孤児院
ヨシュア狸じゃないじゃん!
何なの、お母さん似なの?
モフモフじゃねーし!ってか人間じゃん!
はい、でも嫌な顔しません!
俺は大人ですから、歓迎しましたよ
海側の話聞けたしな、商人の息子の話は面白かったよ
刺繍って疲れし指に針刺して痛かった
しかも失敗してブッサイクなデブ猫の絵
子どもは、何でも貰えれば嬉しいってヤン先生も言ってたけどなぁ
ヨシュアのヤツ、めっちゃ喜んで受け取ってたな・・・
失敗作を渡した罪悪感がほんのちょこっと残る
「マリーウェザー
上手に挨拶できていたよ、どうして落ち込んでるんだい?
見てる限りじゃわからなかったけど、あのヨシュアって子が何か気に入らなかった?
僕が懲らしめてあげよう」
「いえ、そんな
何でもありませんわ ちょっと疲れただけです」
「マリーウェザーは最初から最後までとても可愛くていい子だったよ」
「・・・・
おにいさまは、今日はお勉強だったはず
どこから見てらしたの?」
「マリーウェザーが心配だったからね
そこのクローゼットの中から見ていたのさ
本番のお披露目もこの調子で大丈夫だからね」
ひぇぇ
アカンやろお兄ちゃん、笑顔が引きつるわ
夕食後に
「スコットから聞いたわ
マリーウェザー 上手にご挨拶出来たのね
特に問題もなくて安心したわ」
「母上、マリーウェザーはしっかり出来ていました、お披露目も大丈夫です」
「マリーウェザー 大変よろしくてよ
明日は、孤児院へ行きましょう
そこでもしっかりご挨拶出来るかしら?」
秋から冬の間に孤児院へ炊き出しに行くらしい
冬は薪とか厚手の衣類にも金がかかるから食糧難だとさ、金銭の寄付もするが
日持ちする菓子やら乾燥させた肉や野菜とかも持って行くらしい
ヨシュアの商会に頼んでたものが今日届いたからな
孤児院か
小汚い臭い建物にボロボロの服やクツで髪の毛ボサボサの手垢まみれの子どもたちが一つのベッドに、ぎゅうぎゅうに寝てるイメージなんだけどな
あんまり上等な服だと汚れるから、汚れてもいい服を着たいんだけど、汚れてもいい服なんてなかった
午前中はメアリー先生のマナーレッスンをして
昼から孤児院へ行く
スコットは午後もお勉強だ
「ごきげんよう 皆さま
コルチーノ伯爵のマリーウェザーともうします」
ペコっとカテーシーをしてお母様をみれば
ちゃんと挨拶できたわと満足げに微笑まれた
「わー 可愛い子」
「髪の毛が絹糸みたい」
「ねーねー先生、あの子と遊びたい、いい?」
こどもたちが騒がしく集まってきた
「こらこら、みんな騒がしくしない!
びっくりするだろう?
マリーウェザー様はもうすぐ4つになられるそうだよ
みんなお兄さんお姉さんなんだから優しくするんだよ?
