表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
96/385

隣国のダンジョン ドラキュラ城編2

アブドゥル大使視点

聖女「紹介しますわ、わたくしの新しい騎士ですの!

首無騎士デュラハンナイトのデュランですわ!

私を馬に乗せて下さる?」


漆黒「仰せのままに我が君」


衝撃的だった。


貴女の騎士は私だけのはずなのに、いつの間に新しい騎士が!?

先程の部屋では私の事を褒めて下さり、誇らしそうに見つめておられたのに?


毛艶の良い名馬に跨る見目の良い強そうな漆黒の騎士の名を呼び手を伸ばす聖女様。


みっともなく縋って抱きしめたくなった。貴女の騎士は私だけのはずなのにと。

聖女様に近づくと相変わらずいい香りがする。跨るためにモタモタしそうな頼りない細い体を後ろから抱きしめたくなるのをぐっと我慢した。


貴女の騎士は私だけでは足りないのですか?


私の唯一無二は貴女だけだが、貴女の側近はたくさんいるのだ、それは当然のことなのだと涙を堪えて、細い腰を支えて持ち上げる。

柔らかくて暖かくてとても良い香りがして聖女様の細い腰にドキドキした。


そして、聖女様は横向きに乗ると思ったのにあろうことか馬に跨ったのだ。

目の前には、何度も思い出して熱くなった、あの白い太ももが服の切れ目から飛び出していた。


ふわりと女の濃い香りがした。


それまでのモヤモヤが吹き飛び、どうでも良くなった。

貴女はいつでも私の心を捉えて離さない。

馬に跨ったおかげで目線の先に太ももが来た、それだけで私の心は一つにまとまった。


そして、長いこと太ももに注視して怒られないか、ようやく顔をみると、彼女は私を慈悲の瞳で見つめていた。

そうだ、聖女様はいつだって私に甘いお方だった。それどころか信頼してる眼差しを送ってこられた。

何も変わっていない、私と貴女の心はいつだって繋がっているのだ。

熱い抱擁をして、熱い口付けを交わし、いつだって私の願いを聞き入れて受け入れて下さるお方だった。

私達は遠距離恋愛で年齢差恋愛だけど、私達の愛は永遠とわに、貴女と共に戦える幸せに感謝を。


私の聖女様、願わくばいつか私だけの貴女に・・・



聖女様とカインと呼ばれるカヤックの弟の話によると何と、この古い神殿に悪の教皇や恐ろしい化物が住み着いていたと言う。

何度も来られて我が国を誰も知らない間に救って下さったのだ。

貴女はやはり唯一無二の存在。

私もうかうかしていられない、せめてあなたの一番の騎士になりたい。


今回も邪悪な儀式をしているかもしれないとカインが聖女様に助けを求めたようだ。

カインは以前、生け贄として捧げられかけた所を聖女様に救っていただいたのだとか。


聖女様の信者ファンになっていたのだな、無理もない。

彼女に救われたものは皆彼女に感謝を捧げたくなるのだ。

第2王子殿下により、大きな屋敷を賜った。そこの正面ホールの先に、あの聖女様の絵を飾り、たまの昼間に少しだけ一般公開している。

自室に飾って私だけのものにしたかったけど、貴女はそんな私の姿を望んでいない気がしたから。

名画はたくさんの人に見てもらった方が輝くだろうとハッサムが言うので広間に飾ったのだ。


そして、先日父が訪ねて来たのだ。

最後の手紙を読んで以来、いや家を出て以来だった。大きく広い背中に見えていた父はすっかり小さく細くなっていた。

相変わらず私と同じで不器用な人だった「お前の顔を見に来ただけだ」涙をためて私を見ていた顔は、その瞳は、父親の顔をしていた。

共に食事をして遅くまで飲んでたくさん話した。

今更ながら親子の時間が過ごせた、聖女様の絵を見せて聖騎士の鎧を自慢した。

「お前に生きがいと楽しみが出来たのなら嬉しい、隣国へ大使として行くと聞いたぞ。頑張っている姿が見れて良かった。次は孫の顔を見せてくれよ」と笑って、父はまた来ると言って帰って行った。


いつか聖女様を紹介いたします父上。




神殿内を歩くと、死人が歩いていた!ここは邪神の神殿なのだ。

先頭を行くあの格闘家のダニエルが平然と死人の頭を潰していく、腐った体液が飛び散る恐ろしい光景だった。

聖女様をお守りせねばと、私も賜った剣を振るうと、聖剣が輝き死人が光る粒になって消えていくではないか!

