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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
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エジソンとテスラとチョコレート

いつも通り朝からコーネリアスが絡んで来るのだが


「ついに、父上を超えてしまったようだ」


ドヤ顔で何言ってんだコイツ


「もう少し野菜も食べた方がよろしいですわよ?

コーネリアスお兄様の方が若いので筋肉がある分、お父様より重いのですわ、別に太って見えませんのでお気になさらず」


「違う!体重の話ではない!シェフだ!

昨晩の勝負で父上に勝ったのだ!このこのこの!」


コーネリアスが俺のほっぺをグリグリする

痛いんだぞ!


「それは、ようございましたね、おめでとうございます」


「次はお前と勝負してやろう、私に勝ったままでいられると思うなよ!フハハ」


幼い妹を相手にして言うセリフじゃねーな!

チロリと親父をみると"仕方ないなぁ"みたいな顔してる。

オヤジめ手を抜きやがったな!泣かせてやる!


「今晩は3人で寝るのかな?」

スコットが可愛い顔で聞いてくるから、なんかコーネリアスの事はどーでもよくなった。


「仕方ないので、お相手しようと思いますわ」



昨日ニコラスも言ってたけど、エジソンの実家は落ちぶれ貧乏男爵家で、なかなか食堂にご飯を食べに来れない程だと分かったので、家から少しだけ持って行くことにした。


アンナに頼んで昼食をエジソンの分も気持ち多めに入れてくれと頼んだら、厨房の人に変な勘違いされた。


「お嬢様にも想い人が出来たんですねぇ、女の子はそーゆーとこ早いですね。ミネルヴァの若手ですって!」


と言って、メイド達がキャッキャしながらサンドイッチを増やしていた。


パトロンと言う言葉には、愛人契約とかそーゆー意味もあるのは知ってるけどね。

俺はエジソンを純粋に応援してる。



ミネルヴァに着いたら、今日はエジソンが待っていなかった。部屋かな?と覗くと誰もいなかった。

そこらへんの人に聞いたら、昨日ニコラスと喧嘩になって今日は寮から出てこないらしい。


まあ、ライバル同士だしなと軽く考えていたら、殴り合いの痕が残るニコラスが見えた。

ギョッとしていると


ニコラス「マリーウェザー様のような幼い子どもにお見せするなど、申し訳ないです。ご不快でしょう?

私の研究室へどうぞ、そこでお話しします」


一応アンナと着いていく。

ニコラス・テスラの話は聞きたいし


ニコラスの研究室はエジソンのより広くてまだ木箱のままの荷物があり、移って間もない事が分かった。

机の紙をみるとニコラスも細かい字だ。

お遊びでここにいる俺とは違い彼らはこの職業で生きてる人達なんだなと思った。


ニコラス「さて、何から話しましょうか。トーマスとはカレッジの頃からの知り合いなのです」


そう言って話し出したのはカレッジ時代の話しで、発想豊かでやりたいことやってるエジソンの学生時代が今と違って楽しそうだったことだ。


エジソン7人兄弟らしい。

でも、カレッジを卒業する少し前にお母様がお亡くなりになりカレッジを卒業してもエジソンは実家に帰らずに就職したようだ。


そして、2人ともまだ18歳だそうだ。

え、コーネリアスと同年なの?もしやコーネリアスとも同級生?


ニコラス「コーネリアス様はお元気ですか?休学されてましたから心配しておりました。

と言っても、私はそんなに親しくしてませんでしたがね」


コーネリアスって凄い人達と同級生だったんだ、羨ましい!何で休学してんだよ間抜けめ!


俺「えーっと、今回は旧友が職場に突然現れて、昔を懐かしむと同時に若い頃の思い出に火がついて熱くなり喧嘩になりましたの?」


ニコラス「見た目にそぐわない状況説明ですね、昔からトーマスとは気が合うのですがね」


俺「同族嫌悪と言うやつですか?まあ10代なんてそんなものですわね」


反発しあってぶつかって成長していくなんて、それこそ史実のようでいいんじゃないか?


