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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
87/372

隣国のダンジョン 白銀の子犬編

朝起きていつも通りスコットがおはようの挨拶をする

スコット「昨日は帰って来るの遅かったね・・・何かあった?」


スコットが頭を撫でて心配してくれた、ホッとして泣きそうだ。


俺「・・・隣国のダンジョンでレベル上げをしていましたのよ、強敵が現れて少しだけ怖かったのですわ」


異世界人に後ろ手に捻り上げられて身動き取れなくされて怖かったなんて言えないな、昨日の事は夢だったと思うことにする。


スコットにギューっと抱きしめてもらって、少し安心した。幼児ボディはスキンシップに飢えていたようだ。

アンナが来る前に、スコットに着替えさせてもらって食堂へ向かう

いつも通りコーネリアスが絡んでくる。


「コーネリアスお兄様は胃もたれ胸焼けしてませんでしたか?私は胸焼け気味ですわ」


「なんだ軟弱な胃だな!私より全然食べていなかったではないか。フン!

美味かったからまた食べてやろう!あの赤黒いあれは何と言うソースだ?」


「醤油とかソイソースと呼ばれてる物です、お兄様もお気に召しまして?」


コーネリアスは、ガリバタ醤油チキンが忘れられないようだ、炭火焼きで美味しかったからな。



まあ、いつも通りミネルヴァに行く準備をしていたら、来客の知らせがあり、お父様は仕事で既にいなかったから、コーネリアスが対応してた。

すると、俺も呼ばれたから、スコットと客間に行くと研究室のスタッフさんがわざわざ来てくれていた。


「昨晩未明に凄い轟音が鳴り響きましたが、ここまで聞えてましたか?

アカデミーの倉庫の一角が吹き飛んだんです。

どうやら山のガス溜まりを塞いで作られていたようで、何かの拍子に爆発したのではと噂されています。

詳しくはまだわかっていませんが、しばらく人も増えるし、何かと忙しくなりそうなので落ち着くまで待機するようにとの事です」


アチャー、やっぱり事件になってしまったのね?

使ってない倉庫くらいで大騒ぎしちゃって・・・。

ぐはぁ!どうしようごめんなさーい!


俺は流れる汗を無視して、渾身の演技をする


俺「まあ!寝てたので全然知りませんでしたわ!」


スコット「そうだね、マリーは寝ると朝まで起きないもんね」


お兄ちゃんに嘘のアリバイ証言させてしまった!


コーネリアス「遠くで爆発音がなってた気がしたが、そうであったのか。倉庫が吹き飛ぶなど、凄い威力ではないか!

学生のいる時期でなくて良かったな、わざわざ知らせに来てくれて助かった。

すまないが、落ち着いたら改めて知らせに来てくれ」


俺「あの、エジソンさんたちも、その、調査に行かれたりしますの?」


「若手の元気なのが何人か教授達の調査チームに組まされるそうですが、エジソンが選ばれたかわかりません。

心配して下さってありがとうございます、マリーウェザー様のお気持ち伝えておきますね」


研究室のスタッフさんにエジソン宛の手紙をわたした。もし暇なら家で勉強を見てくれと書いておいた。

彼は手紙を受け取ってニコニコ帰って行った。


予想以上に爆発させちゃったからな、研究室からも調査チームが派遣されるなんて・・・事件じゃないか!


ルーン文字も発見されるだろうし、ガス溜まりとか言われてるならもう塞がないだろうな、めでたしめでたし。


スコット「マリー、エジソンって誰のこと?」


俺「研究室でお世話になってる若手の助教授ですわ、面倒見が良くて優しくて面白い方ですのよ」


スコット「へぇー、マリーのお気に入りの若手なんだ?」


それって、厨房の女子達の噂話しかな?スコットも従者から聞いたんだな。

まあ否定はしないよ、エジソンはいいヤツだったし俺は良い友達だと思ってるよ。


俺「はい、お気に入りのお友達ですわ

ご自宅がお貧乏なので支援したいとも思っておりますのよ。おにーさまパトロンになるにはどうしたらよろしいかしら?」


コーネリアス「生意気にも支援者になりたいだと?フン!いっちょ前に色気づいたものだ!

どれ、その助教授とやらを見てやろうではないか!支援に値するかどうかこの目で確かめてやろう!どこのどいつだ?」


俺「ミネルヴァが落ち着いたら、見に行けばよろしいのではなくて?

コーネリアスお兄様が在学中にお会いしてますよ?

トーマス・アルバス・エジソンさんです。

ご存知ありませんこと?」


コーネリアスの顔が引きつった、これは知ってるんだな!

ミネルヴァの本物の天才だもんな。アホなコーネリアスでも知ってたか、さすがこの世界のエジソン!

俺は応援してるよ!


さて、急に暇になったなぁ

あ、忘れない間にロバートさんに昨日の事を報告ぐちっとこう!俺は明太子ダニエル嫌いだ!



俺「私も勉強をご一緒しても・・・いえ、やめときますわ!」


コーネリアスが更にうぇっと嫌そうな顔をする、もういいよ。俺は人に物を教えるのに向いてないんだよ!


ふいに出来た休日の過ごし方について


俺って同年代の女子のお友達いなかった、マディリーンお嬢様くらいしか知り合いがいない事がわかった。

驚愕した、コーネリアスの事を笑えないじゃん!


今日暇だからとフラっと遊びに行けないのが貴族のルールだからな。マディリーンお嬢様は特別だ公爵もアホだし。


ヨシュアも最近見ないしな・・・あれぇ?俺って寂しい人なの?


お母様は使用人達となんか家の事話してて、家の女主人として忙しそうにしてる。

今日は日差しが暖かくて外で遊んでもいいけど、アンナと2人で日向ぼっこ?

