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フラグ回収?

この国に来てから数日しか経っていない今、俺は知り合いと言える人物は数える程しかいない。

その知り合いも文字通りの意味での知り合い、互いに知っているだけの存在という意味だ。

これはもちろんレンを除いた話だが……ともかくこの国で俺に敵意を抱いている知り合いは一人しかいない。

先日ギルドで初心者勧誘イベントを行ったあのおっさんだ。

振り向いた先にはマントを羽織ったおっさんがゆでダコのような真っ赤な顔で俺の方を掴んでいた。


「あのあとお前のせいで俺はギルド資格を剥奪されたんだ!」


とてもご立腹の様子、でも俺のせいというのはどういうことだろう。


「お前が俺になんかしたんだろ!俺の腕は斬り落とすしかないと治癒師に言われたんだ!落とし前つけてもらうぞ!」


あぁなるほどそういうことか、マントで隠れているが確かに右腕は内容だ。

その証拠に風で靡いているマントは腕の輪郭を浮き上がらせることはない。


「それで?どうするつもりだ?」


これは自分ひとりで勝てなかった相手に、さらに不利な状況でどうするのかという意味。

こういう時悪党って大体勝ち誇ったように笑いながら何人か仲間を呼ぶんだよな。


「ふふん、強がっていられるのも今のうちだ」


ほら笑った、それも勝ち誇ったように。


「兄貴!頼むぜ!」


ほら仲間読んだ。

おっさんの後ろからぞろぞろと山賊みたいな風貌の男が……ひいふうみい……二十人くらいかな? あらわれた。


「お前が俺の弟の人生台無しにしてくれたんだってな?泣いて謝っても許す気はないが……どうだ?その女をよこせば命だけは助けてやろう」


そう言ってニヤニヤと笑う山賊もどき×20。

おい、レンお前狙われているのに呑気に焼き鳥かじってんなよ。

というかいつの間に買ったそれ、さっきは持ってなかっただろうに。


「おい聞いてんのか!」


山賊頭領(仮)が近づいてくる。

あーこれは問答無用で攻撃してくるんだろうな。


「兄貴気をつけろ、そいつ変な魔法使うぞ」


昨日のおっさんはどうやら【物理反射】スキルを魔法の一種と考えたらしい。


「そんなもんでヤラれるほどなよっちくねえさ!」


そう言いながら山賊頭領はおのを振り上げ、俺の脳天めがけて振り下ろした。

連を差し出せば助けてやるとか言ってたくせに交渉しねーのかよ。

それに街のど真ん中で殺傷事件とか何考えてんだろうなこの山賊頭領は。


「プビッ!?」


そうこうしているうちに斧は俺の脳天に触れ、その瞬間斧と頭領は弾け飛んだ。

これ殺人扱いになったりしないよな……。


「あ……兄貴?」


おっさんが唖然としている。

ほかの山賊もどきも同様だ。


「あーレン、こういう時なんて言ったらいいんだろうか」


「笑えばいいと思うよ」


「いやいやなんて言ったらいいか聞いてんだよ、誰がどんな表情したらいいかわからないって言ったよ」


俺流石にあの娘より表情豊かだと思うよ? たぶん。


「じゃあ魔王様が代わりに言って差し上げよう」


レンがそう言いながら、ない胸を張って一歩前に出た。

というか俺も一応魔王なんだけどね……。


「命が惜しくない者からかかってくるがいい!愚かな人間どもよ!それと……【リードブレイン】はまだ解いてなかったんだけどね……あとでちょっとお話しようか?」


レンがノリノリで山賊達を煽って、そのままいい笑顔で俺に死刑宣告をしてきた。

基本的に不老不死でもこれはこわい。

それとあなたが煽った山賊の相手するのは俺ですからもうちょい穏便にして欲しかった。

そう思った時だった。


「全員動くな!王国騎士の権限により全員拘束する!抵抗すれば即斬首だ!」


広場に声が響き渡った。

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