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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
23/385

柔らかくなる魔法

毎日の食卓に、ほんの少しフレッシュな赤い甘味が彩り、屋敷で働く人たちが小さな幸せを噛み締めている頃

このお屋敷の侍女見習いで、お嬢様付きになるアンナは今日も元気いっぱいだ


「お嬢様、起きてくださいませ

今日は午前にメアリー先生がいらっしゃいますよ! 午後からはスチュワート商会が来ます」


「おはよう僕のマリー

今日もとっても可愛いね(ちゅっ)先に行ってるよ」


「おはよ・・・おに、ちゃ、ん」


「お嬢様寝ぼけてますね?

スチュワート商会のヨシュアが来たら、また外に行くんでしょ?

フラグムの実が成ったらまた私が木にのぼるわよ!

料理長が天然酵母を自分用に作りたいって言ってたわ!あの変な温かい紙が欲しいって!

今朝は早くから厨房で米粉パンを作っていたわ、小さく焼くと硬くなるから大きく焼いて切ってくれてるわ

私も切れ端を食べてみたんだけど、普通のパンと同じように焼けるのね!

小麦の香りじゃないけど、いい匂いがしたわ!」


アンナさん美味しかったのね

そうだな、ヨシュアが来たら外に出るか

また親切な妖精がいたら色々と聞いてみようかな

妖精って、話しかけてもフワフワして返事がないのもいるからな

返事をしてくれそうな我の強そうなのじゃないと、ひとり言みたいで恥ずかしい


朝食の米パンは、ちゃんと俺の知ってるパンみたいになってて、ジャムをつけて食べると美味かった

料理長には申し訳ないが、頑張って米粉の料理を増やして欲いのだ、シチューとか、グラタンとか


メアリー先生が、フラグムクッキー早いですねとお菓子を食べて帰って

午後からはスチュワート商会が来た、調理器具メーカーが権利を買いたいと言っていて

俺は未成年を理由に、権利や手続きをお母様に丸投げして、早々にヨシュアと外に出た


午前中に降っていた雪が昼前には止んで、陽射しが暖かい

庭のはしの目立たないところにフラグムの木があった、今日はアンナが最初から背中に大きな籠を背負ってついてきた


この木にも温かくなる魔法陣が施されていた、あの小人だろうか

追加で俺がすると一瞬で実になるのだけど、今更木にも何らかのダメージがあるのか心配になった

色々と聞いておけば良かったな


ヨシュアとアンナが暖かくなる魔法陣を見たがって、薄くて見えないのかどれどれどこだと探すので

ヨシュアの手を取って、人差し指を作らせて、魔法陣をゆっくりなぞる


「あ、ゆ、指先が温かくて!凄い僕にも出来ました・・・顔が近い、で、す」


書き終わると魔法陣が光って弾けた、花がパラパラといっきに落ちてきて


「きゃあ!何? わあ! 花が散ったじゃないの!・・・えぇ!実が!わぁぁー凄いわ!見て!凄いわ!いっぱいあるわ!」

アンナが楽しそうだ


下の枝は、実が酸っぱくて美味しくないと思っていても、アンナはついつい手の届くところの実を取ってしまう

「何てことなの!下の実も甘いじゃないの!

