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始まりの季節は終わりを告げた





生い茂る森の中、清々しい程に青々とした森の中には木々から伸びる枝や葉の間からは日差しが入り薄暗い中に光は入る。

見渡す限り緑で溢れ、花は色とりどりに咲く。


足元は何処を探り足を踏んでも草がある人の入らない場所。1つ間違えれば迷ってしまう程に道という道がない。そんな森の中へ私達は足を踏み入れていた。



「たく・・・何でこんな場所・・・」


「よくある話で、こういう人が立ち入らない場所の調査の途中で迷ったり不意に強い魔獣に襲われたりして亡くなったりするんだよね・・・。


そういう場所で亡くなった人の遺品を取りに行くっていう依頼は未だに後を絶えないから私達も頑張って探そう」


「雑魚がそんな所にホイホイ行くなっての、それに俺達も迷ったらどうするんだ?」



「大丈夫、野生の勘があるから」

「なんだそれ」


「こういう依頼も場所も結構慣れてるから、・・・けどあまりにも強い魔獣が来たら逃げよう!」


「大丈夫だ、俺がいるからな」

「元の姿に戻るのは無しだからね」



「俺を舐めるな、そんな事せずとも勝ってみせる。にしてもこんな地味な仕事、龍である俺がまさかする事となるとはな・・・」



「でもあなたがいるから、私は安心して旅が出来る。あなたとなら今ならどんな道が無い旅も、場所も仕事も行ける気がする。頼りにしてるんだよ」



「良いように利用されてるみたいで気に食わんな・・・飽きたらやめるからなこの仕事」



「ちょ・・・いや・・・でもね!実際にでもあなたがいるお陰で今まで熟せなかった依頼も出来て凄い助かってるからやめて欲しくはないな〜」



「非常に不服だが、まあ色んな場所へ行きを旅し見られるから今は不問にしてやる」



「だよね!給料もまあまあ良いしさ、それにあなたがこの仕事をする限りは自由なんだから!ね?」



「やはりなんか気に食わんな」

「えぇ〜・・・ダメ?」

「お前が俺より役職が上なのも気に食わん」

「それは・・・一応先輩だし・・・」

「実力は遥かに俺の方が上なのにな」

「さあ!遺品を見つけて早くお届けするぞー!」

「お前より先に見つけてさっさとお前以上役職までも偉くなってやるからな、覚悟しろ」



亡くなった人とその人が残してきた大切な人を繋げる唯一の仕事。

私はこの仕事を誇りに思う。けど、この仕事はこの世界に何か良い影響を与えるのだろうか?

以前はそんな事ばかり考え不安だけが私を蝕んだ。


今も不安な事はあるけれど続けて行けば何か変わるかもしれない。


手探りで生きる私達の道は誰も通ったことの無い誰も知らない道。


私は私がしてきた行いできっといつかそれが平和への一歩へと繋がる道になると信じている。


まだ見ぬ世界と境界線、私達はこれから誰も知らない誰も分からない旅路を歩く。

私達の歩く道が誰かの為の道となると信じて


一匹の龍と一匹魔獣が行く道


二匹の歩いた獣道はいつか誰かを示す道になる。










白魔導師と龍の獣道 ~二匹の魔物が形見をお届けします~をご覧頂きありがとうございました。


以上で今作品は終わりとなります。

最後までご覧頂き本当にありがとうございました。

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