この剣は聖なる御力みちからに溢れている。

私は貴女の騎士であると聖女様が認めている証なのだ。感動して心が打ち震えた。


突如死人が大量に現れ、囲まれそうになったが、聖女様から眩い光が放たれて死人が安らかに光に包まれ消えていった。


ダニエルが潰した死者もみな光の粒となり消えていく、とても暖かい光で聖女の慈愛そのものだ。

彼女の愛に包まれて消えるなら死人も本望だろう。

私の聖女様はやはり美しくて強いお方なのだと誇らしくなった。


カインが死人の落としていった所持品をせっせと拾っていた。

可哀想に、カヤックは平民だから未だに給料も少なくて弟も必死なんだな・・・。


神殿内をうろつき、何かを探してるようだった。

ゴテっとしたチェストが置いてある部屋に入り、漆黒の騎士が聖女様から離れて開けに行ったから、すかさず聖女様の傍らに寄り添った。


信じられない事に傍らにいた美しい羽の天使は、あの暗黒精霊だったと言う。

呪でもかけられていたのだろうか、今は聖者のようだ。

本来の姿がこれなのに、前は悪いことをしたな、聖女様が味方だと言っていたのに信じきれなかった私の落ち度だ。

カヤックは信じていたようだったのに、悔しい。


「この前はすまなかったな、まさか天使殿であるとはつゆ知らず失礼をしてしまった」


『フン!』

プイっとされてしまった嫌われて当然か。


聖女「まあまあ、大使も気にしないで?

黒い影に見えていたら仕方ないよ。

お前も機嫌直しなさい!

あ、大使このあと気をつけてね?多分部屋を出たら神殿の雰囲気が変わると思うから」


「何がおこるのですか?」


聖女「おにいさまも気を付けて下さい!何が出てくるか私もわかりませんのよ?

アブドゥル大使、いざとなったら私のかわりにお兄様も助けて下さるかしら?」


「貴女の願いなら喜んでこの命捧げます!」だから私を愛して下さい


聖女「命大事にして大使死なないでよ?」


聖女様が私の身を案じておられるぅ!

貴女が望んで下さるのなら貴女と共に生きよう!


漆黒「我が君、中身は銀の杭です」


聖女「敵は何だと思いますか?」


漆黒「多分吸血鬼でしょうな、今回はレアかもしれませんよ?」


聖女「つまり?」


漆黒「始祖の可能性があります、始祖はアンデットの頂点ですので死霊術ネクロマンスが効きにくいかもしれません。油断なさらぬように」


聖女「ロバートさん始祖かもしれないって、闇精霊ならテイムしてみますか?」


ロバート「いやぁ~、テイムして連れて帰ってもねぇ?それこそ屋根裏部屋で飼うの?」


聖女「ブフッ!屋根裏に吸血鬼?

アハハッもうそれネタにするんですか!

あ!可愛い女の子バージョンかもしれないですよ?」


カイン「あ!部屋の外が変わってる!道幅が広っ!え、城みたいだ!」


ダニエル「なるほど、イベントが発生してるな!

この銀の杭は私が預かろう。

ステージが広そうだ二手に分かれないか?時間がかかりそうだ。」


部屋の外が変わってる!

どういうことだ!これが聖女様の言ってたことか?

