された彼はあのような無残な姿に、そこへ華麗に駆けつけたケリさん一行はこの娘、俺の婚約者でレンと言いますが彼女のとある発言で暴走しました。」


「なるほど……多方婚約者だとか旦那だとか言ったのだろう、奴らは元はギルド員だったゴロツキだ。多少ましな言動を取るようになったとはいえ荒くれ者に変わりはないのでな。ともかく加護か……厄介なものだ。」


ミラさんが天を仰ぎながら腕組をして何かを考え始める。


「ともかく、申し訳ないが君の話を完全に信用することはできない。それらの真偽を確かめねばならないしケリー立ちに謝罪させる必要もある。一度城に来てもらえるかな?」


その言葉の裏には来ないとどうなるか知らんぞという圧力が見て取れた。


「わかりました。レン、デートは明日やり直すとしようか」


「こうなったらしょうがないね」


そういえばミラさんが現れてからこいつ初めて口開いたな、喰う以外で。


「助かる、では身分を証明できるものを提出していただきたい」


「ギルドカードでいいですか?」


「構わない、それにしてみギルド員だったか、先ほどギルドをけなすようなこと言って悪かったな」


「いえ、実際荒くれ者とゴロツキの集まりなんでお気になさらず」


そう言いながらギルドカードをわたした。

横ではレンも同じようにギルドカードを差し出している。

ミラさんはカードに書かれた名前などを見て、それを近くの騎士に渡した。


「では、暫くカードを預からせてもらう。それと武器などがあったらこちらに渡して欲しい。」


「武器はないですよ」


「そうか、ならしばらく私のあとについてきてくれ。他の騎士は君たちがなにかしでかさないように警戒しているがきにしないでくれ。」


思いっきり、お前らなんかしたら即首切るぞと脅されました。

おとなしくレンの頭なでながらついて行くとします。

この人救いの手なんかじゃないな絶対。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白くて一気見してしまった、イチャイチャしてんじゃねぇよ!!!!!!
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