アンナが2分で飽きるやつだ。


俺「私は庭で一人で日向ぼっこしたりウロウロしたりしてますわ、飽きたら部屋で勉強します。

アンナは飽きるでしょ?家の仕事とか皆と街に買い物してきていいわよ?

心配しなくても私は門から外に出ないわよ」


そう言って俺は庭に出た。領地の広大な土地の屋敷と違って見渡す程の庭だ。


俺「隣国のダンジョン行くぞ!レベル上げだ!ムラマサで明太子アイツを切れるくらいになってやる、悔しい思いのままでいてたまるかい!」


『お前、やっぱり気にしてたのか・・・そうだな!

僕もいるし2人でダンジョン行くぞ!』


俺はまだあいつらがいたら怖いかなと思って恐る恐る穴から出た。

ふぅ~、ゾンビしかいない!安心したぜ!


「ターンアンデッド!」


トモエとムラマサを呼んで4人で進む、めちゃくちゃ快適。


「久しぶりに神殿の中も通って経験値稼ごうぜぃ!ターンアンデッド!」


『お前の機嫌が戻って良かった、ずっと落ち込んでて調子悪かっただろ?大丈夫か?ヨシヨシ』


マリアンヌの体温のない軽い手が凄く安心できた。見た目は今の俺より筋肉のついてきた腕なのに重さを感じない。


サクサク進んで行く、出てくる敵全て消す、スポンするとターンアンデッドの光でシュワシュワ消えていく。

消えきらない中ボスのラミアゾンビもムラマサで細切れにして

「フッつまらぬものを切った」とかやってストレス解消して遊んでた。


下からや上からや横から出てくるゾンビや犬型アンデットもみんな消していく。

普段入らない部屋とかも全部開けてターンアンデッドしまくる。

すると、部屋の1つから宝箱がドロップされた。


「マリアンヌさん、あーけーて」

ミミックだと怖いからな。


『これは黒いけん?』

マリアンヌが黒い剣って言って宝箱から出そうとするが俺には白銀のつるぎに見える


「待て!それ黒く見えるの?俺には白銀に見えるんだけど?なにかギミックがあるかもしれない・・・お前は触らない方がいい。トモエちゃん、これって解る?」


『精神系のバフでございます、おっしゃる通りマリアンヌ殿はご注意ください。

ただ、今はご主人様も通常通りなので影響は少ないかと』


「俺が持つよ、お前にはムラマサあげるハイ」


『あ、お前が装備すると白銀の細剣に見える!僕が見たときは黒のそこそこ大剣だったのに』


すると、宝箱が光って鞘になった。

刀身剥き出しだったからな、鞘になって良かったです


「剣が軽いし、手に持つとじんわりと温かい。

癒やしの効果が常に発動してるのか?凄いな!

今までこの部屋は気が付かなかったな、カインも何も言って無かったし・・・

アレかな、完封したからドロップしたのかもしれない」


本当にここのダンジョン俺好みだ!もう大好き


墓場の前に来て

「ムラマサ、トモエ、2人で金貨拾ってね

行くぞ!ターンアンデッド!」


俺は掛け声だけ。

泥濘ぬかるんだ地面を走りたくないからマリアンヌに抱えてもらって通る。


一周だけしておいた。

2人が拾うの大変そうだったから、やっぱり盗人シーフいないと時間かかるんだな。


礼拝堂の前に来て中に入らずに

「ターンアンデッド」を発動して白銀の細剣を試してみた。

軽く一振りしたら、その残光から光る粒が集まって白銀の紀州犬のような形になった。要するに光る白犬


そして、ガウガウとゾンビに向かって行った。


「わぁ!見た?なんか出たよ!凄っ!わぁー!」


『なんだアレは・・・』


「なあ、お前もちょっとやってみ?黒い犬が出るかもしれないよ?」ワクワク


『なんて可愛い顔してんだお前!

やるけど、何も出ないかもしれないからな!』


マリアンヌに持たせると、禍々しい黒光りするような大剣になった。


「これは・・・お前にはこんな剣に見えてたの?」


一振りがドラゴンでも出そうだよ?そう言おうとしたらマリアンヌが振りかぶっていた。


黒の大剣から出たのはゴウゴウと燃える黒炎で、それはまるで生きてるように蠢き、ゾンビごと俺の白犬を飲み込んでしまった。


「ちょっと(怒)俺の白犬が!返せ!」


危ないからマリアンヌから剣を取り上げると、バッとこっちを見た。


『あっ、れ?僕がやったの?』


「戻れ白狼ハク

ボロボロの白犬が黒炎から光りの粒になり剣に戻ると、じんわりと持ち手が暖かくなった。

熱源はこれか。どういう仕組みだ?


まだ黒炎が燃えていてゾンビを焼いていた。なかなかどちらも消えない。


大技見せつけられて、なんかとても悔しかったから、俺は剣に力を込めてこの黒炎に向けて放つ


「行くぜ!おりゃ!俺はドラゴンが欲しいんじゃい!」


そんな掛け声とは裏腹に、出たのは光りの風と波しぶきで、多分クジラかな?そんな鳴き声とともに巨大な多分シロナガスクジラがダンジョンの中の黒炎の上をすべって墓場のゾンビも黒炎も光の粒に変えた、あとにはいつも通りの光の残光だけ。


持ち手がじんわりと暖かくなって熱源が戻って来たのがわかった。


「お前、大丈夫か?なんかジュワって消えてない?」


『その言い方だと、僕はいずれお前に消されそうだな・・・』


僕は悪霊じゃない!って返ってくると思ってたのに、コイツ落ち込んでんの?黒犬じゃなかったから?


