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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
56/385

ダンジョンハイ

神殿にとばされた俺たち

あたりを見渡すと廃墟とまではいかないけど、古美術的な厳かな雰囲気のある神殿だ。

どこかのどでかい洞窟の中に建設された神殿は、薄っすら光っていて、いかにもダンジョンっぽかった。


スコットが辺りを見渡して、ピッピは肩から離れない。

「ここは?

はっ、マリー!足元が!」


「は?」

見ると俺の足元だけ魔法陣が出現して、次の瞬間視界が変わった。

手に持っていたマリアンヌだけ一緒についてきた。




じゃじゃーん

「ようこそおいでくださいました!

わたくしはダンジョン・コアでございます

大変誠に勝手ながら、当ダンジョンはR13でございます。

挑戦者あなた様は年齢制限に引っかかってしまいました。

本当なら洞窟入口の迷路で弾かせていただくところ、転移でいきなり神殿ゾーンに来られてしまいましたから。

これでもR15から下げてきましたが、まさか肉体年齢4歳が来るとは・・・最年少記録でございます」


デジャブだったけど

どこかの高給クラブのような部屋にいて

今度のダンジョン・コアはスーツを来たカタギのような男の人だった。

年齢制限つきダンジョンだと?

あの洞窟の中は、いかにも雰囲気からしてダンジョンだった。


「えっ、せっかく王道のダンジョンに来れたと思ったのに・・・

あ、レベル高くて今の俺じゃあ瞬殺のヤバいダンジョンってここの事か?

はっ、そうだスコット達は?」


『また、変なのが現れた!もういいよ!』とマリアンヌが言うとマリアンヌの上に魔法陣が現れてシュッと吸い込まれた。


「そこのお連れ様は、元のフィールドに戻しておきました。

攻略を続けられますか?

ただいまキャンペーン中につき、特別措置といたしまして

挑戦者様が参加出来るように、アバターをご用意いたしました

盗人シーフ 僧侶シスター どちらになさいますか?」



「その二択だけか?」

ここもキャンペーン中なの?

ってかねぇ、剣士いないの?この際だから金髪エルフでもいいのに?

でも、自分でクッコロは言いたくないな。


「元々あったデータじゃないんですよ、急遽、今作りたてです。

10年後に出直しますか?

お連れ様は、ダンジョン内だと思いますが?

当ダンジョン攻略記念の限定アバターです。ダンジョンから出たらアバターは消えますのでご注意を」


限定アバターかぁ


「んー、神殿っぽい所だったしなぁ。じゃあ僧侶!」


ダンジョンボードが開いて、僧侶シスターが表示される。

そこにはモノホンの修道女が表示された。

黒のワンピースに黒い頭巾?みたいなの。


「クソダセェ

おっと、思わず声に出ちゃったくらいダサかったわ。

なんなの?ダンジョンめっちゃ格好良くて最高だったのに、アバターが残念すぎる!

今からダンジョン行くんでしょ?なのにこれ?

イヤイヤ俺は教会でお勤めしないよ?なのにこの装備?ないわー」


「しっかり全部声に出てますよ!」

ダンジョン・コアがぷるぷる震えながら言う


「あ、すみません声にでてました?

えーっと、そのへんにいそうな・・・じゃなくて、王道・正当なシスター装備ですねぇ。わあ格好いいなぁ」


「じゃあ、自分で作ってみます?難しいんですよ、あなたに出来ますかね?フン!」

ダンジョン・コアの挑発か?


ふん、俺の画力を舐めるなよ!


「5分だ!」

俺はダンジョンコアのボードを覗き込むと、光の矢を出してタッチペンの形にした。俺がよく前世で使ってるやつだ。


そして、シスター装備を修正していく。

前体に、黒はなぁ、俺は黒髪黒目だろ?重たいんだよな。


衣装は、全部白!

シルバーで衣装の縁取りして、それっぽい十字架のマークを胸元に入れとく。

スカートのスリットは後ろかよ、違う違う!


後ろのスリットは閉じて、両サイドに足の付け根からぱっくりいっとく。

立ってるだけだと、スリットに気が付かない仕様だ!

この方が動きやすい、ドレスとかロングスカート足が全然広がらないもんな!