アンナ「お嬢様、そろそろ行きましょうか!」


俺「お話しが聞けて良かったです、ごきげんよう」


珍しくアンナが急かすから出てきたけど、なんなんだ?昼にはまだ早いよ?


アンナ「お嬢様、エジソンさんの所に行きましょう!お母様がいらっしゃらないと何かと不便だし、多分ご飯も食べてないですよ。

ご飯が食べられないのは可哀想だわ!」


アンナが相手を思いやってる!

フッ成長したな

そう言えば、アンナも孤児になる前は貧乏男爵が妾に手を付けて産ませた子どもだったな


俺達はエジソンの寮へ向かうことにした。

自宅は研究棟を出てミネルヴァ内の社宅街にあると言う。

なぜか家の馬丁のダンさんがこの辺りを知ってた。

いつもミネルヴァまで付き合ってもらってるんだけど、暇だからこの辺りをウロウロしたりしてるそうだ。


教えてもらった住所を頼りに訪ねる、一応ダンさんにノックしてもらう。

ガチャっと扉が開いて見えたのは、ニコラスより殴られた痕のあるエジソンだった。


エジソン「はっ、帰ってくれ!」


エジソンがそう叫ぶより早くアンナがスルッと部屋に入った。エジソンがアンナを追いかけて行くので俺とダンさんも中に入る。

部屋の中はぐちゃぐちゃだった。おまけに臭っせぇ!


アンナは窓をバンっと開けて仁王立ちになり

「臭っ!掃除くらいしなさいよ!」


エジソンがビクっと一瞬怯んだ、若い女の子からの"臭い"は可哀想だから辞めてあげてよ!


エジソン「なんだ、帰ってくれ!何しに来たんだ!私よりニコラスの所に行けばいいだろ!あいつのほうがいいのだろう?君だってそうだ!私よりニコラスの方が優秀なんだ」


あれ?今生ではそうなの?

俺もそこまでエジソンとテスラのこと詳しくないからなぁ・・・


エジソン「もう、帰ってくれ!これ以上私の惨めな姿を見ないでくれ!」


そう言って丸くなって泣いていたエジソンを見て

今更だけど、この人はトーマス・アルバス・エジソンであって地球のエジソンじゃないんだったと思い出した。


俺「アンナ、ダンさん私達で部屋を掃除しましょう、こんなところじゃご飯も食べられないわ。

トーマスさん、お風呂入って来て下さい!

これシャンプーです、小瓶一本差し上げますから、液体石鹸ですわ、頭を洗って下さい。

書類はとりあえずあの木箱に全部詰めますから後で細かく分けましょう」


洗い方が分からないと言うから、エジソンを寮の風呂場にぶち込んだ。

水しかなくて冷たいんだよな、お湯を沸かしたいけど、なぜかここ薪もないし。

アイテムボックスからダンジョン・コアのお湯を出して桶に入れる。

エジソンの頭を洗ってる俺がお湯じゃないと辛いだろう!

服を上だけ脱がせて洗うと、派手に殴られたのか背中にも痣があった。

なんと言うか、エジソンの背中にもスコットのような古傷があった。

もしかして、仲悪い兄貴にボコられたのか?