聖女様は戦いに向かう戦士のような高揚感につつまれていた。


そして二手に分かれると言って

カインとダニエルとロバート殿が部屋の右側へ、左は私達だ。

聖女様と私と漆黒とスコット殿とマリアンヌ殿だ。

よくわからないが、回復役を二手に分けたらしい。


聖女「飼い主が責任を持ちますから。

常にダンジョンボードは開いておきます。見つけたら報せて下さい。お兄様ピッピここからが本番よ気をつけて!」


スコット「うん、マリーも気をつけてね?」


もはや異国の城みたいな広い廊下を歩いていく。


聖女「デュラン、始祖でもこの白銀の細剣で刺せそう?始祖って首を跳ねても勝てるの?やっぱり心臓?」


漆黒「始祖だった場合は心臓のみです、普通の吸血鬼なら首でも勝てます」


聖女「もしかして、ボス部屋まで迷わずに案内してくれたりする?」


漆黒「しますが、宝箱はあっちです。

盗人シーフがいたので見送りました。

我が君の神がかり的な采配かと思いました」


聖女「うーん、始祖ってやっぱり強いの?」


漆黒「そこそこですね。

物理がほぼ無効ですし切っても体がすぐに再生します、知能も高くて、魅了系のスキルを使ってきます。

眷属召喚で小型のコウモリと小型のヘルハウンドを使役します。

細身の割に怪力ですし、壁や天井を歩き空も飛べます」


聖女「みんな聞いてた?

めっちゃ強いやんか!もう離脱しようかなぁ?そんなん勝てるの?」


漆黒「小さなコウモリ集団は基本的に焼くかスタンです、そちらの炎の鳥で抑えて、ヘルハウンドはマリアンヌ殿と我が君で抑えて、我と聖騎士殿いるし、勝てると思いますが?

むしろ吸血鬼の方がこのパーティーに戦々恐々してるのでは?」


聖女「え、そうなの?」


漆黒「ただ、我が君が真っ先に狙われまする」


聖女「なんで?」


漆黒「吸血鬼ですよ?うら若い処女おとめの血が好きに決まってるでしょう?」


聖女「始祖が女の子バージョンって事はない?」


漆黒「吸血鬼になら多分女子いますけど、始祖は男だけですな。我が君は、あたり引きそうですから」


聖女「えぇ、やっぱり帰ろうかなぁ。

もしだよ、仮に血を吸われたら俺も吸血鬼になるの?」


漆黒「我が君の呪耐性レジストカース死霊術ネクロマンスでトントンですね。

吸血鬼になっても始祖に噛みつけば始祖の能力を奪える裏技がありますよ。

その場合、職業と種族は変わりませんが、闇神官ダークプリーストに転職できる裏技です。

我が君は大天使の息吹を覚えたいのですよね?闇神官だと覚えられなくなりますよ?」


聖女「闇神官でも処女のままなら女教皇ハイプリーステスになれるんだろ?覚えられないの?」


漆黒「SSランクの大技ですからね、条件厳しいです。

闇とか悪が転職経歴にあると天使系が召喚出来なくなります。あの方たちプライドの塊ですから」


聖女「え!?デュラハンをテイムした俺は経歴に傷がついたの?」


漆黒「違いますよ、あくまで転職歴ですから!

今、我を解雇しようと考えてました?

ちょっと?!我は役に立ってるでしょう?」


聖女「驚いただけだよ、それに闇精霊マリアンヌいるのに最初の時に使えたからさ。

つまり万が一噛まれても噛み返せばよくて、

えっと、噛み返す前に誰かが倒すとどーなるの?」


漆黒「我が君の場合は元に戻るでしょう。

他の方の場合は解呪が必要になります、放置すると吸血鬼になります。歌のスキルのレベルが上がってたら解呪可能ですよ?」


聖女「わかった、デュランがいてくれて助かるよ、頑張って始祖倒してね?」


漆黒「テイムなさらないので?」


聖女「始祖はテイムしずらいんでしょ?

しかも(お前と違って)ずる賢いとか怖いからいいや。それにしても敵さん来ないね?」


漆黒「聖女と聖騎士とフェニックスいますからね、イニシアチブ高いです」


『ちょっと!2人で話してばっかりで僕のこと忘れてない?あーあ、2人で攻略デートしたかったなぁ』


聖女「パーティー組んだ方が楽じゃん?」


『そいつ来る前までは僕が運んだのに!』


聖女「戦闘になったら、俺と組んでヘルハウンド倒そうぜ?ピッピの捌ききれないコウモリとかもお前なら飛んで切れるだろ?

格好いいとこ見せてくんないの?」


『フン、知らない!』


聖女「えぇ、もしかして、それ前回と同じアピール?

いやいいよ?猫になってくれるんなら朝までペロペロしてても全然分かんなかったしさ・・・」


『ふぅーん、今の言葉忘れないでよ?』


聖女「うん、あ、道幅がさらに広くなった!