他の小さいの子の面倒もみるんだよ」
「マリーウェザー
お母様はまだ先生とお話があるから
あなたは遊んでらっしゃい」
「ねーねーこっちこっち」
「髪の毛キラキラきれーい」
「いい匂いがする」
「おめめがくりっとしてて可愛いって褒めると女は喜ぶんだろ?お前くりっとしてるな!」
「あ、お前服にさわるなよ汚れるから」
「俺の手はそんなに汚くない!」
そうなんだよ
孤児院汚くなかった
きちんと掃除されてて埃っぽくないし
炊き出しとか庭でやるイメージだったけど
調理場の寸胴鍋でスープを作ってるから、いい香りが漂う
俺はと言うと、何も言わずニコニコしてるだけ
周りが勝手にはしゃいでる
まあ、多少のお触りなら許そう髪の毛引っ張ったり抱っこくらいまでな
幼稚園や小学校にきぐるみマスコットがやってきた!くらいの人気者になった気分だ
取巻き引き連れて孤児院の中を案内されていた
二段ベッドがたくさん並んだ部屋に入ると、奥で寝てる子がいた
風邪とかで寝てんのかな?と思ってたら
「アンナちゃんに近づいたらダメだよ
昨日怪我したんだって、痛たそう」
「夜中アンナちゃんがうるさくて寝れなかった」
「先生が包帯巻いてくれたんだけどアンナちゃん自分で取っちゃうんだよ、ほっとこう」
まじか
子どもって遠慮がなくて残酷
所々包帯がズレてて、全身打撲にキズだらけ血みドロで右肩を痛そうに抑えていた
これは俺の手におえない、お母様に相談だ
俺はその場を後にした
俺たちが最初の部屋に戻ると
話は終わっていて、お母様が声をかけてきた
「マリーウェザー孤児院でもお利口さんにできていたかしら?」
「お母様お願いがあります あの子を助けて下さい」
「あの子?」
俺は見たことを話した
感染症になってかも、医者と薬が必要だと伝えると
お母様は 困った顔になって、一応件の女の子を見るてくれる事になった
「まあまあ
これは確かに大変な怪我ね・・・
見にきてしまったけれど、この子をお医者に連れて行くわけにはいかないわ
ごめんなさいねマリーウェザー」
「どうしてですか?」
「この子を助けたら
孤児院に病気や怪我人が集まってきて私たちに治せと詰め寄るわ
そうしたら孤児院の皆も困るの
わかるかしら?」
「・・・わかりたくないけど わかりました
せめて薬だけでも渡せませんか?」
俺自身は何もできない子どもだ、わかってますよそんなこと
チートも無ければ回復魔法なんてのも何もない
ただ、何もしないで見過ごすと寝覚めが悪そうだ、モヤッとする 割り切れない 偽善でもいいじゃないか
お母様は困った顔をしながら
小さな子どもをうまく言いくるめられるか考えているんだろう
「お母様
わたくしが 責任をもって この子を世話します」
「マリーウェザー何を言ってるの?
そんなこと、出来ないに決まってるでしょ?
あなたが世話をしたってこの怪我では、すぐに死んでしまうわ
それに、生きていたとしても右腕が使い物にならないじゃない」
お母様が俺の頭を撫でてから、小さい子に言い聞かせるように
「マリーウェザー
あなたが優しい子でお母様はうれしいわ
だけどあなたに出来る事は何もないのよ
諦めなさいね」
「お母様
お誕生日のプレゼントは何もいりません
これも社会勉強や教育だと思ってわがままを聞いて下さい
この子が死んでしまっても、お母様や自分を責めたりいたしません
腕が使い物にならなくても捨てたりしません」
お母様が目を丸くして
「マリーウェザー
どこでそんな言葉を覚えて来るの?難しい言葉がわかるのね
ジョーンズ先生かしら」
頼ろうと思っていたヤン先生の事を言い当てられて内心とても焦った、あっぷあっぷだ
結局お母様が折れて渋々連れて帰る事になった。
「お貴族様なんて大っ嫌いよ!
私をこんな痛い目に合わせたのも、貴族様の馬車よ!
私を連れて行って、もっと酷い目に合わせるんでしょ! あなた達の施しは受けないわ!」
(※王都にある孤児院なので、国の税金と貴族の施しで運営中)
か細い声だけど
テンプレを言いながら、伯爵家の馬車に運ばれていく
「こんな子を、本当に連れて帰るの?」とか思っていそうなお母様をスルーした
あれ、思ったより全然元気じゃん
もっと死にかけてると思ったけど
腕がだらんとしてて、触ると痛そうにしてる、これって脱臼じゃないか?
たしかに全身打撲と擦り傷だらけで、最初は複雑骨折でもしてそうな見た目だったけど
脱臼だったら、ハメればいいんじゃね?
孤児の引取手繋ぎなど諸々をお母様に丸投げして、伯爵邸に医者を呼んでもらい手当てをすることなった。
主人公は、発展途上国災害地域の孤児院を妄想してました。
30人くらい在席してますが年長の子は日中働きに出てます。
2年に1度くらいは王族が視に来るので、普段からそこそこ綺麗です。




