ジェイコブ総司令官とスパイごっこの続き2
続き
「コーネリアスお兄様は好きにせよと言ってましたわ。
クラブの部長ですし
明日ヤン先生にも話を通しておきましょう」
スコット「うん…兄上がいいって言ったなら
そんなことよりも、それはマリーの新しいペットなの?
蛇の次はドラゴンなんて……それもダンジョンで捕まえてきたの?」
スコットの部屋で俺の膝には猫
肩には子ドラゴンのルーシェが乗ってて喧嘩してる
マリアンヌをテイッと投げてスコットにルーシェを見せる
「ドラゴンてすよ!ドラゴン!カッコよくないですか!
わたくしドラゴンを飼ってみたかったのです!」
スコットは若干引き、興味がほんの少しだけあるような顔をする
触りたいのかな?
俺の短い腕にとまらせて頭を撫でる
モンスターバトルしたいとは言わないよ
でもスコットに自慢したかったんだ隠しておけなかった、我慢出来なかったんだ仕方ない
「ルーシェ、スコットおにーさまですよ
ご挨拶して下さる?」
期待の籠もった眼差しで見つめる
ルーシェ「く、くぇぇがぉぉ」
あ、残念な鳴き声だわ
残念ざーんねん、こんなドラゴンいるかよ!
ルーシェ「何だよその顔は!ドラゴンの鳴き真似なんて出来るかよお前がやってみろよ!」
「出来なくもないですけど、みんなにとめられましたし?
わたくしがドラゴンになると学校が更地になってしまいますわ!討伐されるじゃないの!」
スコット「喋った!このドラゴンも喋るんだね?へぇー凄いや…あ、ピッピと喧嘩しない?」
ちらりと見ると、ピッピは鳥かごから微妙な目つきをしてる
堕天使だもんなぁ…アウトなんだろうなぁ
「喋るドラゴンなんて格好いいでしょ?うふ」
スコット「マリー、猫はいいの?イジケてるよ」
ベッドの上ですごい顔で睨んでる猫がいた。
いるよな、こーゆー猫
新しいペットが来たら顔がぶすっとするにゃんこ
コレはこれで可愛いけどさ
俺はルーシェをポイっと放り投げて猫の機嫌を取る
「ほっといてごめんね?ヨシヨシイイコイイコ」
『フン!』
「にゃんこが1番可愛いですよー!イイコイイコ」
『にゃん!』
「可愛い可愛いヨシヨシ」
アイテムボックスからブラシを出して撫でる
『ふふん!僕が1番』ドヤ顔
ルーシェ「調子にぃー乗るなよぉガァッ」
ルーシェの口が赤くなって火を吐こうとした瞬間
凍結
カチンコチンと凍ったドラゴンがベッドにポトっと落ちた
ふっざけんなよ!
スコットの部屋で火を吐くんじゃねー!朝まで凍ってろ!
スコット「マリーがミシェランド派の貴族を集めて何かしたら殿下はとう出るかな?
マリーに近寄るなって怒るかな?」
「今までもわたくしに特に何もしてこなかったので、何もしないかもしれませんわ
ミシェランド派のことも、うるさいのがいなくなった程度に思ってるかもしれませんもの…
もしかして殿下はおにーさまが欲しかったのでは?」
スコット「僕?まさかそんな」
コーネリアスの時のように
俺がぽっと出てきたから、レイナルドはスコットが来なくなったとか思ってるかも?
「おにーさまは自分で思ってるよりモテモテなのよ!
……無理してませんか?」
スコット「え?!」
「コーネリアスお兄様も心配してました…
わたくしの為に殿下の話し相手をされてますよね?
ごめんなさい」
あ、泣きそう……なんでだろう?
スコット「マリー?」
「お兄ちゃんが殿下に盗られちゃった、うぇ、うぅぅ、グズッ」
そっか俺は寂しかったのか
スコットが抱きしめて頭をなでる
「マリー、大丈夫だよ!僕は取られてないからね
マリー泣かないで、可愛いマリー大好きだよ
イイコイイコ」
「イイコじゃないですぅ、全然イイコじゃないですウェェェン」
「マリーはイイコだよ
寂しい思いをさせてごめんね、泣かないでマリー
マリーなら言わなくても解ってると思ってた…」
「お兄ちゃん行っちゃやだぁぁごめんなさぁい」
「マリーは僕がいなくてもちゃんとしてるって思ってたんだ…まだまだ僕が必要だね
マリー泣かないで、ずっと側にいるよ大好きだよ」
幼児ってわがままなんだな
小さな胸が痛くて苦しかった
涙が止まらない、グズグズ泣いてスコットにしがみついたまま寝たようだ
スコットに抱っこされて優しく撫でられて気持ち良かった
スコットはいい匂いがしてなんか良かった
でも朝起きたらスコットはいなくて、猫を抱っこして寝てた。いつの間に?