信じられないわ! これなら木に登らなくても美味しい実が食べれるじゃない!」

アンナはとにかく楽しそうに実を収穫している


すると、外壁の上から声がした

「賑やかだと思ったら、フラン(フラグム)を食べてるじゃないか、僕にもくれないかい?」

ツバメが話しかけてきた!と思ったら、燕尾服を着た黒い小人だった

「はい、どうぞ」と小さな枝ごと折って渡そうと手を伸ばした、当然だが高い外壁には届かない


「僕はこの中には入れないんだよ、投げておくれよ」

投げても多分届かないよな


「ヨシュア、あそこにこの枝を投げてくれない?」

「あー、あの小鳥にあげたいのですね? 行くぞーおりゃ!」

小人の上を通り過ぎ、外壁の向こう側にとんでいき「感謝する」と小人は追いかけて行った


「ヨシュア凄いわ! あの小さい子、ちゃんと受け取れたかしら?」


アンナが「もうお腹いっぱい」と幸せそうに収穫を終えて籠を厨房に運んで行った

そして、入れ替わるように

「ここでしたか」とサイモンが来た、庭の奥だもんね


「サイモン様、全然身長が伸びませんね」

「そのうち伸びますから(執事服をピシっとしてドヤ顔)お嬢様とお出かけの方が大事ですし」

と2人でジャレていた


木の影から、暖かくなる魔法陣を教えてくれた小人が外壁を見ていた

「こんにちわ小人さん

フラグムの木を温め過ぎても大丈夫なの?来年枯れちゃわない?」と聞いてみた


「ああ、おじょうちゃんかビックリしたぞ

黒のが来ておっただろ? ふぅ~


ああ、木を温めても枯れたりせんよ 木を元気にしてるのに枯れるなんて、面白い事を言う」クスクス笑っている


「木を元気にしているの?温めてるんじゃないの?酵母も暖かくなって完成したのに?」


「酵母とは、菌じゃろ?菌も元気にしているのにじんわりしてくるのは副産物かのぉ

元気になると暖かいものよ、逆か、暖かいと元気じゃ」


まさかの、グロウアップ魔法でした

「じゃあ、生き物じゃなかったら温まらないのね?服は?この帽子は?この金属は?」


「あぁ、生き物の跡ならギリってところじゃな

その金属は元気にならん」


わかったような、わからないようなヤン先生に検証まかせよう!既にしてたりしてな


「じゃあ、金属はどうにも出来ないの?」


「出来るぞい、こうホレ、ホレ」

金属のボタンがグニャっと曲って、元に戻した!なにその魔法!

「何その魔法!」声に出てたらしい

「人の子には、(無詠唱)難しいじゃろうて

コウ指でパチンと」

小人が魔法陣を書き出した、金属が柔らかくなる魔法だ!


「コレは柔らかくなったままなの?」

「柔らかくし続けるならこうじゃ」

違う魔法陣を書いて二重に重なった


「凄いわ!ボタンがクニャクニャだわ」

「他にはこうじゃ」

ボタンをすり抜けた

「すり抜けた!」

「すり抜けたように見えるから人の子は面白い事を言う、こうじゃよ」

と、壁の向こう側に歩いて行ってしまった

玄関とか門から入ってこないのね、この人たち!

すり抜ける魔法陣は書いて行かなかった

すり抜けるやつ超いるやつやん!ウホー!知りたい!


「マリーウェザー様?」

「ヨシュア見てボタンがクニャクニャよ!」

「え!なんだこれ!」

「ヨシュア、マリーウェザー様の服を引っ張るな!近づくな離れろ」

サイモンがグイっと間に入ってくる、ヤキモチ焼いたときの犬の反応に似てる

「可愛い可愛いヨシヨシ」思わず頭を撫でてしまう、仕方ない照れてるサイモンも憂いやつじゃ


「マリーウェザー様コレは、ガラスが柔らかくなりませんか?パスケースこれで作りましょう!これならガラスで全部透明なケースができます!

量産したら大儲けです!」

ぴょこんと狸の耳がはえてきた


「なるほど・・・さすがヨシュアね

あなたも立派な商人になるわ」

こうして、狸に進化していくのか!


「あ、いえ」シュンと耳が戻ってしまった


「商品化する前に、実験とか検証とか安全とかヤン先生の研究室でやってもらいましょう

私達では、そこまで出来ないわ

あそこなら、頼まなくてもやりそうだしね

それに、なんだか大事になりそう、他の貴族に目を着けられないかしら?」


「そうですね、ミネルヴァのお墨付きがあれば世間に浸透しやすいでしょうか」


アンナが迎えに来るまでヨシュアとサイモンに柔らかくなる魔法陣と柔らかくしたままにする魔法陣を重ねるやり方を話して

ヨシュアがふざけてサイモンを柔らかくしようとしたけど、失敗して、サイモンが泣きそうになりながら起こった

あ、これ、有機物は逆に柔らかくならないわと発見したのだが、人にしちゃダメでしょと注意して、ヨシュアが喜んだりした




次の日に、一人で、また同じ所に行き妖精を探したけど見つからなかった

その代わり、あの黒い小人を見つけた

「やあお嬢さん昨日はありがとう、お礼に何か願いを叶えようか?」


なんだと、願いを叶えようかだと!?

「いらないわ、さようなら」

願いを叶えようか系は、アレだろ、なんか等価交換的な?

木の枝くらいで願いとかヤバい奴やん

スタスタと歩いて逃げようとしたら、横から小さな矢がとんでいき黒い小人を壁の上から追い出した


「幼子よ、アレは近づくな!

喋るな!見るな!何もしてはならん!屋敷に入れるでないぞ!よいな?」


弓を持った羽の生えた妖精がそう言うだけ言ってシュッと飛んでった

空中に魔法陣の跡が残っていて消えそうだが簡単だったので自分でも書いてみた

バリバリっと電気が走ったと思ったら、手に光る矢ができて思わず手を離してしまった!

シュンッと飛んでった矢は壁のだいぶ手前に落ちてズドンと地面に刺さる前に、地面が抉れた


ひえええ!!何だったんだ・・・両方ヤバいヤツやん


急いで土に柔らかくする魔法陣を書いたが、土って微生物とか何かの死骸だよな魔法聞くのか?と思ったが

土魔法と言わんばかりに、形が想像通り、ほぼ元に戻った

柔らかくなる魔法、土にも使えるじゃん!

