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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
22/384

カレッジとは

「―――というわけで

アンナのお菓子を買いたいです、どこかおすすめの店はありませんか?」

アンナのクッキーが屋敷の皆に食べられちゃいましたと説明した

子どもだけで行って、カモられたくないからな、ヤン先生一緒に行ってくんないかなぁ


「先生様、聞いて下さいよ!

この前もらった私のクッキー皆が食べちゃったのよ!楽しみにしてたのに!」


「そうですねぇ

私なら、急いで今日買わなくても春になってからフラグムクッキーを買いますね

春になったら、たくさんお菓子が出てきますからね」


「だそうよ? アンナどうする?」


「フラグムクッキーなら料理長が今頃作ってるわ! 出発前に『帰る頃には出来てるぜ、お嬢様と食べな!』って言ってたわ!

薄く焼いたクッキーにジャムを挟むと、クッキーがしっとりして美味しいらしいの!楽しみね!」


「そう、じゃあ、お菓子は春まで待てるわね」


「え? フラグムの実が成るのも早いですが

熟してから収穫しないと酸っぱくて固いですよね?色々と早くないですか?」


「フフ、とても甘くて美味しくてよ?」


「先生様、甘くて美味しかったのよ!

私、木に登って上の方の実も取ってきたのよ、どれも甘くて美味しかったわ!

料理長がジュースをくれたのよ、とーっても甘くて美味しかったわ!」


「甘い魔法は使っていなくてよ?

その、フラグムの木は

ある程度、寒くないと雌株にならなくて

寒すぎると実を結ばないの、ヤン先生は、ご存知でして?」


「え! は? 寒さで雌雄が決まる?そんな事が・・・」ヤン先生が驚愕している


「暖かくなる魔法陣を木の根本にこう書くと、花が散って実が成りましたの」


「暖かくなる魔法陣!マリーウェザー様は、どこでそんな事を・・・んん

それより

甘くなる魔法陣を色々と検証しました、例えば―――」

ヤン先生の話を要約すると、紙や木は甘くなったけど鉄や金属は甘くならなかったと


「それは、有機物と無機物の違いでしょうか

?

輪切りのレモンの方が甘くて、紅茶はほんのり甘いくらいだった理由がわかりましたね」


「ユウキブツ??どういったことでしょう?」


「あ、えー

生物由来の有機物とそれ以外の無機物ですね

水は無機物なので、茶葉の出汁に魔法が掛かるので甘さが少ないのでは?

魔法陣の上に置くカップは無機物なので甘くならないと言う事でしょうか?」


「なるほど、有機物と無機物ですか!

新しい概念です! マリーウェザー様こちらも論文にされますか?」


この世界の論文形式なんて知らないし、俺に書けるとも思えないなぁ


「ヤン先生が書いて下さる?

私より上手にまとめて下さるでしょう? ぜひ読んでみたいですわ!」


「わ、私が書いてよろしいのですか?」

「よろしくてよホホホ」

ヤン先生が何やら嬉しそうだ


イヤイヤ、論文なんて時間かかるし検証とか俺出来ないじゃん?

門限あるし、すぐ帰るよ長居しないからね?


「あ!そうだわ、暖かくなる魔法陣も紙に書けて、それで天然酵母を作っているのよ

アンナ、今朝はちゃんと蓋を開けたかしら? 爆発するか、酵母菌が死ぬかどっちかよ」


「今朝、料理長が開けてたわ

爆発しそうだったんですって!お嬢様のだから料理長が大事に世話してるわよ

あ、天然酵母もう出来てるかもしれないって料理長が言っていたわ

お嬢様のだから使ってもいいか確認してくれって頼まれてたのよ!

思い出して良かったじゃない!」


アンナさん、そうゆう事は早く言ってよぉ!


「料理長に使ってもらいましょう

柔らかいパンが食べたいわ・・・(チラリ)

米粉で作ってもらいましょうか」


「お嬢様、感激です!ありがとうございます」


「天然酵母ですか? よくご存知でしたね!

どういう訳か、もうずいぶんと長い間作られていないと思いますよ」


やっぱり温度かな?

「酵母菌が低温では育たないのではなくて?

こちらも検証をしてみないと詳しい事はわからないわね」


ミネルヴァに入ったけど馬車は止まらず

研究所に向かうと思ったけど、どんどん奥に進んでいく

「ヤン先生、今日はどちらに? 研究所は通り過ぎましたわ」


「言い忘れました、今日はカレッジに向かいます所長とオペルード先生が朝からあちらにいますので、このまま向かいます」


カレッジとか嫌な予感がするんだけど、跡継ぎのボンボンがいっぱいいるんだろ?

うわ〜、粗相したらお家取潰しとかじゃね?

フラグ立てる訳じゃないが、異世界あるある

難癖をつけるイベントだろ?ヤダねー貴族怖っ?!


