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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
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大使と仄暗い泉

『おい、可愛い顔で寝てるけど起きろ!おい!』


ほっぺたをモニモニされる。

なんだよ、誰だよ、コーネリアスか?


カヤック「マリーウェザー様起きてください!大使の所につきましたよ!」


俺「カヤック!あれ?部屋で寝てたはずなのに?」


見るとカヤックが俺を覗き込んでいて、マリアンヌに抱えられていた。


『着いたからお前を落とし穴に落してここに出した、お前は兄たちと寝てたけど兄たちにはぐっすり寝てもらったからな』


カイン「寝ぼけてないで起きてくれよ、大使が・・・この痣って呪いだろ?

その黒い影精霊が休憩無しでここまでこさせたんだよ。早く帰りたいからって。僕がいて良かったね声聞く人いて!」


薄暗い部屋のなかで、ランプの灯りを頼りに大使を見ると顔の7割があの枯枝の痣になっていた。

ヨハンの比じゃない、おぞましい呪詛だ。大使はもう意識が無かった。

どうして生きていられるか分からないほどだった。


俺「急ごう・・・カイン手伝ってくれ、多分俺だけじゃ引きあげられない」


カヤック「俺も手伝います!俺の方が力がありますから、引き上げるって何処から?」


俺は、むかしヨハンに起きたあの仄暗い泉の現象を話した。マリアンヌが故意に捨てようとしたことは黙って。


俺「今から大使を穴に落して、泉に沈める、すぐにこの地面に穴を繋げるから・・・ただもしかするとカヤックは引き込まれるかもしれない、俺より前に出ないようにしろ。

筋肉バカだからヨハンより沈むのがはやそうだ・・・」


カイン「1度ダンジョンへ行かない?あんた聖女の姿アバターなら今よりまだ力があるでしょ?」


賢いな!そーだわ!


一度ダンジョンに出る。

すぐにアバターが装着されて、大使の痣がザワザワしだした。


俺「落とすぞ!えい」


バッチャーンと凄い水しぶきになり、急いで手を伸ばして大使の服を掴む。

めちゃくちゃ重たい!幼女だったら一緒に落ちてた確実に!


俺「ぐぅー、重い! 全然持ち上がらない!やいカイン!もっと力入れろい!うわっ!」


カヤックが後ろから俺の腹に手を回して抱えるようにして、俺ごと大使を引き上げようとする。


『僕もお前を引っ張るぞ!』


カイン「な、なんだこの泉!このゾンビダンジョンがお遊びに見えるほどだ・・・ヒィィ!大使の顔の痣がコレは人の顔か!うぅキモ」


俺は光の矢をたくさん展開して出して泉に攻撃を仕掛ける。後で治すからすまん大使ごと攻撃だ!

遠慮なく大使ごと狙ったんだけど、光の矢は大使に当たることなくあの蠢く枯枝に当たりまくった!


暗い泉の底から枯枝が絡まり合い大使に絡んでいた枯枝に絡まり出した。ただ光の矢に当たったところは水の中でもチリチリになって消えていく。


俺「ぐぅ、重いよー全然持ち上がらない!お前ら力入れろ! キャァ!」


大使がカッと目を開いて俺の腕をガシィっと掴んだ。

なんて力だ振りほどけない、ヒィ、怖い!


カヤックに支えられていなければ腰を抜かして泉に落ちていただろう。


大使は自分の力で這い上がってきた。

とにかく怖い! 大使が這い出てきて穴を閉じた。

不思議とあの泉の水は乾くの早いんだよな。もとから濡れてなかったように


大使はそのまま俺に覆いかぶさった。

俺はカヤックをクッションにして倒れて、俺のガーターベルトの股の間に大使が這い上がってきている状態だ。

女性下着セクシーアーマーの薄布の防御力がこんなにも頼りにならないなんて!


女子になってから、この恐怖感は初めてだヤラれる怖さみたいな?

腰が引けるのに挟まれて動けない。


俺「ぐえぇ重い」

カヤック「ぐっ大使どいて下さい」

大使「ああああ!」


ぎゃあああ!


再び、俺は仰向けの状態で大使に締め上げられた。ただ、今回はカヤックごと。


カヤック「くっ力強い!大使!大使!落ち着いて下さい聖女様は本物です、逃げませんよ大使!」


俺「ぐえぇ、ぐむンン」

再び口もとを齧り付かれた。痛いよ、助けて!マリアンヌ!


止まれムラマサ!


『くっ、何で止まるんだムラマサ!』


今回も強く念じたら、すんでの所でピタリと止まった。

馬鹿野郎!俺のムラマサを薄汚い落ち武者にさせてたまるか!いつまでも人斬りしてないおぼこい童貞刀でいいんだよ!