寂しそうに俯いていた。

ちょっと成長して俺より少しだけデカくなったのに泣きそうな顔してる。


「ごめん、大丈夫だよ。お前は消えないよ!

もう言わないよゴメン、お前気にしてたのか?

落ち込むなよヨシヨシ元気だせって・・・

オッパイ揉んどくか?」


『・・・うん』

ちょろっ

お顔が上を向いて嬉しそうにして、ほっぺが赤くなって、元気出たからまあ良しとする。


礼拝堂の中に入ってもゾンビが扉をドンドンする音が聞こえない。

ここも完封したのか?


ハシゴを使わずにマリアンヌに抱えてもらい、下におりる。


俺「元気が戻ってよかった。

なんだかんだ言ってるけど、俺お前のこと頼りにしてるし、お前をちゃんと大事にするからな!」


精霊には結婚適齢期とか無さそうだし?


『うん、お前からちゃんと伝わってる』


『ミラーフォース、敵が来ます』

トモエにフォローしてもらい下におりる。


この細剣の使い方がわからない、さっきみたいにクジラがでても倒せるのか?


「行くぜ!今度こそドラゴン!」

また力を込めて剣をふると、最初の犬に戻った。

ガルガルと触手モンスターに飛びかかり爪や牙で戦っていた。


何となくもう一振りする。

そしたらまた犬が出た。


「また出たよ凄っ!おりゃ!えい!」

7、8匹出た所でやめた。だって決定打にかけるんだよ。触手や体はボロボロに出来たけどそれだけだ。


「トモエちゃんこの剣を持ってて、行くぞムラマサ!

犬ども!触手を抑えとけ!ターンアンデッド」


ムラマサを構えて、力いっぱい抜刀ぬく


一手目で下から袈裟斬にして2手目で首を跳ねた。止めのターンアンデッド!

モンスターが断末魔を上げて消えた。


宝箱からドロップしたのは、ベルトの腕輪だった。


『何の首輪が出たの?』


「え?これ腕輪じゃないの?」


トモエちゃんが試しに光る犬に首輪をしたら、全ての光が犬に集まって生きた白い子犬になった。

白銀の剣をアイテムボックスにポイっとして、俺は膝をついて犬を見た。


「ハクゥ!お前ハクだろ?全然気がつかなかったごめんよ~!」


『え?何がどうなってるの?』


「昔飼ってた犬・・・だと思う。顔がそっくりだし!俺が拾ってきて、ねーちゃんが棚で飼ってたらお母さんに見つかって正式に飼うことになったんだ。

毎日散歩してたよ?懐かしい思い出だよ

俺飼う!また飼う!あ、あの屋敷で飼えるかな?」


俺はハクを抱きしめて頬ずりした。ハッハ言ってるハク可愛い!


「俺がハク抱っこしてるから、マリアンヌは俺を抱っこして上に行って!」


何か言いたげな顔をしてるけどマリアンヌは俺を抱えて飛んだ。


『歌わないの?』


「帰ろうよ、ハクにご飯あげたいし?ヨシヨシイイコイイコ」


『ご主人様、それは犬ではなく聖獣でございますご主人様の魔力を糧にしておりますので。

我々同様、食べれますけど、そこまで必要ございません』


トモエがそう教えてくれた。なんて賢いんだ俺のトモエちゃん


「え、そうなの?ハク凄いじゃん!イイコイイコヨシヨシフフ」


『ねえ、その犬ってそんなに大事?』


「え、何言ってんの?」


これはアレか、新しいペットが来たら前の奴がヤキモチ焼くやつだな。

ハクのがめちゃくちゃ可愛いよ?なんて言ったら怒って拗ねるんだろうなぁ


「お前の方が大事だよ・・・え!泣いてんの?」


『グズッ怖くて、僕の方が大事なのって聞けなかったから、お前から言ってくれて良かった・・・グズッ

僕の方が大事なの?』


「大事だよ泣くなよ・・・そうだ、お前の為に歌ってやるよ。別に賛美歌じゃなくてもなんかリクエストある?」


『前にロバートと歌ったやつ聞きたい、他あんまり知らないから』


俺「残酷な天使のやつね、伴奏無しでも余裕!

仕方ないから君を想って歌ってあげるよ」



俺は自分で感動するほどノリノリで歌った。

トモエとムラマサがパチパチ拍手したくれた。


そして

「ハクがどでかい化犬になってしまったぁぁ

バカヤローこれじゃ家で飼えないよぅ、うわぁん!」


『ご主人様、こちら子フェンリルに進化しておりますおめでとうございます』トモエがそう言うけど


「もう、コイツは俺のハクじゃあねーし!

いや、フェンリルの子どもとか格好いいよ?けど、こんなん家で飼えないよぅ!

俺は布団に入れて一緒に寝たかったの!ハク熱源で温かいし!」


俺は膝から崩れ落ちた。

するとシュワ~っと空気が抜けて化犬フェンリルが小さくなって戻った。

『きゅ~ん』


「あああー!ハクゥ!もう大きくならなくていいからねぇー!」

俺はガバッと抱きしめて、喜びの声をあげた。



そして、宝箱普通にでてた、カインも適当ぶっこいてたな!