「あの、私たちが入っても大丈夫なのでしょうか?」


「大丈夫ですよ

ちゃんと許可はとってありますオペルード先生が登城して、偉い人のサインをもらっていますから

それと、この白衣を着て下さい、研究所の職員のものと同じデザインです

クリスさんが作ってくださいました」

服を作ってくれたのか、スゲーなオネエさん


アンナに着せてもらい、馬車は山道を登りカレッジの門をくぐった

馬車から見下ろした町並みは外国の絵葉書のようで、とても美しい風景だった


建物から少し離れた所で馬車が止まり、降りた所でクリストファー・ロイドが俺たちを出迎えてくれた


「マリーウェザー様いらっしゃいませ

私は、ここの卒業生なのよ、今日は案内をしますわ

廊下が全部同じに見えて、最初は皆が迷うのよ」


「ロイド先生ごきげんよう」


「いやだわ、クリスでいいわよ お嬢様

さあさあ、寒いでしょ?中にどうぞ」


ホントに迷子になりそう、もう何回曲がったか全然わからん

すれ違う人たちが白衣の俺を、微笑ましく、妬ましく色々な視線を向けてくる


講義室かな、中に入ると見知った顔が並んでいた

何人かは研究所にいたと思う

カルヴァンおじいちゃんとカールおじさんが話し込んでいた


「ごきげんようお嬢さん

私は、ここカレッジの学長でスティーブ・ヴァイスマンでございます どうぞお見知りおきを」


「お初に御目文字いたします

マリーウェザー・コルチーノ 4歳でございます

」淑女の礼をして返した

サンタクロースのような風貌のおじいさんだ、なかなか貫禄があるな


「噂通り、しっかりしたお嬢さんだ

これで、まだ4歳なのか? 新しい時代がくるな

我々は、置いて行かれそうだよ」

ワハハと笑ってご機嫌だったが、長く垂れた眉毛から覗く目が、鋭く俺を見定めようとしてるのがわかった

正直、今まで出会った中でもダントツトップクラスだ


フン、幼児舐めんなよ

あんまり怖いと大泣きしてやるからな!


カルヴァンおじいちゃんが出て来て

「あんまり、孫を虐めんでくれんかのぅ

これだからジジイは嫌じゃわい!

ほれ、カルヴァンおじいちゃんだよー、マリーちゃん大丈夫じゃワシがついておるからな(ニコニコ)」


しゃーねーな、乗っといてやんよ、おじいちゃん!

「おじいちゃーん」小走りで抱きついてやった


「フォッフォ可愛いじゃろ?ワシの孫じゃ、やらんぞぃ」

別にお前の孫ではないが

ドヤ顔で学長を見て可愛い孫自慢が始まる

誰か収集してくれ、この茶番そろそろ辛い


「カルヴァンおじいちゃん、孫自慢はもういいわよ、本題に入りましょう

マリーウェザー様、こちらでも試験の用意ができてましてよ

いつもみたいに出来るかしら?」

クリスさんがガシッひょいと俺を捕まえて席まで運んでくれる、相変わらず力強くて安定のお姫様抱っこだ

俺は、目の前にある紙束をさらさらと書き進めていく


どんどん増えていくギャラリー

集まってきているのは、学生と言うよりも皆職員の服を着ている人達だ

前回よりも長い質疑応答


手が痺れてきて、頭も疲れてきた

蔑むような妬むような視線も、嫌味な言い回しの質問も前回より多くて嫌になる


何より怖いのは、化け物みたいな獣人や亜人がいるのだ

お前なんか何時でもどうとでも出来るぞと、そう言われた気がした

恐怖で肩が震える、気を抜くと泣いてしまいそうだ


「皆様の興味が尽きぬとは思いますが、本日はここまでにいたしましょう


マリーウェザー様、お花をつみに行きましょうか、ご案内いたしますわ

皆さま、よろしいでしょうか? 失礼いたします!

ごきげんよう」

最後はドスのきいた声でクリス先生が俺を助けてくれた、確かにチビリそうだったけどな!ありがとうクリスのオネエ様

アンナとサイモンも連れて足早に退散した


「お嬢様、私お腹がすきましたわ!

もうお昼を回ってるわ、早く帰りましょう!ここから出たいわ!」


「そうね、私もお腹がなりそうよ」


「お嬢様たち、お疲れ様でした

今日はもう帰って休んでちょうだい、ヤン先生に送ってもらいなさいな

フフ白衣着てくれたのね、嬉しいわ」

クリス先生が労うように目を細め


「あつらえてくださり、ありがとう存じます」


アンナもサイモンも粗相出来ない場所だとわかっていたのだろう、石のように固まっていた


帰りの馬車の中で、ヤン先生が何かの説明をしていたけど疲れていたのでお子様3人で仲良く寝てしまった


屋敷についてから、帰りが遅くなって怒られるかなと思ったが、少し遅くなった昼食には柔らかいパンが出てきた!

料理長、待ちきれずに使ったな

小麦粉だったのでサイモンはお預けだが、お母様の機嫌が良かったので良しとする


アンナの説明

「難しくて、何を話していたのかまったく理解できませんでした!賢そうな先生がたくさんいました」


サイモンの説明

「申し訳ございません、僕も、その、何の話で盛り上がっていたのかさっぱりでした

ヤン先生が春になってからオヤツを買うようにとおっしゃいました」


お母様は

「あら、そうなのね、お菓子はまた今度ね」

と遅くなった理由を聞くことをあきらめた


サイモンは、アンナと違いカレッジがどういったところなのかわかっていた

だから意図的に自分たちがカレッジに出向いたことを言わなかった

話したらこの奥様は卒倒しそうだと思ったのと多分先生方が詳しく説明せずに、お嬢様を取り込んでおきたいのだと理解していたからだ

今はまだ

マリーウェザーとぬるま湯の子ども時代を過ごしていたいとサイモンは思っていた

実家の男爵家のお家事情で、捨てられる一歩手前だったサイモンは、生存競争の激しい幼少期を過していて

平民とは別の貴族のイヤらしい部分を知っているのだ

お顔は無垢そうなのに

アンナのモデルはハーマイオニーです

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