網タイツだと行き過ぎるから、白いガーターベルトと白いタイツ。ストッキングだとすーぐ破れるからな!こっちも、太ももの所に同じ縁取りをする。

この走ったらズリ落ちそうな、頭の布どーしようかなぁ

あ、時間がなくなる。とりあえずこのままで。


靴はなぁ、ブーツのが冒険しやすいんだけど白銀パールシルバーラメのハイヒールで!ピンヒールじゃなくて、ヒールぶぶんしっかりめのやつ。

思わず踏んで下さいといわんばかりだ!


そして、豊穣の杖風な、ただの鈍器だが

どうせだから、パーツが外れて三節棍になるように細工しておく。


「5分だ!」

どうだ?

衣装が白っぽいから、もうシスターじゃなくてなんか、聖女っぽくなったけど

方向性は同じだろ?


と振り向いてドヤ顔すると、ダンジョン・コアがまじまじと俺の作品を見ていた。

「色々と凄いですね、5分でよくやりますね・・・

あの、アルバイトしませんか?

わたしたち、気が合うみたいなので一緒に働きましょうか?」


「嫌です、間に合ってます」

これ以上、仕事を増やすな!


「失礼しました、では13歳まで挑戦者様の肉体を引き上げたアバターを作成します、そ「ちょっと待て!15歳だ!元はR15なんだろ?15歳に引き上げなさい!俺が使い終わったら、その衣装アバターあげるから、好きに転用していいから。俺を15歳にしてください!」


「・・・かしこまりました」

ダンジョン・コアと取引成立した。


「アバターを着せてそのままフィールドに転送いたします。

ちなみに怪我をしたら血が出ますし、痛いのであしからず。

通常のダンジョンボードが展開しませんので、アバター専用のをお貸しいたします。

ダンジョンを出たら元に戻りますのでご注意を

あくまで、この当ダンジョン限定措置ですのでダンジョン内でしか使えませんよ?くれぐれも」


「作っといてなんだが、こんな恥ずかしい装備で外を出歩けるか。ダンジョン内限定でいいんだよ。わかってるよ。

じゃぁ、頼む!」


ヨッシャー!行くぜ!


俺の足元と頭上両方に魔法陣が展開されて、体がふわりと浮いたと思ったら、物凄いエネルギーの渦が出来て思わず目を閉じて息をしわすれていた。


「では、攻略目指して頑張って下さい」


遠くでそう聞こえた気がした。あ、ここも融合されちゃうダンジョンなの?

でも、挑戦資格にまだ至ってないしなぁ


プファと息をはいて目を開くと、あの洞窟の神殿の前にいた。

スコット達の姿はない。


視点が高い、15歳になってる!

顔を触るとペチっと音がして、じんわり痛い。

若い女の子のほっぺただ!

いやぁ、自分のじゃ無ければなぁ


召喚サモン トモエ おお〜、ちゃんと召喚されるじゃん!」


『お呼びに従い参上いたしました。ご主人さま』


「見て見て、格好いい装備でしょ?」

とくるんと回ると、スリットが盛大にはだけて、太ももが丸見えになった。

トモエちゃんが拍手をしてくれる。


「めっちゃスースーするんだけど!

ひやぁ〜、恥ずかしくなってきた。女の子達よくこんなコスプレできるな!

うぅ、幼女になってからいつも厚手のちょうちんパンツだったから、女性下着セクシーアーマーの防御力が辛いぜ。

トモエちゃん、バリアはって、とりあえず」


『はっ、ミラーフォース』

トモエちゃんがバリアをはり、神殿内部を歩いて進んでいく。

神殿前のスペースは、多分セーフティゾーンかな?敵は見当たらなかった。


「トモエちゃん、開拓区にいたんでしょ?

ムラマサはモンスターと戦ってなかった?最近呼び出ししてなかったでしょ?」


『ムラマサは、ただいま、この神殿内でバトル中でございます。ついさきほどこのフィールドに呼ばれて、マリアンヌ殿に装備されております。』


「え?」

サァーと血の気が引く。俺は走り出した。


俺はとても後悔している。

靴をハイヒールにするんじゃなかった!走りにくいのなんの!

急に成長したから、つんのめりながら走る。この装備で転けたら膝がズルムケじゃないか?


そして、15歳の胸は重かった。

走るたびにポヨンポヨン揺れるんだよ!押さえて走らないと痛いし苦しいじゃないか!

