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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
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コーネリアスと公爵

今日も、いつも通りミネルヴァに行くつもりで準備してたんだ。

お父様は仕事に行ってて、お母様もお友達のお茶会に呼ばれて出掛けてた。


コーネリアスとスコット達が勉強するいつも通りの日だったんだけど、屋敷がザワザワしだして


アンナ「お嬢様!大変です!

今、厨房でお昼ご飯を詰めてたら、先輩達の話が聞こえてきて!公爵家の先触れが来たみたいです!

公爵家ですよ!公爵家!

何しに来るのって感じの公爵家です!」


俺「サイモン、詳しく聞いてきて!」


サイモン「はい!」


サイモンが走って行って、それより先にコーネリアスが来て話してくれたのは、アポ無しでミシェランド公爵令嬢とお付きの人がやってくるらしい。

一応先触れが来てるあたり、従者はとても苦労してるのだろう。


コーネリアス「お前はミネルヴァに向かっても良いのだ、あちらは公爵家とは言えアポ無しの訪問だからな、入れ違いとでも言えばいい。行くなら早くせよ!」


サイモン「お嬢様!門番に聞いてきました!お嬢様に会いに来られたみたいです!逃げるなら早めに!お急ぎ下さい早く!」


俺「いえ、会いますわ」


言っておくが、お前らポンコツ組がとんでも粗相しないかの方が心配だからな?

お前ら俺の心配してる場合か?馬鹿じゃね!


おそらくチョコレートが欲しいのだろう。お土産用とオヤツ用に出さねばなるまい!


俺「アンナ!厨房に連絡してご令嬢のオヤツに分厚いふわふわのホットケーキを準備してもらって!

お母様が斜め仰向きで寝たときのお胸の形のように倒して盛り付けるのよ!重ねたら下が潰れるからね!

そして、上に生クリームを乗せて出してもらうのよ!フルーツを飾り切りして脇に乗せて彩り豊かに!

そして、最後に生クリームの上にこの小瓶の茶色い甘いチョコソースをかけるように言ってちょうだい!蜂蜜の代わりに使うものよ!全てが終わったらアンナには特別に味見をさせてあげるわ!」


アンナが厨房に向かって走り出した。


スコット「マリー、なんて注文の仕方なんだ、わかりやすいけど!」



厨房からバターの甘い香りが漂い始めた頃に公爵令嬢の馬車はやって来た。

皆でお出迎えする。

ピヨコの令嬢ごとき全然大丈夫だ!問題ないぜ!

そう思ってました、馬車から立派な紳士が出て来る前まで。



公爵「やあ、ごきげんようコーネリアス君。急な訪問なのにすまないね」


親鳥も来ましたよ!ほぇ~


コーネリアス「ごきげんようミシェランド公爵、父上が不在なので私が代わりにご挨拶申し上げる。

弟妹のスコットとマリーウェザーです。お会いしたことはありましたか?」


コーネリアスがちゃんとしてるぅ!

なんだ、しっかり挨拶出来るじゃないか安心したよ。


マディ「あら、いい香りがするわね!私達のために準備をしているのかしら?お父様!早く入りましょう!

マリーウェザー!チャコはもちろん出ますのよね?私がわざわざ来ましたのよ?

お父様ぜひ食べて!伯爵家よりも美味しいのを作ってちょうだい!」


俺とスコットはひきつって固まってしまった。


本当にチョコレート食いに来ただけなの?

マディリーンお嬢様すっげーな、コーネリアスがまともな長男に見えるぜ。

公爵おとうさんは娘の躾する気ないんだな。大人になった時に苦労するのは娘の方なのに。


その後、俺とスコットは公爵にしっかりご挨拶して中に案内した。

茶室にお母様の秘蔵の香り高いお紅茶が出ていて、おもてなし感はしっかり出ていたと思う。


マディ「早くチャコ出しなさいよ、相変わらずケチケチしてるわね。

あー!この前はよくも殿下の前で恥をかかせたわね!貴女のせいで殿下にも笑われたじゃないの!」


それはお前の自爆だろ?