もしかして、あのいかにもなデカい扉が大広間なの?」


聖女様が漆黒の騎士から離れる


聖女「デュラン扉開けて?みんな行くぞ!

あ、メッセージ送っとこう、道順も書いておこうかな、現在地のマッピングある!

アブドゥル大使は、始祖を倒すのに力を貸して!

私は雑魚を相手にします!大使のステータスなら勝てるわ!幸運を!」


「貴女は私の唯一無二の主です、この命尽きようとも必ず勝ってみせます」

私はいつも通り跪いて誓う。

すると、私の体が光って力が溢れてきた奇跡だ!


漆黒「聖騎士の誓いと聖女の加護ですな。我も欲しいです」


聖女「どうやるの? 頑張ってデュラン!」


漆黒の騎士も馬からおりて聖女の前で跪きこうべを垂れる。

悔しいが様になっている美しい所作だった。


漆黒「我が君が望むなら死地にも強敵にも臆することなく進まん!

たとえ我が盾が砕け鎧朽ちようとも汝を守り続けん」


聖女「ありがとう

でも、むさいからいいや!」


漆黒「えぇー!我が君ぃ?!

あ、力が湧いてきた!あんな返事で?嘘ぉ!

全然締まらないんですけどぉ?我の誓いが、扱いが雑すぎる!」


『アハハ!むさいからってアーッハハ!さすがに同情するー!可哀想すぎない?アハハ

お前、やっぱり僕が1番なんだね?アハハ!』


聖女「ちょっと、スカート引っ張るなよ、見えちゃうだろ!」


漆黒「馬に跨ったときからずっと、その白いの見えてますから、今更です!我の目線だと我が君の谷間が服越しにもわかりますから!もうぷるんぷるんですから!

我が君、女子力磨きましょうぞ!」


聖女「お前が太い腕を俺の腹に回してたから下が見えて無かった!このぉ変態ゴリラめ!」


スコット「マリー気付いてなかったんだね、知ってると思ってたよ・・・今度からちゃんと言うね」


聖女「さあ、入りましょう!さあデュラン開けなさい!私はホバーボードに乗るわ!ボス戦だ!」


私の誓は断られた事がなかった・・・それが全ての答えだ!戦う我に力を!


扉を開けると暗い玉座の間があった。

残酷な魔王のような出で立ちの化物が鎮座していた


始祖「挑戦者チャレンジャーか?

忌々しい、我が城に勝手に上がり込んで何様じゃ?

屠ってくれよう!」


聖女「目が赤い!魅了のスキルを使用してくる!目をなるべく合わせるなよ!

おにいさまは空中からファイアジャベリンを!」


私が走って斬り込んで行くと始祖の体が霧のように闇に溶けていく!


始祖「ハハハ!甘いわ!」


聖女「ターンアンデッド!(霧なら効果ありそう)」


始祖「ギェェェェ!おのれぇ聖女め!」


始祖の体が戻ると聖女の光に焼かれて煙が上がり、影からコウモリと黒い犬が出てきた。

スコットどのから火の矢が降り注ぎ、始祖の行く手を遮る。

マリアンヌ殿が異国の剣をふるい散らばるコウモリを狩って行く。

私の聖剣を始祖は警戒してるようだった、私から距離を取ろうと動き回る。


するとデュラン殿が後ろに回っていて、拳で始祖の体を貫いた!

やろうと思っても出来る事ではない。

デュラン殿の騎士の誓は本物のようだ!


漆黒「悪いが心臓をいただく!何!本体じゃない?

本体はどこだ?

はっ、我が君がいない!探せ!」


『マリーウェザー!』


スコット「マリーは、少し前に落し穴に入ったように見えたんだ・・・もしかして敵の罠だったの?」


漆黒「おそらく始祖が使う影移動だ!連れ去られた!あ、あそこの塔の先だ!今光った!

我が君はまだ戦ってる!」


「聖女様!」

私は力の限り足を動かして走り出した!

窓をぶち破って壁を登ってまっすぐに進む、一緒にいながら、みすみす奪われた!?

心臓が痛い、手が痺れる、無事でいてくれ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