あっ!全身どこも柔らかい!幼児の柔らかさとはまた別だ!

女の子って超絶大変だけど、最高だね!ヒャッハー!


『こちらでございます』

とトモエちゃんが巨大な神殿内を山伏の衣装の烏天狗で飛んで行く。

翼も装備しとけば良かった!まあ5分じゃしかたないか。


角を曲がったところに、ゾンビに囲まれたスコット達がいた。

ピッピが大きくなって、カギ爪で引っ掻いたりしていて

マリアンヌがムラマサを振っていた。まだ余裕ありそうかな?


俺は借りてるダンジョンボードを表示する


仮挑戦者

マリーウェザー・コルチーノ (15)

HP:563

MP:10080

SP:3054

PP:1782

攻撃力:549

防御力:975

職業:聖女見習い

装備:真実の瞳 ダンジョン・コアの仮衣装

スキル:ターンアンデッド 初級ヒール 中級ヒール 上級ヒール 解毒キュア軽目


【大天使の息吹】

ダンジョン・コアのおまけで一度だけ使用可能。

死にたてでも全回復。欠損部位超再生



HPヒットポイントと攻撃力がクソザコじゃねーか!

いや、まだ分からんな!

他と比べられないから良いのか悪いのかわからないけど。

MP高めの、SPはスキルポイントか?PPは技の威力とかか?


「うわあ」

とスコットの悲鳴が聞こえてきた。

見ると、横の壁が崩れてゾンビの大群トラップが発動したようだ。

とりあえず


「ターンアンデット!」

と叫んでみて効果範囲を確認する。微妙に届かないんだな。

範囲が半径20メートルほどか?狭いな。

ダンジョンボードを見るとSPとMPが少しだけ減った。


「トモエちゃん、近づくよ?行くよ!」


ターンアンデットをしながら近づいていく。

効果の範囲に入ったゾンビ達が、光の粒になって消えていった。


「き、君はいったい?」

俺に気がついたスコットが目を見開いて、驚いた顔をして声をかけてきた。


「ここは、壁の穴からドンドン出てきます!

逃げますよ!

あ、後ろからも来てる!先に進んで下さい!早く!」


『お前、何やってたんだよ、その姿なんだよ!

遅かったじゃないか!お前の兄が危なかったんだぞ』

マリアンヌが文句言ってる


「そういうの後で!天上を崩して穴をふさぐぞ!ムラマサやれるか?」


『はっ、心得てございます』

マリアンヌがとびあがり、天上を崩した。巻き込まれないよう、とりあえず逃げよう!


ここのゾンビって走って追いかけて来ないよね?


走って壁を曲がった所で、ピッピに守られながらゾンビと交戦してたスコットの所に近づいて

「ターンアンデット!」

これ、言わなくても発動するっぽいんだけど、

言いたい!

もう、メチャクチャ言いたいから言う!

俺カッコイイ?


「おにーさま!大丈夫ですか?」


「本物の聖女様でしょうか?

助かりました、ありがとうございます。

んん? おにーさま?って僕ですか?」

まあそうなるよね。

あ、楽しいこれ!スコットよりちょっとだけ背が高い!

あっ・・・そうだったハイヒールの靴を履いてたんだった。ズルくてすまんな


マリアンヌの人形よりしろが胸元に落ちてきて、いつもみたいに抱えて歩くけど、腕が長くなって持ちやすくなった。


「おにーさま、わたくしですわ

マリーウェザーです!あなたの妹です

可愛い妹のマリーちゃんですわ、お兄様」


「・・・え?マリーなの?でも僕よりお姉さんに見えるよ、本当にマリー?

聖女様じゃなくて?え?」


「ここは安全じゃないので、進みながら話しましょう。怪我とかしてませんかお兄様?」

と手招きして歩きだす。

お兄ちゃんショック受けてる顔だな、顔も真っ赤だ!まあわかるよ。


「いったい?何があったの?」


「ここの空間は、ダンジョンです。

屋敷の門の所にいた妖精みたいなのに、ここに転移させられました。

でも13歳以下はこの場所に参加出来なくて、ダンジョン・コアに成長させてもらいました。

ダンジョンから出ると元に戻っちゃいます。

今は15歳くらいです。

えへへ、大きくなりました!わたくしカッコイイでしょ?」


くるんとするとスリットで太ももむき出しになるから、もうしないけど


「本当の本当にマリーなの?