この人もたいがい不憫だな。


何度も頭を洗ってようやく綺麗になった。寒いのか震えながら顔を真っ赤にしていて風邪をひきそうだった。

スマン、派手に湯を溜められなくて。急いで体を拭く布をアイテムボックスから出してかける。


俺「濡れてしまいましたね、早く部屋で着替えて下さい風邪をひいてしまいます」


戻ると、アンナは布団を干していてチェストの上には衣類が畳まれていた。ダンさんは大雑把に片付けている。

エジソンが着替えてる間に俺が布で机を拭いていく、手間のかかるやつだ。

嘘です、俺チビだから机拭くくらいで何も出来ません


エジソン「良い香りがする・・・こんな石鹸があったなんて知らなかった。部屋も片付けてくれてすまない」

エジソンからグゥ~っとお腹がなっていた。


アンナ「お嬢様、ちょっと早いですけど皆でランチにしましょう!私お菓子買ってきます!」


アンナが出ようとすると、ダンさんが自分が買ってきます皆さんで先にどうぞと言って出ていった。多分気を使ってくれたのだろう。


アンナが少ない薪でお湯を沸かしていて、紅茶を出してくれた。ランチを広げて食べ始める。


ダンジョン・コアの湯で洗ってしまったから、エジソンの殴られた痕がめちゃくちゃ減ってて焦った。

この部屋に鏡がなくて良かったです。


それからエジソンはポツリポツリと話す。


エジソン「すまないな、こんな恥ずかしい姿を見せてしまって・・・いつもニコラスには勝てなかった。

何をしても色んな物を横取りされてきた。

でも、昨日の君が言った言葉には何も言い返せなかった」


俺なんか言ってたっけ?


エジソン「君の言ってた、自分のアイデアを盗まれても気にしない盗むやつがアイデアを一つも持っていないことが憐れだと言ったんだ。

本物の天才の言葉はとても重かった」


ひぃ、ごめんなさい!

それ地球の偉人ニコラ・テスラの名言です!俺あの時うっかり口から出てたの?

凡人の俺の軽口を重く受け止めないでくれ!


エジソン「私の功績が横取りされてきて悔しい思いをしていたのに・・・。

君のような幼い子どもに本質を言い当てられてニコラスは初めて私と対等に向き合ったのだ・・・拳でぶつかり合うなんて学生の頃でもしたことが無かったよハハ」


ぐはぁ!

ニコラスさんもごめんなさい!

えぇ、じゃあ殴り合いの喧嘩の原因って俺なの?

うわぁー、めっちゃごめんなさーい!


エジソン「子どもの君にこんな話しをしてすまない。

君が私のパトロンになると言ってくれて嬉しかったのだ・・・初めてニコラスに取られたくないと思った。私の大事な理解者で良き研究仲間で無知な私に丁寧に教えてくれる指導者だと自分勝手に一方的に思っていたのだ。私は浅ましいと自分を恥じた」


ぐふぅ!

一方的に地球のエジソン像を押し付けて、電気を開発させようとして、ごめんなさーい!うわぁん!

馬鹿で浅ましくて恥ずかしいの俺の方です!


エジソン「選ぶ権利は君にあるのに・・・

選ばれたいと、君に認められたいと・・・」


下を向いたエジソンから涙がこぼれて机に水滴が溜まっていた。

アンナと顔を見合わせて、俺たちは静かにエジソンが泣き止むのを待った。

5歳の体では肩に手を置くこともできやしない。


エジソンめっちゃごめんなさい!


そうだよな、お前って根が優しくていいヤツなんだよな。俺が家でイジメられてると思って色々と気にかけて世話焼いてくれたりしたもんな。

ソワソワしながら、研究棟の前で待ってたりしてたもんなぁ。

楽しそうに実験してたな・・・。


俺「トーマスさん、誰が誰を選ぶとかそんな私は全然天才でも偉くも賢くもないんですよ。まだ何も成し遂げてませんし?

私達は良き研究仲間で良き理解者です。

貴方は真面目で優しくていいヤツです。

私の兄はカレッジの成績はよくありませんでしたが、立派で尊敬できる人です

貴方はこれから成し遂げていく人です、わたくしは貴方を応援しています!

至らない私の戯れ言などに惑わされずに貴方はあなたの好きなようにして下さい

ニコラスさんから聞きましたが、学生時代は今より自由で楽しそうにしていたのでしょう?」


あ、学生時代に自由で楽しそうにできたのって、母親がご存命だったから?