俺「それは申し訳ございませんでした。

もうすぐ"チョコレートソース"がかけてある、るふわふわのホットケーキが出てまいります。

しばしお待ちを・・・あら、言ってる間に来ましたわね。

どうぞ公爵様もご賞味下さい。お母様の秘蔵のお紅茶とよく合いますわ」


公爵「どれ、どの程度か味わってやろ「お父様、コレよ!この茶色いのがそうなのよ!まあ!バターの甘い香りがするわ!こんなにフワフワのパンケーキも初めて見たわ!うちの職人はクビにしてこちらの職人を持って帰りましょう!バクモグモグ、ん〜、ホイヒイわぁ!」


公爵なんか言ってた気がしたけど、娘のインパクトに負けてるぞ?


公爵「この茶色いのは、なんと香り高いのか!独特の香りだな!口の中に広がる奥深い味わいだ!ふん!

隣国にツテがあると聞いたが?」


コーネリアス「祖父母のツテでしょう、色々と領地の方でしております」


おお?コーネリアスが返事してる!凄い!

俺とスコットはパンケーキをモグモグしながら話を聞くだけに留まる。


公爵「アシュだったかな?恵みの温水が湧く泉があるのだろ?」


コーネリアス「ああ、父上から伺いましたか?

教会のマークフェルド司祭が我が領地の開拓区に貧民を送るためのプロパガンダであちらこちらで説法しているとか?

北側からも貧民を受け入れていると言うのに全く!」


コーネリアス凄い!俺やスコットなら事実を知ってるだけに言い淀むのにスラスラ答えてる!

俺とスコットは尊敬の眼差しを送った!


公爵「開拓区で工場を建ててると小耳に挟んだのだが?その、隣国からの香辛料など、我が領地の街道を通らねばなるまい?」


公爵は、香辛料の関税を吹っ掛けるつもりか?ニヤリと笑ってこすいやつだ


コーネリアス「はて香辛料?石鹸の間違いでは?

祖父が植物油から洗髪剤を開発したのですよ?弟妹の髪をご覧いただけると分かるように」


公爵は俺とスコットを見たあと、愛娘マディリーンを見た。髪の艶感を見比べたのだろう。

マディリーンは赤毛の艶なし癖毛だ。


公爵「あのマックイーン子爵の子飼のグスコーブ商会のバラのシャンプーですな?

もう殆ど出回っておらぬのに!(※城に卸してるから)他の香りもあったのか!まさかコルチーノでも作られていたとは!完全に出遅れているではないか!」


コーネリアス「マックイーン子爵とは祖父の代より以前から仲が良いですからね。共同開発していたのでしょう」


コーネリアス凄い!

俺より適当ぶっこいてるのに、当たらずとも遠からず!お前凄いやつだ!

俺とスコットは尊敬の眼差しで兄を見る!


その後も公爵が何かを言っても、スラスラ答えていた。領地の事をほぼ何も知らないのに、あたかも家族共通の話題のように!


お父様がコーネリアスを1人で屋敷に置いて行った理由が分かった。


コーネリアスはデカくてガタイも良いから、ただ座ってるだけでどっしり構えてるように見える。

いちいち足を組み変えるだけで様になるし、仕草がなんか大人っぽくて格好いいのだ!しっかりした元公爵令嬢の母譲りなのか?

貼り付けた笑みもお父様を彷彿とさせる伯爵スマイルだ。

そして、物怖じせずに公爵と対等に話してるんだよな、やっぱり貴族は見た目も大事なんだと思った。


マディリーンお嬢様はパンケーキ食ってお腹いっぱいなのか大人しくしてるしな。

結構量があったんだけど全部食べてた、美味しかったのね。


マディ「お父様もう帰りましょう!マディお腹いっぱいで眠たくなってきたわ。

マリーウェザー!今日のはからいは大儀でしてよ!私の側近にしてあげてもいいけど、条件があるわ!

殿下との婚約破棄よ!」


公爵「マディ何を言ってるんだい!そんなこと言っちゃ駄目だよ?」


コーネリアス「マディリーンお嬢様、何か勘違いしてるようだ。

妹は婚約者ではなく、ただの候補です。殿下の匙加減でいくらでも代わりはいます。

側近にするのも、他を選ばれた方がよろしいでしょう。

妹は減らず口の生意気盛でまだ5歳なのです。将来のためにしっかりした側近を探して下さい」


コーネリアス兄貴カッケーーーッッ



公爵達が帰った後


俺「コーネリアスお兄様すごく格好良かったですわ!