雰囲気は、似てるけど・・・

目のやり場に困るんだけど?なんでそんな服を着させられてるの?」


歩いてるとチラチラ見えるんだよな、スリットからガーター装備のいやらしい太ももが。

調子に乗ったとしか言いようがないけど、俺は自分の意思で着てるんだ。後悔してるさ!


スコットはチラッと俺を見て顔が赤くなり、手で顔を押さえて溜め息をはいて、困ったような照れたような嬉しそうな複雑な表情をしている。来る前と言い、初めてみる顔だな。


「ダンジョン攻略とか恐ろしいことはせずに、出口を探しましょう」


と提案すると、いつの間にか近くにいたあのローズマリーだっけ?花魁の眷属幼女が

「花魁を助けて下さい!

神殿の地下に捕まっております、どうかお願いします」

と俺の服を掴んで引っ張る。

ヤメてよ!スリットが丸見えじゃないか!


「わかったから、ちょっと離しなさい!

場所は?地下って事は階段かな?

手分けとかしなくていいから、みんなで一緒に行動しますよ?」

とスコットを振り返った、いつもの癖で上の方を見上げてしまって目線が同じだったことを思い出した。


「振り返る仕草が僕の知ってるマリーだ。本当に成長したんだね

その、すごく可愛いくなったね

マリーは、母上に似て美人に成長するんだ。

大きくなったら、僕なんか相手にされなくなっちゃうね・・・今のうちにたくさん仲良くしておこうかな」


「わたくしは、お母様に似てますか?

自分では、おばあちゃま系統だと思ってました。

ふふ、嬉しいです」


スコットが、少しだけ切なそうな顔をして俺を見ていた。

忘れてたけど、スコットだけ誰とも血が繋がってなかったんだった。失言だったな。


「大きくなっても、ずっと仲良しですわ、おにーさま大好きですよ」


「う、うん

ありがとう。その、とっても嬉しいよマリー」

と顔を紅くして喜んで見える。

チョロ兄で良かった。


『なあ、これ以上変なのが出てくるまえに契りをしておくか?お前、大きくなったし出来そうだろ?』


コノヤロウ!出来そうじゃあねーよ!


「この体はしょせん作り物だよ。ダンジョン・コアに借りてるアバターだから。

でも、怪我するし痛いらしいよ触った感じは本物っぽいけどね?」


『そうなの?ちょっと僕に触らせてよ!』

どれどれ?と実体化して乳を揉みやがる!

アバターだけどさ!いやアバターなんだけどね?


「セクハラすんな!」

と鼻を摘んでやだた『痛っ!』とか恨めしそうに見てるけど、普段お前が俺にしてるだろ?

だから、乳揉むのヤメロよ、このこの!


ローズマリーの先導で奥へ進んで行く。

1番先頭だが、敵に襲われて死んだら仕方ないな!悪く思うなよ帰るからな。


俺のパーティはこうだ!

先頭はマリアンヌに実体化してもらいムラマサを装備させて行かせる

間にスコットと俺がいて殿しんがりはトモエちゃん。

スコットの装備のように肩にのってるピッピは、スコットしか守らなさそうだ。


時々でる人ゾンビや犬ゾンビは、発見次第ムラマサで一刀両断される。

死体は、ほどなくすると緑色になって消えていく。

俺のターンアンデットは黄色っぽい光の粒になって消える。違いは何だろう?


敵がどのくらいいるかわからないし、回復アイテムがない。

あ、俺が回復要員だったな!

いつも剣士とかだったからな。怪我しても回復を忘れそうだ


そして、持ってきた豊穣の杖風の三節棍が邪魔!マリアンヌの人形抱えてると両手がふさがるじゃねーか!


「おにーさま、これを使って下さい。丸腰だと不安ですよね?

鈍器の代わりに使って下さい

ここをひねると三節棍になりますが、使い方がわからなければ、棒のまま敵を撲殺するのに使って下さい。」


「マリーから撲殺って言葉が出てきた。

その聖女っぽい姿が台無しだけど、なんだかマリーっぽいね

このやり取り前にもあったような?」


「ホホホ、ここはダンジョンですわ、おにーさま!なりふり構っていては、すぐにやられてしまいます!」


地下に行きたいのに登りの階段しか見つからない、1回登って別の部屋から降りるやつか?