宝箱にはまた指輪が入っていて、今度は最初から対になってるやつ。


『歌ってる時のお前、やっぱり輝いててすごく綺麗だった。僕の為に歌ってくれてありがとう、その、ちゃんとお前からの魔力あいが僕に届いて気持ち良かった・・・ねえ、聞いてる?』


「あ、うん聞いてる、元気になって良かった。ハイ」


『なにコレ?指輪?』


「2個出たから、1つあげる」


試しに嵌めてみて、ダンジョンボードを見ると装備の所に隠しギミックのある指輪が表示されていた。


【〇〇〇いし〇者の指輪】

対象と対ではめることで試練に挑戦できる。

資格が無ければ、指にはまらない

効果未取得

威力未取得

レベル1



こーゆーのワクワクするね!指にはめてるだけでいいのかな?

敵を倒すと経験値たまっていくのかな?ぐふふ


『僕の指にははまらないや、資格がないみたいだ』


「え、そうなの?」

俺がマリアンヌの指にはめるとすんなりフィットした。

やべっ、つい癖で薬指にはめてしまった。


「労働や苦労を知らない白くて綺麗な手だな、アンナよりよほど女子っぽいぞ?」


『お前だって労働を知らない白くて綺麗な手じゃないか!同じだろ?』


「俺様伯爵令嬢様やぞ、当たり前やろがい!」


『僕だって大精霊様だわ!手なんか汚れるかよ、アハハ

これいいね、人間がよくやるつがいの証のようだ!お前ってやっぱり最高だな!アハハ』


癖で薬指にはめた俺が言うのもなんだけど、何言ってんの?


これはバフ系装備だよ、婚約指輪と勘違いしてねーか?だって俺自身は中指にはめてるしな。

オンラインゲームじゃ常時5、6個くらいつけてバフ効果上てたし。


歌ってあげたら、スキルの効果で元気でたんかな?

ちょっと酔っ払いのように、ご機嫌に嬉しそうに指輪に口付けしてる。

高校生とかって、指輪ってちょっと大人の階段に感じるんだよな。


束縛リングと名言したヤ○チンのお友達がいたっけ。

まあ、ウジウジメソメソよりいいから黙っとこう。


「もうすぐお昼だから、一旦帰る?

昼飯終わってからまた奥まで行こうか?ハクとりあえずアイテムボックス入っといてよ。」


『そうか、お前は人間だったからご飯いるもんな?忘れてたよ』


まあ、君らは俺の魔力ごはん食べてるもんね!


落し穴に入ったら、アバターとともに装備した指輪も外れてしまった。

けど、マリアンヌに装備した指輪はそのまま残っていた。


「くぅ〜、5歳じゃ何も装備出来ない!早く大人になりたいよぅ」


マリアンヌが指輪が抜けた俺を見て馬鹿笑いしていた。



屋敷に戻ってきて、皆で昼食を取るんだけど、アバターごしでも腹は減るし喉は乾くんだな。

ご飯が美味いぜ!


コーネリアスが絡んでくる


コーネリアス「お前は何をしていたのだ?部屋にいなかったではないか」


俺「庭にいました、わたくしと一緒に勉強したくなりましたか?」


コーネリアス「・・・いや、いいのだ。今日は天気が良い昼からも庭にいればよいのだ」

コーネリアスがヒクっと引きつりながら言う。


コーネリアスが探しに来たのか、お茶とかオヤツの時間だったのかな?

アンナに言って先にもらっておこうかな。


昼食が終わってから、アンナの所に行き

オヤツを先にもらってまた一人で日向ぼっこするから良いと本を持って外に出た。

これで遊びに誘うやつはいないだろう。


「さて続きだ、ダンジョンに向かうぞ!」


アバターを装着すると、オートで指輪がはまった。なんて便利機能なの、俺は指輪のこと忘れてたよ。ここのダンジョン・コア気が利くわ!

ランダムなのか今度は人差し指にあった。



礼拝堂の裏手に出て、白銀の細剣とハクを出した。

マリアンヌにはムラマサを装備させる。


「なぁ、俺ってスライムとかゴブリン倒せると思う?ゴブリンってちょっと怖いんだけど・・・。」


『やってみたら?』



ハイ知ってるから!俺はスライムしか倒せないよ!


ゴブリン集団で来られると無理だった。

最初の2、3体は格好良く倒せてもモタモタしてゴブリンに囲まれて、スカート引っ張られてお尻丸出しになってすぐ転がされた。

ハクが小さいままキャンキャン吠えて俺の周りを回る。


泣きながら助けを求めるの早いですよ。


トモエがミラーフォースでバリアはって、マリアンヌがゴブリンの首や胴体をはねていく。

なぜかゴブリンは俺の所に来るんだよ、1番弱い奴を狙ってると思いたい。


俺が活躍出来ないならもう帰ろうかな?


「ハク、お前の力を開放する!ゆけ!」


とかノリで言ってみたら、白い化犬になってゴブリンに突っ込んで行った。

ガウガウ蹴散らしてとっても強かった。

もっと早く言っとけば良かったと思った。


そのまま進んで行くと、ビックリな事にコロッセオの奥に森林が広がっていて新しいフィールドが出来ていた。コロッセオの途中から蔦がはえていかにも古代の遺跡っぽくなってカッコよかった。


そして、そこにはカインと明太子ダニエルかいた。


俺「相変わらず、ダンジョンに長期で潜ってるんですか?」


カイン「やっと来てくれた!」


え?

ダンジョンボード確認したらメッセージが届いてた。昨日から無視してたから知らんかった。


カインの横を見ると、カヤックの為にあげた鍋が転がっていた。


俺「まあ、野宿の準備をしてなかったカインは可哀想だと思うけどさ、野営の準備くらいしようぜ?」


俺は白銀の細剣をダニエルに向けた。

マリアンヌもどす黒いオーラを放ちムラマサを握り、トモエも警戒姿勢を取り、化犬フェンリルのハクは唸り声をあげる。

こっちは完全に威嚇してるからな


俺「カイン、帰りたいならそこの落し穴に入れ!