私はお兄様を誤解しておりました!

立派なコルチーノの長男として恥ずかしくない振る舞いでした!私はお兄様を尊敬いたします!」


スコット「マリーの言う通り、兄上はやっぱり凄いです!僕らでは、あのご令嬢の相手にもなりませんでした。兄上がいてくれて助かりました!」


コーネリアス「なんだお前達、そうか?

この偉大なる兄の素晴らしさがようやく分かったのか?ハハハ!

と言うかお前!今までと態度が違い過ぎないか?」


俺「今までの生意気な態度を改めますわ。コーネリアスお兄様は仰るとおり偉大でございました!

お父様に信頼されて、1人で屋敷の留守を任された意味を知りましたわ」


コーネリアス「私は父上に信頼されていたのか?

そうか、屋敷を任されるに足るのだな私は!自分でも気が付かなかった」


スコット「そうですよ兄上は立派でした!」


俺「はい、とても立派でした!尊敬いたします!」


コーネリアス「そうか、お前達にはこの兄が立派に見えたのか!ハハハ」




その後、俺は昼からミネルヴァに向かった。

アンナの口の周りには泥棒のようにチョコソースがついていた。チョコの瓶をペロペロ舐めていたのだろう。



ミネルヴァに着いたらエジソンがソワソワ出迎えてくれた。

「遅いではないか!遊びに来てるのではないのだ!」


俺「申し訳ございません、アポ無しの急なお客でしたの。両親がいない時に公爵が来られたので我が家も大変でしたわ」


エジソン「何?それは大変だったな、大事は無かったのか?」


俺「長男が立派に対応しておりましたのよ。私は今まで兄を誤解しておりました。尊敬出来る兄がいて嬉しく思いますわ」


エジソン「そうか、噂とは宛にならぬものよ。兄君と仲が良くて羨ましいな、あ、忘れてくれ」


噂通り留年するほどカレッジの成績は良くないけど、本当に格好良かったんだよ。

エジソンは兄達と仲悪いんかな?


俺「エジソンさん、お昼をご一緒しませんこと?まだですわよね?

私は来客の折にたくさん食べてしまったので、私の分を召し上がって下さいませんか?」


エジソン「え!?それは、その、ありがたく頂こう」


俺「アンナ食堂でお茶の準備をして、アンナはパンケーキ食べたの?」


アンナ「私の分を公爵さまに回されたのよ!私はお嬢様の半分しか食べれなかったわ!」


みんなは2段のパンケーキだったけど、俺だけ1枚だったんだ。

食べきりサイズにしてもらってたと思ったけどアンナに取られてたのか。俺は全然いいけど従者としてどうなの?


俺「パンケーキ1枚とチョコ食べたのね?充分じゃないの、またオヤツ買ってきなさいよ」


エジソン「君は本当に食べなくていいのか?」


俺「こんなに分厚いパンケーキを食べてしまいましたの、私の小さな胃ではもう入りませんわ。

また小腹が空いたらお茶をしましょう」



食堂で、食べつつ話をしていてエジソンは昨日の魔回路の実験をしていたようだ。

ついでに、俺の言ってた電気の実験も試みたようだが道具が揃わなかったようだ。

ヨシュアがいないから俺も道具を揃えられない。

今の所は机上の空論でしかないけど、大きく外れてないはず。

俺は冷蔵庫が作りたいんだよ。


エジソン「私の研究室には予算が殆ど割り当てられなかったのだ、恥ずかしい話しだが発注をかけられない」


俺「私がパトロンになりましょうか?オヤツ代の銀貨一枚を研究費に当てますか?私がまだ子どもなので自由になるお金があまりなくて」


アンナがサッと小銭入れを握りしめた。

ダンジョンから出た隣国の古銭ならあるけどね?

カインの二の舞いだろうな、子どもには扱えない。


エジソン「パトロンの意味が分かっているのか!

