呪われてしまった人形2
長くなったので続き
「スッゲー!めっちゃ凄いヤツじゃんお前!
なんだよ凄い精霊だったんだな!痛い厨二病患ってるコスプレ中学生じゃなかったんだな」
『お前、それ褒めてるんだよな?・・・・僕が怖くないのか?生命活動が止まるんだぞ?』
「さすがに入れっぱなしは無いけどな! タイマーとか付けとけよ?
生命活動って、例えば温度は?熱いお茶入れっぱなしでも出したら熱々なの?」
『熱々だけど・・・怖くないのか?僕が気持ち悪くない?』
上目遣いで不安そうに聞くな中学生が!
「いや、別に怖くねーよ
すっげー便利じゃん?生き物も入るなんて!ドラゴンとか捕まえてきて入れようぜ!中どーなってんの?
入りたくはないけど顔だけ入れて中見てみたいわ!あ、でも、その場合、顔だけ時間が止まるの?
落とし穴限定なの?地面に陥没しないと入れられないタイプなの?」
『ちょっ、待って、質問多い!
落とし穴によく使ってるだけで、地面じゃなくても使えるよ、ホラ(黒い穴が空中に出現しポトっとコップが落ちてきた)
中が見たいとか変わってんなお前、僕も中は知らないよ、一緒に入る?』
「入ると、2人とも止まって出てこれないとかないよね?」
『ん〜、どうだろう
ってゆーか、怖いけど好奇心が抑えられないって顔だな!よし入ろう! 僕の能力なのに、僕まで止まるとは思えないけど、人形に紐を括り付けて、朝になったらあのメイドが人形引っ張れば出て来れるように仕掛けとく』
それならと、手を繋いで一緒に闇の中へ入った
『・・・どう?僕は動けるけど?』
「俺も動けるけど?」
『何で君も動けちゃうの? 止まってる間に顔に落書きしようかと思ってたのに!』
「やい中学生!
その言い方だと、お前は中で動けるじゃねーか!ホントは入ったことあんだろ?」
『あるに決まってるでしょ、僕の能力なのに!別の空間に繋げて行き止まりや密室から出たりしてるよ』
「密室って牢屋とかなんじゃ?悪い事して捕まって閉じ込められたけど出て来たんだろ?」
『なんでわかったの?心を読んだの?ヤメテ!見ないでエッチィー!』
「見えるかよ!女子か! ってか普通に俺も出れるぞ!」
俺は空間を開いて出て来た
『何で出れるの?ホントなんなの君! 僕のほうが、ちょっと怖いんだけど?』
「・・・フン
見た目に惑わされすぎだ精神年齢が違う、俺の方が大人なんだよ。あそこは、精神と時の部屋だ!時間は止まるけど、成長は出来るんだよ」
まさかのもうワンランク上の次元でした
『僕の方が歳上だよ! 多分人間で言う160年くらいだ!』
騙され続けた160年だったのかな?ちょっと不憫だな
「子どものままの160年だろ?多分、今ので俺も使えるよ!んー、こうだろ!しかもこうだ!」
ポワっと小さな穴があいて、いつか妖精にもらった不思議なコップを取り出して穴に入れた!
異世界あるあるアイテムボックス内の表示ウインドが出て来た
『何なんだ、何でそんなの使えるんだよ!』
「異世界人は、だいたいアイテムボックスが使えるんだよ」
『ズルくない?異世界人ってズルい!何を入れたんだよ?』
ポトっと取り出して「コップだよ、前にもらったんだ」と見せると
『他の妖精と仲良くしてんじゃねーよ!この浮気ヤロー!』
「浮気じゃねーし、お前と会う前だわ!てかお前は他の妖精から嫌われすぎないか?」
『僕は、嫌われてない』
「そうゆうセリフは、クールなキャラが言うもんだ!」
『僕はクールだ!』
ぎゃあぎゃあ言い合って、先に疲れたのは若すぎる肉体のある俺だった
翌朝、人形を抱えて寝てた俺をアンナが「今度は抱いて寝てたんですね」と微笑ましそうに起こしてくれた
なんか、やられた感じがした
「アンナ、フリフリのピンクのフリルが似合うと思うの、どうかしら?」
腹いせに意地悪な提案をしておいた
面白がったお母様がストックされてた布や、流行遅れのストールを出してきて
針子の経験があるメイドに可愛いドレスを作ってもらった
そこで気がついた
このブルブルブリっ子ドレスを着た人形を持つのは俺だと!
そして、おそろいの生地でリボンを拵えてもらって髪飾りにされてしまった
「う、うれしいですわ、皆さんありがとう存じます」
引つらずに言えたかな、意地悪して投げたブーメランがデカくなって帰ってきた感じだ。
相変わらずピッピが人形を突こうとするので、ピッピは籠から出さずに餌だけ入れた
短い距離なら飛べるらしい、スコットがたまの休憩の時に出して遊んでいると教えてくれた
籠に指を突っ込むと、突いてくれて嬉しかったのだが、スコットに「それ、割りと本気で噛んでるよ」と忠告されて地味にショックだった
餌あげてるのに何故?
今日は、メアリー先生がくる日だったのでアンナが人形を見やすい所に置いた
「まあ!マリーウェザー様、素敵なお人形ですわ!見てもよろしくて?」
メアリー先生も好きなのね、この手のやつ。
人形のドレスを去年の流行りのストールで再利用したことを見抜いた
ついでに髪飾りのリボンも同じなのを見て、小さな女の子は人形とおそろいのオシャレが出来て羨ましいと撫でてくれた
「マリーウェザー様ご存知ですか?