ここのダンジョン・コアさんは心の広い人だから、お前が途中で抜けたくらいでガタガタ文句いわねーよ」


カイン「ちょっと落ち着いて下さい!

ってかその犬どうしたんですか?」


ダニエル「物騒なものを向けないでもらおうか?

仮に私と戦った所で君たちが勝てるかな?

まあ、仲良くしようじゃないか!フン!」


コロッセオの柱の影からスケルトンが襲ってきて、ダニエルが細剣レイピアで一突きにすると粉々に砕け散った。


カイン「あの、メッセージ読んでないんですか?

カヤックにーちゃんが大使とあの森林に突っ込んで行ったんです」


俺「今読むから待って!」


メッセージには、

あの後、カヤックが大使とハッサムに会う。

大使が鋭い嗅覚でカヤックから俺の匂いがすると問い詰められてダンジョンにさっきまでいたと話す。

大使は馬も使わずに走ってダンジョンに突っ込んで行ったらしい。

カヤックとハッサム馬で追いかける

大森林ステージで迷子になる→助けて!


カイン「もう帰る所で大使に来られたんですよ!あんたのせいで!」


えぇ、俺のせいなの?


ってか大使は馬も使わずに馬より早く走ってダンジョン来たの?

もしかして、ダニエルより強いんじゃね?

ひぃ、別の意味で怖っ!


ダニエル「全く、可愛い顔してるけどとんだ地雷女じゃないか!どうせ思わせぶりな態度で男を手玉に取り調子に乗ったのだろう?」


え!

地雷女って俺のこと?!失礼しちゃう!

俺はチャキっと剣を向け直して


俺「お前にだけは言われたくねーよ!彼女と10年以上も付き合っといて浮気してるクソ野郎が!

お前みたいなやつを女の敵って言うんだよ!」


ダニエル「うるさい!浮気はお互い公言してるし、お前に何がわかる!」


俺「お前みたいな人種のことなんて理解したくもねーな!俺はいつでも彼女1筋なんだよ!」


でも、飲み会とかは行くよ?浮気じゃないし。


ダニエル「言っておくが、歳を重ねるごとに別れるのか辛くなるのだよ!お前に何が解るんだ!

私だって別れられるならとっくの昔に別れていたさ!長くいればそれだけ情も湧くし、お互い30を超えてからは今別れたらこのヒトは完全に行き遅れになると思ったら、罪悪感でいっぱいになるんだよ!」


俺「それこそお前のエゴじゃないか!

30過ぎても別に普通にそこから恋愛して結婚したりするんだよ、何言ってんだよ!お前が彼女の鳥カゴで足枷だったんじゃないのか?」


ダニエル「適齢期は30までだろ?・・・そんな」


カイン「ちょっと何の話し?ねぇ!全然意味がわからないんだけど!」


俺「カイン!コイツはなぁ、俺の体狙ってんだよ気色悪い!吐き気がする!」


ダニエル「チィッ!地雷女だと知ってたら、お前みたいなの相手にするわけないだろ!」


俺「俺は地雷じゃねーよ!」


俺がそう力いっぱい叫んだら、ダンジョンの奥

つまり、森林の奥からドゴオォンと音が鳴り響いた。


ダニエルから剣を反らして森林の方に剣先を向ける


そのほんの一瞬に気が付いたら

ダニエルがハクを殴り飛ばして俺の前に来て、マリアンヌをムラマサごしに蹴り飛ばして、トモエを足払いし、俺の剣をダニエルの細剣レイピアで跳ね上げていとも簡単に背後を取られた。


俺はヤツに後から片腕で首を絞められて再び身動きとれなくされた。


ダニエル「クククッ、魔力だけの雑魚が生意気な口を聞くなよ!体は好みだけど私は従順ながタイプだ!

お前達動くな!コイツの首の骨をへし折るぞ!」


マリアンヌが悔しそうに睨んでいて、ハクが唸り声を上げていた。


力いっぱいヤツの腕を剥がそうとするけど、ビクともしない、悔しいけどコイツ強い!


俺は光の矢を展開するとコイツに向けて発射する。

しかし光の矢は、1つも当たらずに別の方向に飛んでいきゾンビやスケルトンやモンスターに当たった。

光の矢が当たったコロッセオの柱がゴゴゴゴと崩れ落ちた。


そうだ、光の矢は人間には当たらないんだった!

くっそー!


俺「ぐっ、は なせ よ、くっ、こ」の野郎と続く前に


ダニエル「アハハハ、全く無自覚にしてるのかい?

君そそるねぇ、生意気な娘を無理やりするのの何がいいか分からなかったけど。新しい扉が開きそうだよ!」


ドSに覚醒してんじゃねぇよ!

俺はクッコロ言ったんじゃないからな!ヤラれる前のエルフの姫騎士じゃないから!

状況は限りなく悪いけどな!


俺のすぐ顔の横で舌なめずりしてて気持ち悪い!

女の子がよく言う生理的に無理ってやつだ!ムリムリ助けて!