カヤックが俺の後ろから這い出してきて、大使の頭を持ち上げて、チュッパっと口をはなした。

俺は泣きべそかいてカヤックを見上げた。


俺「ハァ、ハァ、カヤック助かった、スマンどけてくれこの人、重いよ!」


大使「ぐぅぅ、この感触、この香り、この温もり、この味。また私を助けに来てくださったのですね、聖女様は本物の聖女様です、お会いしたかった、グズッ一目でも見たかった、グズッ恋い焦がれ愛しの聖女様グズッ

我が生涯に一片の悔い無し」


おっさんの泣き顔アップキッツー!何言ってんだコイツ

ぐぇ、また締め上げられる胸が潰される


カヤック「あー、偽物が出てきたんですよ。

多分、第一王子派のどこかの娘かな?俺らの国って金髪碧眼でも珍しいんで、頭に白い布被せて聖女様みたいにしてて。

それで、大使が面会に行ったら別人だったようで、散々追いかけ回して、第2王子にチクリに行った先で襲われたみたいッス!」


俺「ついに俺の偽物が出たのか。

最高じゃないか!何で追いかけ回してんだよ、そのまま役目と責任を押し付けたのに。

どうせならとっ捕まえて引きずり出しなさい遠慮なくうやうやしく役目を押し付けてやる。

あっ!やっぱりいい、何もすんな、本当に引きずり出して来られてもめっちゃ困るし!

別に偽物気にしない、何もすんなよ、俺のせいにするなよ!

とりあえず大使退いてよ、お尻が痛いんだよお前重いよ」


大使「失礼しました。ご無礼をお許しください」


そう言って大使は俺を羽のように軽々持ち上げてお姫さま抱っこする。ヤメて!


俺「もう帰る!離せよ降ろせよ」


ジタバタするとグイッっと一度抱き寄せられてからゆっくりと降ろされる。

いちいち俺の匂いを嗅ぎたがるんだよな、やめろー!

そのまま大使は跪くと俺の手を取り指先に頬ずりしながら喋る。


大使「もう、帰ってしまわれるのですか?

私を助けに来て下さってありがとうございます。あなた様がお困りの時はすぐに駆けつけます。私は貴女の唯一無二の騎士です。生涯貴女だけに仕えます。私のこの情熱と愛を貴女に捧げます」


お前が跪いたのは、立っていられないのは、その情熱とやで下半身が元気になったからだろ!

このぉ化物め!


俺「おりゃ!」


ピッと手を引いて大使を落とし穴に落して、元いた場所にポイした。


カヤック「大使!え!」


俺「大丈夫だ!元の場所に返してきただけだ!

ふぅー、死ぬほど怖かった。

もう!犯されるかと思ったぞ、俺はまだ10年くらいは、そーゆーのいいよ!自分がそうとか考えたくない、ヤダァ!ハァー」


カヤック「マリーウェザー様・・・」


俺「んじゃ、せっかくだから、周回ボス倒して帰るか?レベル上げしたいしな。聞いてくれよ歌のスキルの効果が上がったんだよ!」


カイン、カヤック「「大使が憐れだ」でも行く!」


カヤック「カイン行くのか?」


俺「カヤック帰るの?さっきの場所で良かったら送るよ?

あー、カヤックの家に行くのも悪くないなぁ、家の近くまででもいいけど、さっきの場所は家まで遠いの?」


カヤック「本気で家に来てくれるつもりだったんスか?すごく嬉しいですけど、家から遠いです。でも観光するならあの場所は良い所が近いです、今は夜なんで昼間にでも案内しますよ」


俺「昼間に時間作れるようになるのは多分春になってからだな。学校行くとみんな親の目が無くなって遊ぶらしいから!

ちょっと、その前に。

なぁ機嫌直せよ、助けに来てくれてありがとうな。約束忘れてないよ、俺お前が必死に引っ張ってくれて嬉しかったよ?」


『もう、知らない!お前なんか知らない!

・・・あ、しかもまた他の妖精と遊んだだろ?この浮気野郎!僕は頑張ったのに何だよもう!』


えっ?何でバレたの?精霊の感なの?なんでわかったんだろう、えー?