王太子殿下に婚約者候補が出来たみたいなのですよ、秋頃にお披露目に参加された時に見初めたと噂でしてよ。ロマンス小説のようですわね!
想い合う2人を応援したくなりましてよフフフ」
へー、そうか
「マリーウェザー様にはまだ早かったかもしれませんわねフフ」
「メアリー先生は、王太子殿下をご存知ですのね、やっぱり賢い方ですか?」
「賢い方かは、存じませんが素敵な方でしてよ」
ふーん
話が盛り上がらなくてゴメンナサイ、そうゆうのはお母様として下さい
お茶の時間に、お母様たちの女子トークを聞いて、なるほどと思ったのは最初の15分くらいで後はどーでも良かった
その日の夜に寝る前にスコットに
「王太子殿下の噂話をメアリー先生から聞きました、婚約者候補が決まったらしいですね、おにいさまは殿下のお友達でしたよね?」
と聞いてみた
「ただの知り合いなだけだよ、殿下は気を使って友達だと言ったんだよ
僕は、まだ婚約者候補だと決まってないと聞いたけどね。決まれば、春の宴に何か発表があるんじゃないかな」
「ふーん、そうなのですか」
「マリーは、あんまり興味ないの?」
「無くはないです、この国の未来の王様ですし?直接は、関係ないですが回りまわって、ね?」
「そうだね、どこも噂話の域をでないからね、発表があるまで皆待てばいいのにね」
おやすみの挨拶をして寝た
スコットの方が先に寝た、またマリアンヌがいつの間にか隣にいた
『お前、中身おっさんだから女子トーク下手過ぎないか?王子様なんて女の子は皆憧れるだろ?もうちょっと乗ってやれよ』
「俺はまだ20代だ! けど、ぐうの音も出ないね、知ってるか?王太子って平凡顔すぎなんだよ?メアリー先生は、乙女過ぎだからな。俺が何かを言って夢が壊れたら可哀想だろ?」
『あれ、そうだっけ?そんな平凡だった?僕の記憶が確かなら金髪碧眼の爽やか少年じゃなかったか?』
「金髪碧眼なんて、ゴロゴロしてるだろこの国に」
『お前、身も蓋もないな』
「みんな王子様に夢を見すぎなんだよ」
『見た目は可愛い幼女なのに、達観してて可愛くないわー』
「ブルブルぶりっ子ドレスのお人形さんに入ってるお前は可愛いな?」
『提案したお前の趣味って事になってるけどな!』
くっそー、ホントやっちまったよ
お嬢様はメルヘンチック系が好きみたいですと
メイドが新しいお着替え作ってたしなハァ
『そう、それとな
お前、目が良すぎなんだよ。狸の商人とか獣人がその辺うろついてるとか思ってないか?違うからな?
たぬき親父って言われてるだけだからな?』
「え、なにそれどういう意味?」
『だから、この世界は獣人とかって居ないわけじゃないけど、普通は人間に変装してたりするわけよ。だから一見してわかる見た目のやつなんかいないよ?
お前がいつか恥をかいたときに事実に気がつけばいいけど、お前の両目が良すぎなんだよ。一生気付かないのかなぁと思うと可哀想になってね。
親切心だよら親心ってやつかな、僕の方が歳上だしね?』
「え、ミネルヴァに化け物みたいなのいたよ?あれは何?」
『ミネルヴァに行ったことないから知らないけど、多分人間の欲が見た目に現れてるのだよ、他の人には普通に見えてると思う』
「ファンタジーの世界なのに?俺の目が良すぎって何だよ?俺は他人の欲望が見えてるのか?嫌過ぎるだろ」
『そうなんじゃない? 片目だけでも珍しいのにな両目だから、欲望しか見えてないんじゃないの?』
「他人の欲望とか見たくないわ!
くっそー、鑑定眼とか異世界ではポピュラーなネタなんだけどな、思ってたのと違う
ヨシュアは、将来、狸の商人になると思ってたのに、残念すぎるだろ」
ガクゥと項垂れる
『まあ、早めにわかってよかったと思え、僕のおかげだな褒め讃えよ』
「ハイハイありがとね」
『感謝が足りない!』
「感謝が足りないって言われてもなぁ
俺には狸の商人にしか見えないわけだよ? 本当の顔とかわかんないよ?不便過ぎないか?(ちろりとみやると、中学生がこちらを睨んでいた)
え、なに? もっと感謝して欲しいわけ?大変ありがとうございます??」
『違う、そういうんじゃない
お前がもっと大きくなってからでいいから、いつか、僕と契を結んでくれ・・・』
「契って、兄弟の契か?酒坏を交わすやつか?そんなん精霊とやっちゃって大丈夫なの? 俺の寿命伸びたりしない?」
『・・・まあ、人間もよくやってるやつだから。 別に大丈夫だよ、いつか契ってくれ約束な?』
中学生が恥ずかしがって照れてるようにモジモジして見える。あれ?いつの間にこんな懐かれてたの?
「まあ、お前友達いないしな、可哀想だからお酒が飲める年になったら酒坏を交わしてやるよ」
『約束な!』
と恥ずかしそうに照れて嬉しそうに笑いながら、手をぐーにして突き出してきた。こっちの世界にもあったのかと同じようにぐーにしてコツンと拳を交わし「ああ、大きくなったらな」ニッと笑いあった
妙に懐かれてるけど害は無さそうだしいっか、どうせ妖精の気まぐれとかだろと、俺は呑気でいた
俺は契の意味を誤解していた。契とは、まぐわうほうの意味であり、知らない間にとんでもない予約を入れていたのだが、そのことを知る由もなかった