すると、キランと遠くで何かが光ったと思ったら

次の瞬間にダニエルが俺を突き飛ばして、持ってた細剣レイピアで弾いて軌道を反らしていた。


俺は最初、ヤツに突き飛ばされて、ダニエルの剣が砕け散った事しか分からなかったが


俺の目には遅れて、ようやく理解出来たのは、どこかで見たような聖剣エクスカリバーがまっすぐ飛んできた事だった。


突き飛ばされた俺を助ける為にマリアンヌとハクが駆け寄る


『大丈夫か!離脱するぞ!』


俺「ゴホッ、ハァハァ、助かったのか?カヤックだけでも回収する!」


『くっ、わかった!・・・はっ!』


俺「何?キャア!」


気がつくと俺は大使に抱かれて凄い速さで移動していた。

お姫さま抱っこされながら風圧と加速と抱きしめすぎで息がしにくかった。


俺「大使、止まっておろして」


大使が止まり、俺を下ろすと跪いて手を取り額につけて誓う。


大使「必ず会えると信じておりました。くっ

遅くなり申し訳ございません!貴女の騎士が参りました、この命に変えても貴女を守り抜きます!」


よく見ると、服がボロボロでゴリゴリのエグい腹筋が丸見えで、股間が膨らんでいた。


ひぃ!

どいつもこいつもなんなんだ!

俺は大使から手を引き抜くとアイテムボックスからデカい服を取り出し大使に渡した。


俺「大使これを着て下さい!」


大使に会うときは服がいるかもしれないと思ったから、コーネリアスの服を1枚拝借したのだ。

丈が太ももまでしかなくて、ちょっとパツパツだった。着れない事はないけどな。

当たり前だけど、コーネリアスより大使の方がゴリゴリだった。


大使は泣きながら喜んで服に感動してた。

貴族の服に感動したの?相変わらず涙腺が緩くてすぐ泣く


大使が早すぎてハクが遅れてやってきたけど、大使に威嚇しない。


え、何で?


大使「これは、聖女様の御使い、聖獣ではございませんか?なんと神々しいのだ!」


え、なんだと?

俺のハクが大使に頬ずりしてるぅ!


マリアンヌが近づくと、大使が警戒して剣を向ける。

多分、さっきのエクスカリバーは大使が投げたのだろう。走り回ってちゃんと回収も済ませてあった。


ハッサムにあげたやつだけど、借りてるのかな?


『くっ、返せよ!僕のだ!』


大使「悍まし暗黒精霊が!聖女様に近づくな!この方はお前の物ではないわ!」


あれ、大使が会話してる?


嫌な予感しかしない!


俺「大使、アレ味方だよ。

もしかしてステータスボード開ける?職業は?視てもいい?」



アブドゥル・アルラフマーン (20)


HP:3365/5836

MP:512+700(加護補正)

SP:493

pp:374

攻撃力:5514+612(装備補正)

防御力:5269

職業:聖騎士パラディン

装備:聖剣エクスカリバー 貴族の服(上)

保有スキル:運命力(困った時になんか助かる)

聖女見習いの加護・騎士の誓い

(初級ヒールでも回復大)



俺「強っ!・・・大使いつの間に聖騎士パラディンになったの?この加護って俺のこと?

大使、あなたは自力で挑戦者チャレンジャーになったの?凄っ!」


あ、魔力が千を超えると有資格者になるのか?


え?じゃあ大使が有資格になったのって俺のせい?

でも加護なんて与えた覚えないんだけど?

HPと攻撃力と防御力が俺の10倍あるぅ!化物か!


俺やロバートさんより確実に強い!ひぃ


大使「この黒い影が味方だと?

にわかには信じられませんが、聖女さまの慈悲に感謝せよ!」


『何なんだよ!お前が割って入らなければ僕が助けたのに!この野郎、離れろよ!』


大使「あの不埒な輩にまんまと聖女様を奪われておきながらその言いようとは情けない、聖女様は私の主だ!」


しっかり会話してる!凄い!

いつから俺はお前の主になったんだ?キモッ


俺「アブドゥルさん(のステータス)なら勝てるわ!あの変態は危険よ、気をつけて・・・はっ!

ターンアンデッド!」


油断禁物モンスターが湧く大森林だ。ワクワクする!

じゃなくて、ボスいるんだろうか?大使のHP減ってたし。


俺「ヒール・・・アブドゥルさん、ボスモンスターと戦ってませんでした?

あっ、カヤック達は?いるんでしょ?助けないと!」


大使「おお!聖女様の奇跡だ!力がみなぎる!滾る

愛しの我が君ありがとうございます!

カヤック達を無事に救出してみせます」


ただのヒールなのに自己治癒して全回復してる、ひぇ


マリアンヌに抱えてもらおうと、手を伸ばして近寄るとハクが間に入って邪魔して大使が俺を抱えた。

トモエとムラマサが上空で待機していて、辺りを警戒してる。


聖獣と聖騎士って相性が良かったの?

化犬と闇精霊も相性悪くないと思うけど?


マリアンヌが悔しそうな顔してるけど、急いでるからなんかゴメンよ?

と思ったけど後悔しました。


大使が早すぎて怖いんだけど!この人なんなの?全部肩とか頭で枝をなぎ倒して走ってる。

怖くて目をあけていられない。

俺に枝1つ当たらないから大事にしてるんだろうけど。

森林の奥に遺跡があり、そこでカヤックとハッサムがボロボロになりながらスケルトンと戦っていた。


俺「ターンアンデッド!

カヤック大丈夫?助けに来たよ!」


大使は俺をおろすと遺跡のモンスターを聖剣で倒していき、ハクと連携してて動きがいい。

その隙にマリアンヌが俺に張り付いて来るけど、重さを感じないからまあ許すよ。


俺はカヤックに駆け寄ると、怪我の具合を確かめた。


俺「痛い所はないか?カインのメッセージ無視してたから遅れたんだゴメン」


カヤック「俺は大丈夫ッス!あー、なんか解ります。そんな時もありますから、全然気にしないで下さい!癒しありがとうございました!