ダンジョンあるあるだな!へっ!行ってやんよ!


この、いかにも雰囲気のある階段は敵が来そうだから

「お兄様、ターンアンデットを掛けながら走って登りましょう。もしかしたら敵が降ってくるかもしれませんので!」


と言うと、階段をエスコートしてくれるようだ

正直ありがたい。

この靴で階段とか転けるからな、手を握ってくれるらしい。

「ターンアンデット!」

トタトタと階段を駆け上がると、壁を突き破って大きな影が出てきた!何かモンスターみたいなゾンビ!

ラミアかな?蛇の化け物だ!後には這いつくばって人ゾンビがいる

中ボスかな?


ゴォーペッ ゴォーペッ

毒みたいな唾を吐いてくる!ひぃ

『ミラーフォース』

トモエの技で跳ね返り、ラミアの蛇の部分と後ろのゾンビ頭に当たり頭が溶けた。


マリアンヌがムラマサで斬りかかる、死体の緑色がそこら中に散らばる。


俺のターンアンデットにあたったゾンビ達が光の粒になって消えていく。

ターンアンデット展開したまま、マリアンヌ達を放置して、俺とスコットはローズマリーの後ろを付いて走り出す。


階段を上がりきった所でつんのめって、転けそうになりスコットが支えてくれる。

別にちょっと乳に触れたくらいで、怒ったりせんよ、むしろしっかり支えてくれよ!

俺は転けたくねーんだよ!


スコットが顔を赤くして、視線をそらして見ないようにしながら支えてくれる。

本当、ブーツにしとけば良かった!


走った廊下の突き当り奥に扉が見える

『あそこから外に出られます。地下へは墓地を抜けた先の小さな礼拝堂からおります』

とローズマリーが言う。墓地かぁ、いかにも出そう!あ、剣が無かった!斬り殺せないじゃん


真っ直ぐ前を見て走っていたら、横のとびらからバンと開いてゾンビが飛び出してきた。


ひぃー!

よくある展開なのに、前しか見てなかった。


「マリー!」

俺が襲われそうになり、咄嗟にスコットが俺を引き寄せて庇いゾンビに噛まれた!

と思ったら噛まれたのは怪鳥ピッピだった。


「た、ターンアンデット!」

ゾンビが消えてなくなり、スコットがピッピを見て慌てる、噛まれて痛そうにしてるピッピの傷口に緑の液体が!


「くっ、ゾンビに噛まれたらゾンビになる!ソイツはもう助からない!」

1回言ってみたかったの、このセリフ!


「そ、そんなぁ!ピッピ!

ごめんね僕のせいだ!嫌だよピッピィ」

スコットが涙をこぼした。ごめんねお兄ちゃん、多分助かるハズ


「おにーさま、やるだけためしてみますわ

キュア!」

緑の液体に触りたくないから、スコットが持ったままのピッピの上に手をかざしてキュアをしてみる。

緑の液体光の粒になって消えていく。治ったかな?

「ヒール」

これでどうだ?傷が消えて元どおり。


「クワァ スコット 大丈夫?」

あ、まだぶりっ子インコ演技続けてんだね?お前も相当だな。


「良かった、ピッピ僕のために死なないで!

マリー、ありがとう。」


ラミアを倒し終わったマリアンヌが走って追いついてきて

『下から大群が湧いてきた、進め!』


「おにーさま、行きますわよ!」

スコットの腕を持ち上げると俺たちは走った。

奥の扉が開かないアクシデントが発生したけど勢いつけて蹴ったら開いた。


ガシャーンと扉が地面に落ちて、螺旋階段を降りていく!

目の前には庭の裏出口がありその向こうに墓地が広がって見える


ここを通るのか!楽しみだ!

じゃなかった、あ、剣が無かったんだった。

螺旋階段を転がりながらゾンビが追いかけてくる!


「ターンアンデット!行きますわよお兄様!」


もう、ターンアンデットをバリアのように無駄に使いながら、墓地を進んで行く。

もちろん地面から手が出てるんだけど、光の粒になって消えていく。

墓地のぬかるんだ土にヒールの足がとられる。

スコットに手を引いてもらって走った。

大股で必死に走った。スリットは必要だな!