俺「前にコップもらったやつだよ、挨拶しにきただけだって特に何もしてないよ・・・

なあ、昼間はお前がいなくて寂しかったんだよ。お前がいなくなって初めてわかったんだ。

俺、お前がいなかったら駄目なんだよ」


ことさら優しい声で切ない顔を作って言うとマリアンヌが俺の胸に飛び込んできた。

ぶつかる衝撃が少なくて、ヒョロい中学生男子の固くも柔らかくもない体躯で人間の体温とかじゃないマリアンヌに俺は心底ホッとした。


大使のゴツい筋肉が怖くてトラウマだよ


『もう、バカバカ!僕も寂しかったの!僕はいつも寂しいの!もっと僕のこと構ってよ!』


俺「ヨシヨシいつも寂しい想いさせてごめんな?可愛い顔が台無しだ、泣くなよ」


顎クイッしてプチュっとな。はい終了!

あれ、だんだん可愛く見えてくる不思議ぃ、コイツこんなんだったかな?


俺「さあ、急ごう!夜が明ける!」


カヤック「・・・俺等は何を見せられてんスか?」


カイン「リア充爆発しろ!」


俺「墓場またグルっとするからカイン拾ってよ!

マリアンヌさん俺を抱えて飛んでくれる?」


『仕方ないなぁ、僕に甘えてくるお前可愛いからその・・・す、す、好きだよ//』


俺「やったぁ俺も大好き! よしやれ、ターンアンデッド!

あ、召喚サモン トモエ カヤック守ってあげなさい」


墓荒らしを終わらせて礼拝堂に行き


俺「どうする?一緒に降りると経験値入るけど、絶対に安全とは言い切れないからここで待つ?」


カイン「僕は隠密スキル上げたいから降りるよカヤックにーちゃんは?一応来る?」


周回ボスをまた一人で倒した。レアボスじゃなくて普通のボスだった。

宝箱からミスリルの弓が出てきた。矢は無いけどカインが欲しがったからあげた。


礼拝堂で何と無くクリスマスソングをノリノリで歌った。王都は寒くなってきたからな。

宝箱からは、ミスリルの短剣が出てきた。聖属性の効果で一突きしたらゾンビが光の粒になった。


俺「これ、カヤック持ってなさい」


カヤック「え、いーんスか?俺何もしてないですよ?」


俺「遠慮すんな、俺が持ってても多分使わないし。レベル上げに付き合わせて悪いな!楽しかった!じゃあ、もう帰るから。またなカヤック」


俺は拳を突き出した、カヤックは意図に気付き同じように拳を突き出し、お互いの拳をコツンとした。


カヤック「はい、ありがとうございました!」

カイン「ねえ、僕は?」


俺の拳は改めて見ると小さく華奢だった。

実に細腕だ!よく日本刀が持てたな!まあボス戦のみだけど。

そしてカヤック達をさっきの大使を捨てた場所に送った、大使はもういなかった。ホッ



俺もこっそり帰ったんだけど、どうやら途中で目覚めたコーネリアスが俺の不在に気づいたようだ。


コーネリアスは小声で

「どこに行っていたのだ、いなくなったらビックリするではないか」


俺「このお人形を取ってきましたの。一人で寝かすと寂しがりますから・・・テヘペロ」


コーネリアス

「そうか・・・しっかりしてみえても、まだ幼いのだな。体が冷えてる、早く来い、仕方ないから温めてやる!」


コーネリアスも筋肉質だけど、大使と違って優しくて暖かかった。俺はトロンと微睡まどろみコーネリアスがトントンすると眠りに落ちた



朝起きたら、俺とスコットの着替えが用意されていて、俺とスコットも御髪を整えてもらって、お湯で濡らしたタオルで顔をふいて朝からシャキッとさせられた。


コーネリアスは兄のような顔で

「ぐっすり眠れたか?お前達が望むならまた寝てやらんこともないぞ!私は心が広いからな」


スコット「兄上ありがとうございます、大変よく眠れました」


俺「コーネリアスお兄様は暖かかったです、よく眠れました」


コーネリアス「ワハハそうであろ、そうであろ」


スコットがこそっと

「でも緊張して中々寝付けなかったんだよ、僕はたまにでいいかな」


俺「わたくしも夜たまにダンジョンに行くので、バレると面倒ですよね?

スコットおにーさま、夜中たまに勉強に誘いますから、コーネリアスお兄様の誘いは断れますわホホホ」


スコット

「そうだね、ピッピは部屋に置いてきたんだよ。さすがに兄上の部屋には連れてこれなくて」


俺「本当は鳥にチョコは良くないのですが、ロバートさんからいただいたチョコは普通じゃないので、普通じゃない怪鳥ピッピには食べさせてもいいと思いますわ」


俺はチョコケーキを一切れ渡した。

大きくなったら、一緒にまたダンジョンへ連れて行ってレベル上げに付き合わせようかな

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