あ、ハッサムは剣を大使に取られちゃって、その辺の棒で戦ってたんで俺よりボロボロです」


俺「中級ミドルヒール ハッサムもなんか巻き込んでスマン

お前婚約するんだろ?おめでとう!自分と奥さん大事にしろよ?」


ハッサムは、回復したときはキラキラした顔で喜んでいたけど、おめでとうと言ったあたりでショックを受けた顔で膝から崩れ落ちた。


コイツ確か聖女フェチだったな?俺のこと早く忘れて幸せにな!


俺「カヤック、ここのボスどんなんだ?早く倒して帰ろう!

俺今庭で遊んでることになってるんだよ。王都はもう寒いから夕方までには帰らないとアンナが探しに来る!」


カヤック「ここのボス?その、強敵とかは大使に向かって行くのでどれがボスか、スミマセン」


俺「時間無いからマリアンヌ、ハイこれ!黒の大剣でこの辺を燃やしてくれる?」


『嫌だ!剣を持つと手加減出来ないから・・・万が一お前が傷付いたら僕が後悔する』


えぇ、怪我したら俺はヒールで自分でなおすのに?


大使「万が一にも聖女様の身に危険が及ぶようなヤツに側にいる資格はない!」


マリアンヌが悔しそうな顔で大使を睨む。


遺跡の裏側からドォンと音がして地響きがなる。

大使、ハク、カヤック、ハッサムが警戒して俺の前に立ち、トモエが俺の側により、マリアンヌがムラマサを装備する。


俺はコレが紅一点のパーティポジションかぁと全然違う事で感嘆した。


すると、遺跡の上をドラゴンがとんだ!


俺「スケルトンドラゴンだ!アンデットでも魔法耐性がある!剣を使って物理的に倒すぞ

目と心臓にオーブがある!両方破壊しないと再生するぞ!」


下からドラゴンの眷属らしきスケルトンが湧いてきた!

ボス戦だ!


大使がハクに跨ると、空を駆けた!

俺より先に乗るんじゃねぇよ!と言いたいのをぐっとこらえる。


俺「雑魚のスケルトンは任せろ!ターンアンデッド!」


ターンアンデッドで消えないスケルトンを俺とマリアンヌとカヤックで倒す。

カヤックはミスリルの短剣を持ってるから刺すとスケルトンは消滅する。

ハッサムは大使に剣を取られたからその辺の棒で戦ってた。可哀想に活躍出来ない惨めさはわかるよ?


俺「ハッサム、この剣を貸すわ!

これで戦いなさい!できれば私を守って欲しいです。

後で返してね?取られないでね?折らないでよ?ハイ」


ハッサム「聖女様!再び私に剣をありがとうございます!この命にかえてもお守りいたします。その、私は・・・」


俺「貸すだけだかね?後で返してね?ほらターンアンデッド!敵がくる」


ハッサムが持つと普通の騎士が使いそうな王道の剣になった。根が真面目なやつなんだな。


スケルトンドラゴンが怪音波のような鳴き声を出すと、カヤックとハッサムとマリアンヌの動きが悪くなった。

大使は防御が硬いのか、デバフ効果無効でハクを乗りこなしてドラゴン相手に大立ち回りしていた。カッケー!


俺「敵のデバフ攻撃だ、カヤック大丈夫か?」


ハッサム「くっ、どうしてカヤックばかりが可愛がられるのです?私もお友達なのに」


『そうだ!僕の事好きなら他の人を見ないでよ!』


カヤック「俺、本当は大使が羨ましいです。俺も素直になりたい」


俺「お前ら敵の攻撃受けたから精神汚染されたな!ちょっと待て歌うから待って!」


急いでる時ってろくな歌思い浮かばないよな

バラード曲って失恋ソング多いの

涙を誘う失恋ソング歌ってしまった。


スキルの効果が発動されて、精神汚染はなくなったけど、どことなく冷静を超えてみんな落ち込んでる。


『僕の事・・・好きなのに、この恋を終わらせようと

しないでよ、諦め、なきゃ、いけないの?ヤダよ』


マリアンヌが震えて、泣きそうになりながら言葉を絞り出していた。いや心に刺さる歌詞だったけどな?


すると、ザンッと木の間からダニエルが飛び出して来て、俺は警戒したんだけど、ダニエルは手をかるく上げて


ダニエル「これは聖女のスキルの効果か?素晴らしい、結婚してくれ!じゃなかった、さっきはすまなかった、私も精神汚染されていたんだ。ここは任せろ!」


カヤック達の捌ききれなかったスケルトンを素手で破壊していく。

コイツやっぱり強い!

一瞬結婚してくれとか幻聴が聞こえたけど気のせいだよな?


俺「おい、しっかりしろ!いつまでも感傷に浸るな!俺を抱えて跳べ!スケルトンドラゴンの上でターンアンデッドするとムラマサで上から斬りつけるぞ!

やっぱりムラマサじゃないと使いにくいんだよ」


マリアンヌにキスを入れて、手を肩に伸ばして抱っこの姿勢になると、ようやく抱えて飛び上がってくれた。


あのお上品な白銀の細剣って折れそうで怖い。

俺ってメンタルが折れそうでお上品なんだ、知らなかった。違う気がしなくもない。


俺「ターンアンデッド!行くぞ!ヒャー」


ドラゴンに向かって落ちて行きムラマサをドラゴンの胸のオーブめがけて振り下ろす。


骨が崩れて胸のオーブは消えたけど頭がのこってる、骨のガレキがボロボロと地面に落ちて行き、マリアンヌにまた抱えてもらい落下を防ぐ。


スケルトンドラゴンの頭が残っていて、崩れた骨が再生されようとしたところで


大使とダニエルのゴリラ組が骨ごとオーブを破壊した。

そして、なぜか2人が戦い出した、肉弾戦だ!