いや、すまない。君のような子どもに出してもらわねばならないなど、研究者として・・・ハァ」


まあ、分かるよ開発って金かかるよな。

やっぱり冷蔵庫作ろうよ、俺も欲しいから。


俺「そう言えば、どちらの方がエコなのでしょう?」


エジソン「はっ?エコとは?」


俺「あー、エコロジーとは環境生態学などのことです。

生態系を崩さずに環境にいいのは、電気と魔石のどちらの方が良いのでしょうか?

魔石をエネルギーに変えたら燃えカスみたいなのは出ませんの?」


エジソン「そこに目が行くとは、やはり君は賢いな。公式には何も無いと言っているが、そんなものはありえない。木を燃やせば炭が出るであろう?燃やし続けるには新しい空気がいるであろう?」


俺「質量保存の法則ですわね!エジソンさんやっぱり天才ですわ!本物は違いますわね」

発見したのはエジソンじゃないけどな。


俺は紙に書いて小学生で習うような理科の燃焼実験の説明をする。

魔石とは石油みたいな化石燃料なのだろうか?鉱石に分類されるんだろうか?


エジソン「おそらく、禁忌に触れるのかもしれないな。魔回路までは許されているけどそれ以上は申請が通ったことがない。一介の研究者には先に進めないのだ。神や精霊の信仰が無ければやはり駄目なのだな」


禁忌にって、え?そうなん?

そーいえばエジソンって、オカルト好きだったんだよな。確か蓄音機の他にも幽霊探知機とか作ってたんだよなぁ


俺「そんな!エジソンが諦めるのですか・・・」


エジソン「その、まだ諦めるつもりはないが」


俺「ではやはり電気にしましょう!

研究室に予算が降りないのはそこに儲けがないからです!世知辛い話ですが国も偉大なる発明よりも目先の儲けが欲しいのでしょう。

私がもう少し大人でしたら良いパトロンになれましたのに、申し訳ございませんわ。

まずは、電池の仕組みを説明いたします!」


小学生で習うような理科の電池の仕組みだ。紙に書いて説明する。


俺「電気は電子の流れです。

金属が持っているプラスとマイナスの分子が移動することでおこる現象です。

銅板がプラス極です、亜鉛板がマイナス極です。

マイナスはプラスに向かう性質がありますので、希硫酸溶液に入れると電子が移動して電気が発生いたします。このように導線で繋ぐと電球が光ります

その時に希硫酸から水素が発生します。

ついでですから水の電気分解も説明いたします

水素発電はそのうち必要になりますから!」


産業革命で環境汚染は嫌だからな。最初からバイオマスエネルギーをゴリ押しするぜ!

エジソンがあれやこれや聞いてきて、俺のわかる範囲で説明をする。

おそらくだが、電池の試作が出来たら予算通るんじゃないか?

エジソン頑張ってくれ!



「ちょっといいかな?」


知らない研究者が話しかけてきた。お名前は・・・


エジソン「お前はニコラス・テスラじゃないか!なぜここに?」


エジソンが立ち上がって驚愕してるけど俺も驚愕だ!

ニコラ・テスラだと?

こっちも天才じゃないか!やはり時代の流れが来てるな!乗るぜ!


「はじめまして、ニコラス・テスラです

噂のミネルヴァの天才児にお目見えできて光栄です。そこの落ちぶれ貧乏男爵家の男と仲良くしても先がありませんよ?

私も、ここの研究棟に移りましたのでご挨拶申し上げる」


は?ミネルヴァの天才児?エジソンじゃなくて?どこに?

あ、俺かぁ、違うからヤメテ!


俺「マリーウェザー・コルチーノです。

噂は存じませんが、私は天才などではごさいませんのよ、全然違いますから!

テスラさんとお呼びしても?」


「どうぞニコラスとお呼び下さいマリーウェザー様」


子爵家とかかな?20歳前後の青年って所かな?