でも怖いから今度は庭じゃなくて広い所で使いたい!


それから、なんだなんだと衝撃音に屋敷の人が数人やってきて

「なんの音か、私も見に来たのよ!何もなかったわ!外かしら?」と誤魔化しておいた


今更だが、この世界の人間は魔法が使えない訳ではないけど、あまり使っていないような気がする

もしかして、使用に制限や許可や免許など一定のルールのようなものがあるのではないか?

勝手にバンバン使って怒られないか?貴族は怖いからな、最悪家族ごと処刑とかありえるのかと心配になってきた

今回のように、もし、皆と遊んでる時にやってしまったらと思うと・・・

ちゃんと勉強してからにしよう


次の日に

メアリー先生に聞いてみる事にした、身近なものでは

ランプや街灯は、魔石というほぼ石炭にしか見えない黒い石を燃やして灯りにしている

石炭と違うところは

と言うか、燃やしてるのかもあやしいな、なにせ二酸化炭素が出ないみたいだし

そんなに高熱でもないクリーンなエネルギーなのだ

ミネルヴァの至る所で開発が行われている魔道具がこれだそうで、ヤン先生にきけばいいとメアリー先生もよくわかっていなさそうだった


「マリーウェザー様には、まだ難しいかもしれませんわ、それより面白いお話がございます、最近の流行は―――」


メアリー先生は、いろんな社交場に行き情報や話のネタを拾ってくる

王都の流行は最新だそうだ、常に波に乗っていないと社交場で笑われてしまうそうらしい


俺は、これも社会勉強の1つと思って勉強してる

へー、そうなんだーと思って聞いていたら

「マリーウェザー様には、まだ早かったかもしれませんわね最新のオシャレは―――」

とメアリー先生の話に熱が入るのでしっかり聞くことにした

たまにお母様がスチュワート商会の商品を並べて

「コレとコレとコレ、マリーウェザーはどれが好きかしら?」

と3択問題をだされて、侍女の視線を頼りに右端を選んだら、正解は真ん中だった事があった

「マリーウェザーに似合うのは、今の流行りのこちらよ」と

好きなやつって質問だったけど、違ったらしい


家にいても、魔法の勉強が出来ないからミネルヴァで魔法の本を探したい

いつでも本を読みに来ていいって言ってたけど、あれも社交辞令かな?図書室くらいは使ってもいいかな?


お母様に、ミネルヴァで本が読みたいですと言ってみたら

明日、ちょうど迎えが来ると言われたので

今日は大人しくサイモンの剣の稽古を眺めることにした

サイモンは、マルクさんに型みたいなのを教えて貰っていた

見てると俺もやりたいとウズウズしてくる


しばらく、じーっと眺めていて

サイモンがチラチラと集中が散ってきてマルクさんに少し休憩しましょうと言われ


サイモンがこっちにやってきた

「サイモン凄いわ、こう、こんな感じでカッコ良かったわ!」身振り手振り真似してみて褒めると喜んで「こうです、こうやってこうです」とサイモンが教えてくれた


「あら、違うわよ

マルクはこのときこっちの足が出てたけど反対の足はこうしていたわ」

知らず知らず熱が入っていたらしい


あたったら危ないので木剣に柔らかくなる魔法を施して(万が一、俺に当たるとサイモンが怒られるから)


「マルクは、こうやっていたわ」


と目を閉じてゆっくり息を吸い、呼吸を止めないようゆっくり吐きながらマルクの動きを真似てみた

さすがに、同じようには動けないよ?足の長さ違うしな

シュッスッと空を切る音がして、さっきの型通り動けたと思う、振り返りサイモンをみるとポカンとして「凄いです」とこぼした


俺は、調子にのって、高校の体育の授業で習った剣道の型をやって見せたり

剣でやるのも変だけど居合抜きも見せてみた

2人でキャッキャとはしゃいで、マルクが来るまで遊んでた


ちょっと、不器用なサイモンが

マルクと打合出来るまでは、まだまだかかりそうだなと思ったのは言わないでおいた


「サイモンは才能があると思うわ! 人と同じ動きだと予想されやすいのよ、きっと、サイモンは良い剣士になれるわ

サイモンは、私の専属でしょ?

私が後衛の魔法使いで、あなたは前衛の剣士ね!2人で冒険に行きましょう!あ、

アンナは・・・なんでも出来そうね、物資調達から木に登って斥候や変装してスパイまで、そのうち剣や魔法も使ってきそうね!フフフ」


「冒険は楽しそうです!いつか行きましょう!

でも、アンナに負けた気がします」

頑張って強くなります!とはしゃいでたのしそうだった

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