俺「まるでゴリラの決闘だ、迫力満点!カッケーなぁ!2人とも凄い!」


カイン「止めなくていいんですか?あんたを巡る戦いなのに、呑気すぎません?」


えぇ!じゃあ不毛すぎるヤメロ!


歌いましたよバラード曲を。

失恋ソング歌ってやったよ。


『僕は、お前を諦め、たくないよ。僕を一人で残して行かないでよ、嫌だ、寂しくて心が千切れそうだ、うぇぇん』


コイツはメンタル豆腐すぎないか?


大使が俺の所で跪くと手をとり額に当てながら誓う。


大使「素晴らしい歌でした。感動しました

私の聖女様、貴女の歌声で心が洗われるようだ。貴女しかいない私の唯一無二の愛しき人よ

私たちの絆は永遠とわに、どんなに離れていようとも我が心は貴女の下に」


なんでこっちは鋼のメンタルなんだ!


ダニエル「色々とすまなかったな。

勘違いしないで欲しいのは、私も結婚を考えなかった訳じゃないんだ・・・。

20代最後の夜、彼女の誕生日の前日に婚約指輪を買ってサプライズプロポーズの準備をしていたのだよ。

でも、その30になる前日、彼女は浮気相手の所にいたんだ。誕生日こそは私とディナーだったけどね。まだ捨てずにクローゼットの中だよハハハ

君は一途だと言っていたね、羨ましいよ」


うわぁ、なんかめっちゃ悲惨な人生だな


俺「あなたの事を全然知らないのに失礼な言葉をたくさん言ってスミマセンでした、その本当ゴメンナサイ

あの、なんて言うかそのっムグッん〜~!?」


油断した訳じゃないけど、一瞬で間合いを詰められて後頭部を支えられて顎クイってされて唇を奪われてしまった。

クチュクチュとヨダレが滴るエロいのをかましてきやがった!

「プファッ!ハァハァ何すんですか!大使ヤレ!」


大使が「潰す!」と殴りかかり再び肉弾戦に


今生では初めてのディープキスをされてしまった。

大使にも似たような事をされた気もするがカニバリズムだったはずだからあれはノーカンだ。


ダニエルは伊達に年食ってる分、舌使いが上手くて気持ち悪かった、うぇぇ


カインが宝箱を開けていてドロップ品は聖騎士の鎧だった。ダンジョン・コアは大使を応援してるようだ。


俺「大使もういいよ、こちらに来なさい。

大使のための聖騎士の鎧を着てみて?」


マジックアイテムだからな、大使にジャストフィットだ。大使がまた泣きながら感動していた。


大使がボコっで気絶させたダニエルさんを一応癒してあげて、全員で落し穴に入った。

大使は強かった。



不思議な事に大使は落し穴で動けるようになった。魔力があがったからかな


俺からアバターが剥がれても大使は変わらず俺にキラキラした眼差しを向けてくる。末期かもしれない怖い。

以前に大使を捨てた場所に再び大使とカイン、カヤックとハッサムとダニエルさんを出した。


俺「カヤック元気でな、また会おう」


カヤック「はい、俺から1言、マリアンヌさんのこと構ってあげてください、じゃあまた」


大使がゴチャゴチャ言ってたけど無視して帰った。



アイテムボックス内で2人で話す、ハクいるけど。


「俺の歌はお気に召さんかったか?」


『2曲とも悲しい歌だった、最後のは、お前が幸せな灰になってたじゃないか・・・あの歌は僕の事を想って歌ったの?長生きする僕は置いて行かれても仕方ないって事?』


「いやいや、適当に歌った曲だよ!聖女アバターじゃないけど違う歌を歌おうか?」


『いい。なぁ、もしも僕が・・・

最後はお前に消されるのもいいかもしれない。

胸が苦しい。

お前になら消されてもいいよ。僕の事消してもいいから、僕の事ずっと忘れないで?』


「まだ根に持ってんのかよ、もう言わないよ、消さないし。

俺の事なんだと思ってんの?俺はジーも殺せない、か弱い野郎だよ?

あのお上品な細剣見たでしょ?俺のメンタルあんなんだよ?

お前のこと消せる訳ないじゃん!スキルの効果で感傷に浸りすぎ、って俺のせいか?

アチャー

ツルペタなオッパイ揉んどくか?」


『クスクス、フフフ、アハハ!

このツルペタは流石になぁ!お前僕がいないと寂しいの?僕が必要だって思ってる?』


「いつでも思ってるよ」


『仕方ないなぁお前弱っちいもんな』


「まぁな!」


マリアンヌが涙をポロポロ零しながら一生懸命笑ってた、健気に笑う姿がフィギュアじゃ無くても可愛いと思ってしまった。



俺はハクとマリアンヌを連れて穴から出た。

アンナや屋敷の人達が探してる声がした。


ヤバくね?

ぐぅ!

怒られるやつやん!


庭のすみで丸くなってたら、よりにもよってコーネリアスに見つかった。


コーネリアス「おい!お前はこんなところにいたのか!返事をせぬか馬鹿者!どれだけ心配したと思ってる!

何だ?わぁ!犬だ!仔犬ではないか!

なるほどな、そうか、わかった、父上とマルリーン様には私から言っておく!

仔犬が気になってここにいたのだな、全く!

お菓子を持って出かけたりするなど、今思えば犬のためであったのか!」


コーネリアスお兄ちゃんカッケーーーッッ


俺は疲れてた。

アンナに怒られながら湯浴みしてすぐに寝たんだけど、変な時間に起きて、ハクが一緒の布団にいなくて、めっちゃ探したらコーネリアスの部屋の暖炉の前で飼われてた。


お前も仔犬欲しかったんかーい!

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