こっちは、小金もちって感じで服が小綺麗だ。


2人はカレッジ時代の学友だったようだ、エジソンのライバルいい感じで出てきたね。

ちょっとエキサイトしてはしゃいでるように見える。


テスラの名言に確か

「私のアイデアを盗まれても気にしない。私が気になるのは彼らが自分自身のアイデアを一つも持っていないことだ」

だったかな、うろ覚えだけど。


気がつくと周りに人が集まってきていて、クリス先生がこの場をおさめてくれた。

俺もエジソンの研究室で話せば良かったのに食堂で話してたから悪かった。

エジソンが紙束を抱えて研究室に行ってしまった。


今日は来たのが遅かったから、そろそろ帰る時間だな。


帰りにニコラスが来て

「次は私の研究室にもぜひ寄って下さい、私も貴女の話が聞きたい」


俺「私などでよろしければ喜んで、ではごきげんようニコラスさん」


ニコラスの研究室楽しみだ。



帰宅するとスコットとコーネリアスが出迎えてくれて

「ただいま戻りましたわ、スコットおにーさま、コーネリアスお兄様」


「フン!ちゃんと私にも挨拶するようになったか!このこの!ワハハプニプニだ!」


今まで無視してごめんなさい。ちょっと見直しました。兄貴はスゲーやつだ!

ほっぺをギュウギュウするのは許してやるよ!痛いけどな


お父様が帰宅すると、兄は凄かったとスコットと2人して報告しといた、もっと構ってやれよと。

お父様は笑ってそうかそうかと聞いていた。

今晩もコーネリアスのシェフ(チェスのこと)の相手をするのだろう、多分このオヤジも息子の成長を喜んでいるに違いない。


ダンジョン・コアの温泉から汲んできて、スコットとまた2人で湯浴みした。

夜は冷えるから温かいうちにすぐに布団に入る。


ピッピは飛ぶようになったからカゴに入れられてる。


それからダンジョンメールで2人にニコラス・テスラに会った事を自慢しといた。

ロバートさんはテスラの名言を1つ返してきて、カインは誰それ状態だった。

お里が知れたなと思ったけど

カインから、エジソンはADHDっぽかったようで母親の甲斐あって無事に育ち、大成するまでに苦労したんだと聞いた。


この世界のエジソンも大成するまでに苦労しそうだと思った。


カインからコーヒー豆をダメ元で庭に巻いたらすぐに芽がでてきて焦った話が出た。ダンジョン産の豆だからな。

カイン達はすぐに食べようとしてたらしくて、農園と言う発想が無かったようだ、やはり貧乏は辛いかな。

ハッサムの伝手で広い土地を買いコーヒー豆を植える準備をしてるんだとか。


ロバートさんもコーヒー豆出来たら煎るから欲しいって言ってる。

俺はカイン達が育てた豆をロバートさんに加工してもらって熱々のコーヒーの状態で貰いたい。

他力本願上等!

アイスとかゼリーも欲しいですとメッセージ送っておいた。


ブラジル農園の経営者のごとくカインコーヒー農園長と呼んでからかっておいた。

カヤックは、仕事があるらしく家をしばらくあけてるそうだ。


ちなみにスコットが聞きたそうにしてたから、見えないダンジョンメッセージを朗読してる。

寝る前の物語のようにスコットは楽しそうにニコニコ聞いていた。


何となくだけど、コーネリアスも幼い時のスコットのこのスタイルに安心や癒しを求めていたのだろう。

いつもニコニコ後をついて来てくれて嬉しかったみたいな事を言ってたし。


俺に盗られてさぞかしショックだったに違いない。

もう少し優しくしてあげようと思う。


スコットから寝息が聞こえてきて

『次から次に新しい男が出てくる!』


「ニコラス・テスラさんのこと?偉人じゃん!」


『魔力は凡人だったけどぉ?』


「そうだ、この世界ってファンタジーありきなんだった。魔力ねぇ、魔力ってなんなの?」


『魔力は魔力だよ、水が水みたいな』


全然分からないし。


俺の手で猫みたいにじゃれて遊んでやがるな。

くっそー、俺のフィギュア可愛いじゃねーか!


『多分、あの山のあたりにダンジョンみたいのあるよ』


「ダンジョン?どの山?」


『カレッジってみんなが呼んでる山』


「マジかぁ!知らなかった!

でも前に一回だけカレッジ入ったことあるよ?なんも無かったよ?」


『山の方だからじゃない?建物とは別とか?僕もそこまで分からないし』


「カレッジに通うようになったら、散策がてら探してみようかな」


『僕のために頑張って探してくれるの?お前やっぱり僕が好きなんだな!へへ』


何言ってんだコイツ?


俺はカレッジの裏手にあるダンジョンとコーヒーの事を考えて眠りに落ちた。

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