小さな礼拝堂につくと、扉をしめて豊穣の杖で扉に栓をする。

しばらくガタガタ外でやってたけど、光りだした杖が扉を守るように輝くと音がしなくなった。


あれ?ただの鈍器のはずなのに光った!

でもまあ、そのまま栓にしておく。


隅に宝箱が!もちろん開けるけどミミックかもしれんからな。

「マリアンヌ、宝箱を調べてくれ!何か手がかりがあるかもしれん」


『これって宝箱なの?チェストじゃなくて?

・・・あ、ブーツだよ。残念だったね?』


「いや、今2番目に欲しいものだ!助かった!」

俺はブーツを取り出して「キュア」をかけておく。誰のお古かしらんが貰っとく。そして解毒しとく。水虫とか嫌だからな!


驚くことにピッタリだった。マジックアイテムだったようだ。

これで走りやすくなった。


「ちなみに1番欲しいものは?」とスコットに聞かれて


「剣ですわお兄様」


マリアンヌが渡してくれたけど、重いし装備出来ないじゃん?と思ったら


あ、持てたわ!15歳のダンジョンアバターさすが!装備可能だ


「まさかムラマサをこんなに早く装備出来るようになるなんて!」

俺が感激に打ち震えていたら

『・・・!』ムラマサが声を殺して泣いていた。


え、そんなに装備されたかったの?


なんかごめん、このダンジョン出たらもうこのアバター使えないから。


ローズマリーがここだと言うのでここと言われた所をガサガサしまくってたら祭壇が押せた。


「祭壇を押したら地下へのハシゴが出てきましたわね、いかにもな雰囲気ですわ・・・

ムラマサ邪魔だからマリアンヌ持ってて!

階段じゃなくてハシゴな!いかにもだけど!」


「マリーが先に降りるの?大丈夫?」

とスコットが言うが


「おにーさまが先に降りると、わたくしの下着が丸見えですわ!ちょっとエッチな仕様のやつなのでおにーさまにはまだ早いと思います。

わたくしが先におりますわ!」


「あ、うん、ごめんね

そんなこと考えても無かったけど、確かにそうだね」

とスコットは顔を真っ赤にして顔をそらした。

スコットは、この前に14歳になったところだよな。まだまだ中防だな!初心うぶだぜ

ガーターベルトはまだ早いよな!


下に降りるとすぐにトモエちゃんが

『ミラーフォース』

を繰り出して、何かを反射した。


グゥオアー


と叫び声が聞こえて、スコットが急いで降りてきた。

「マリー、大丈夫?」

ピッピがでかい鳥になり、翼をはためかせて風起こしをする。 

ホコリにまみれた空間がさらに曇った。

何やってんの?見えないじゃん?


俺は「ターンアンデット」を展開してほこりが落ち着くのを待った。時々光の粒になって何かが消えていく。

マリアンヌからムラマサをもらい装備して

居合抜きの構えをする

スリットはいってて良かった。


「お兄様はそこから動かないで下さいませ!

トモエ、貴女は、わたくしに何があってもお兄様から離れてはなりませんよ?

フフ、おにーさま、トモエをよろしくお願いします」

これも言ってみたかったセリフだ!ぐふふ


「マリー、いったいどうするつもり?待って、マリー!」


『兄上殿行ってはなりません、あちらを!敵が近づいてまいります。ミラーフォース』


「クワァ スコット ここにいて

ファイアジャベリン」


え、ファイアジャベリンだと?

お前そんなん使えたの?ちょっとズルくない?くっそー、俺があたため・・・もういいよ。


「ムラマサ、妖刀の名に相応しいお前の力を俺が引き出してやる

抜刀ぬきと同時に斬撃をとばすぞ!いいな!」

と雰囲気で無茶振りしてみる。

斬撃なんてとぶんかね?


ちょうど、向こう側にいかにも敵っぽい赤い目をみつけたから力を込めて鞘を握り

腰を落して、はしたないけど足を広げて構えをとる。

すると、向こうから触手のようなものがお誂え向きに伸びてきた。

気づいてたら抜いていた。

ほとんど、反射のように抜いたあと、触手を払うように切っていく。

そして、遅れて斬撃が本体に飛んでいく


「ムラマサ!呼吸を合わせろ!お前は力を抜け!俺に従え!」

そう言うと、ムラマサがスゥッと少しだけ軽くなり振りやすくなった。

日本刀ってなんて重たいの!15歳でも鍛えてないから重いわ!