ひぃ!また失言ぶっこいた!もうヤダァ俺はもう喋らないよ


エジソン「ニコラスが私の事を?・・・そうか」


そう言ってエジソンは黙ってしまった。

もう、俺のライフがガリガリ削られてる。

嫌だもう喋りたくない!あ、そうだ


俺も黙ったままアイテムボックスからチョコレートを出す。アンナの目がキラリと鋭くなったから別の焼き菓子をアンナの前に置いた。


俺「アンナお茶のおかわりお願いね」


アンナは、くっと一呼吸置いてからお茶を沸かしに行った。


俺がエジソンの前に置いたのはシンプルな四角いチョコだ。ちょっとツヤ感があって濃い色の高級感あるやつ。

俺の精一杯のお詫びです。


エジソン「コレは?」


俺はニコニコ笑ったまま頷く、もう喋らないよ。


エジソンが何を思ったのかは知らないけど、昨日書き写したルーン文字の上にチョコを置いた。

魔石と勘違いしたらしい。まあ初めて見た四角いチョコの塊って石っぽいよな。


喋りたくないから1つ食べようと思って手を伸ばしたら、ルーン文字が光り出した。


エジソン「コレは魔石なのか、なんだこれは?」


俺「チョコです、食べ物なんですけど」


そう言えばこのチョコレートって、ロバートさんのレンジ・マミィの魔力チョコだった!

アチャー

黙っておこう


ふいに思ったのは、俺の目に映るこのルーン文字を教えたダンジョンがどこかにあるのだと言うことだ。自称精霊のマリアンヌの落とし穴は一度行った事のある場所だけど

ダンジョン・コアの使う転移陣ならまた別の法則なんだよな?



『何を考えてる?』 ぞっとするような


マリアンヌじゃない声がして

チョコを見ると、ルーン文字をかたどった丸い陣に沿ってチョコが丸く溶けていて、そのチョコに魔法陣の烙印が押されていた。


マリアンヌ『離れろ!』


エジソン「何だこれは!」


嫌な予感しかしない


チョコに押された魔法陣は転移陣だ。俺はエジソンを巻き込んで転移した。



ドサッっと落ちて俺はエジソンの上に乗った。

俺「うっ」


エジソン「ぐふぅ」


マリアンヌ『おい!大丈夫か?』


「やっと、来たな・・・君たちはどこの誰だい?」


知らない人が話しかけてきた。


俺「トーマスさんすみません。

えっと、貴方は?ダンジョン挑戦者ですか?」


「私は"明太子おにぎり"だ!」


異世界人だ!

敵か?まだ分からないから知らないふりしとこう。

明太子おにぎりってガチ勢の人だよな、カインとはまた別のパーティの


エジソン「私はトーマス・アルバス・エジソンだ。

ミネルヴァでカール・オペルード研究室に所属している。

君はメンタイコォ・オジリリ?

珍しい名前だ。家名も聞いたことがない。どこの国の方だ?」


ナイスだエジソン!

俺は黙っておこう。


明太子「エジソン!あのエジソンなの!凄っ

ってそれどころじゃない。

くっ、違ったのか?私はここから抜け出せないのか!そこの君は?」


俺「知らない人に名乗っちゃイケないってママが・・・」


明太子「ふん、言ってる場合かな?

このダンジョンはな、ソロモンの謎ときダンジョンなのだ。

あそこにトロッコがあるだろ?操縦席は二人乗りなんだ!

私はずっと相方を探していた。一定の魔力がないと運転出来ないんだよ!なぜならこれは魔力で動くからだ」


俺はマリアンヌと顔を合せた、それって明太子を置いて行って、俺とマリアンヌで脱出が出来るんじゃない?

後ろの荷台にエジソン乗せて。


ってか落とし穴作れるかな?アイテムボックスからチョコ一欠片出してみた。出せたわ!帰れるやんか!



俺「挑戦者が足りないのに帰れない仕様なのですか?随分と鬼畜ですね?

攻略などせずに外に帰れますよ?一緒に出ますか?」


俺は落とし穴を開けた


その瞬間にエジソンが魔法陣に吸い込まれた。


『ズルは良くないんじゃない?人質もらっとくから第一ステージまで上がってきなよ?クスクス』


底冷えするような声がエジソンを連れてった

なんてこった!

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