刀についたゴミをはらい、もう一度鞘に戻す。そして、腰を落して構える。


今度は力いっぱい「ターンアンデット!」

と叫んでからムラマサを強く握り一気に切り込んだ!

一手目で敵の前の触手をはらい、2手目で下から袈裟斬りにして3手目で首を跳ねた!


ドオン ドシャーと崩れて光の粒になって消えていく。


「くっ」

敵の体がメチャクチャ固くて手が痺れる!

手に力が入らずムラマサを落っことしたら、山伏烏天狗姿に戻った。


「マリー!」

と必死にこちらに駆けてくる、その姿が、心配に揺れる瞳の潤々感が、金髪碧眼の美女に見えた!


近づいてくると、そのまま抱き寄せて「もう大丈夫だ!」と言うつもりが


思わず、チュウしちゃったよ!


スコットの腰をしっかり抱き寄せて、後頭部に手をそえてガッシリ掴んでた!


やっちまったー!うわー!

ちょっと雰囲気にのまれすぎちゃったね!

うぅ、マジでゴメンナサイ!

ススッと手を離して、様子をうかがう。


「ハァ マ、マリー?」

真っ赤になりながら、プックリした唇が艶めき、熱い吐息がもれ肩で息をし、スコットの動揺が伝わりそうだ。

その瞳は俺を映し涙に揺れていた。

お前はどこの姫騎士だよ!可愛いんだよ!クソっ!


「おにーさま、ごめんね?

わざとじゃないの、ごめんね?

ちゅうするつもりじゃなかったの、ごめんなさい」


すると

『あ、ちょっと!何やってんの!もう!』

とマリアンヌもやってきて、肩に両手を回してぶちゅーっとしてきた!

お前こそなんなんだよ!


すると、モンスターの後ろからバターンと扉が開いて、中から花魁が出てきたんだけど、緑色のモンスター体液に濡れて薄汚れていた。


『わっちを助けに来てくらはったでありんすえ?創造主さま』


「汚ったねーな!待ってろ!ターンアンデット キュア」


すると緑色の液体で汚れていたのが消えていく。


「助けに来たよ、一応ね?そこのローズマリーに頼まれたからきたよ?

もう帰りたいよ!なんなの?

あ、ってか元教祖くそじじいはどうなってんの?

普段は隣国で活動してるんでしょ?

それに、公爵領で流行ってるって病の正体は、疫病じゃなくてさ、壊血病でしょ?

栄養失調でなるやつ。

あ、まんまり近寄らないで?

お前、信者ファン食いまくってんだって?

変な病気になってない?

今のキュアで、そこまで治らないでしょ?

お前は、俺の趣味このみで作ったんじゃないわけよ

元教祖くそじじいに大切にしてもらいなさい!」


そこまで話したら泣き崩れた。

あれ?メンタル豆腐?

花魁がそんなんじゃだめでしょう?

ピュアな娘だったのかな?


『おい、可哀想に見えてきた!

お前はなんなんだよ、コイツを作ったのお前だろ?

もっとこう、感動的な再開無かったのか?』

とかマリアンヌに言われた。


えっぐえぐ泣く花魁の話を聞くと

みんなが壊血病で崩れて行くのを食い止めようとあれやこれや言うけどちっとも伝わらない。

自分が添寝だいてあげると、みんな安らかになるから毎晩がんばって添寝してあげる。

教祖は、信者をゴミのように集めてきて金を搾り取る

嫌になっても御神体が教祖じじいの作った神殿に厳重に祀られてて逃げられなくなった。

すると、洞窟の奥に廃墟になってる神殿を見つけてしまった若者がいて

自分の声が聞こえるから色々と愚痴っていたらここに連れ去られてきたと。

以来居をこちらにうつすことになり今にいたる。


そこまで聞いて、俺はぞーっとした。

「俺らが、やっつけてきたゾンビって元信者の人たち?」


さすがにこれはスコットも「ひゅっ」となった。


『いえ、あれは創造主さまがダンジョンに来たから発動したトラップです

普段はゾンビなんて出ません』

話し方が普通の人になってる


そうかダンジョンのモンスターだな。良かった。

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