『起きたのか?…お前はいつか兄離れできるかな』
「…そりゃいつかはな」
『僕がお前の兄になってやろうか?』
「ふふっ……弟じゃなくて?俺の方が精神年齢は上だろ?ヨーシヨシ、いじけるなよずっと大好きだよー」
フン!とか言いながらチュッとおはようの挨拶をくれた
足元でピシッと音がして
「プハァ!やい!よくも凍らせたな!死ぬかと思ったぞ!」
氷のルーンから溶け出してルーシェが吠えた
マリアンヌと喧嘩しだしたから大人しく俺の影に落とした
寮を出ようとした所でラウンジに客がいると言われて、見に行くとフレッドもいて
ジェイコブが見えた
「ジェイコブさんフレッドさん、おはようございます」
近付いて挨拶をすると
ミシェランド派の貴族がいた…クラスメイトは3人なのだけど知らない人が3人いる
スコットとサイモンも警戒する
ジェイコブ「スコット殿、マリーウェザーおはよう
……みんなが君達に謝りたいそうだ」
え、もう来たの?仕事がはやいなジェイコブ
これはスパイ活動のカモが6人になったって事かな?
クラスメイトのミシェランド派の子息が代表して謝ってきた
「その、今までの無礼な態度を謝ります…
今後はクラスメイトとして仲良くして下さい」
フレッドとサイモンがハラハラして見守る中
他の人も「申し訳御座いませんでした」と謝った
俺の背は低い……だから見えちゃった
中には屈辱的といった顔のやつもいる
クラスメイトの1人もそうだな、腹芸のできん奴だな!まぁいいよ
「まぁ、みなさん
朝からわざわざいらして下さってありがとう存じます
謝罪を受け入れますから、どうかもうお気になさらず
みなさんが教室にいないので心配しておりましたのよ?
よろしければ一緒に講義室に向かいましょう…
そちらの方々は?」
ジェイコブ「彼らは一回生のもう1つのクラスだ
同じ一回生でもあまり合わないけど
彼らも君に謝りたいそうだ」
「まぁ、そうでしたのね
わたくしはもう気にしておりませんわ」
ニコニコとチョロいご令嬢をしてやりますよ
サイモン「お嬢様よろしいのですか?彼らを簡単に許して」
フレッドとジェイコブがサイモンを見た
凄いな、ここでそのセリフが出てくるなんて
サイモンは、当たり前のセリフを言っただけだが、スコットもフレッドもこーゆーシナリオだと思って見てるから
俺が許しておしまいと思ってる、そしてその事に気付いてハッとした顔をする。
ってかサイモンはシナリオを理解してなさそうだな…昨日スコットに説明した時にもいたのに
まあ結果的にファインプレーだ!
スコット「僕はマリーがいいなら…」
「ふふふっおにーさまとサイモンは心配性なのね
わたくしはお友達が増えて嬉しいのよ、みんなと仲良くしたいわ」
頭お花畑のセリフだな
俺が友達と言った事でニヤリとしたやつが2人ほどいた。チョロいと思われてんな?
ニコニコと笑ってみんなで講義室に向かった
クラスメイトのレイナルドの取り巻きは最初は6人だった
シャルル・ブローニュ子爵長男
ルイーゼ・ベリー子爵次男
ステファン・ヨーク男爵次男
そしてミザリー・エンド子爵令嬢は退学
ジェイコブ総司令官
ジョナサン・ゴルモンド伯爵次男
ジョナサン以外はミシェランド派の貴族で
俺に謝ってきたのはシャルルだ
ジェイコブがシャルル達とコソコソと話すから、こっちもこそっとフレッドに聞く
「ジョナサンはレイナルド殿下の側近候補として元々一緒にいたわよね?側近候補に戻ったの?」
フレッド「実は昨日ジョナサンが捕まらなくてまだ話してないんだよ…」
「じゃあ農学クラブの時でいいんじゃないかしら?
その方が自然だわ」
「あ、うんそうだね」
フレッドはサイモンをちらりと見て納得した
世間話程度はしてあげるよ
「シャルルさんの領地は南の方でしたのね、やっぱり冬は雪が降らないのかしら?」
シャルル「積りはしないけど、少しは降ります
あ、でも一昨年の大寒波の時は積もりましたね
畑が枯れてしまって大変でした」
「南側だとオレンジですよね?」
シャルル「よくご存知ですね、そうです」
「シャンプーにオレンジオイルを使いますのよ
柑橘系の蜂蜜は紅茶に入れても紅茶が黒くならないし甘さがクドくないので好きです」
シャルル「シャンプーにオレンジオイルをですか?艶出しでしょうか?」
「グスコーブ商会のシャンプーの原料は油なのです、わたくしは泡の実の方を使ってますが」
シャルル「泡の実??」
「ムクロジです、南国に自生してるそうです、ご存知ですか?水で揉むと泡になるので煮出して香り付けしてシャンプーにします」
シャルル「知らない…コルチーノ嬢は物知りなのですね」
「マリーウェザーでよろしくてよ
おにーさまと間違ってしまいますわ、みなさんもどうぞ名前で呼んでくださいまし」
ステファン「僕の家は領都寄りなのですがレモンを育ててます、レモンのオイルでもシャンプーが作れますか?」
「もちろんですわ
オイルを絞った後の皮を乾燥させて粉にしてスクラブにすると汚れが落ちやすくなりますのよ」
ステファン「シャンプーってそうやって作るんですね!!凄いですマリーウェザー様が考えたのですか?」
サイモン「去年、お嬢様が領地で試行錯誤してたのだ、簡単に作ったのではない!」
「懐かしいですね、まだ半年ですが昔の事のようです
クスクス、みんなで洗いっこしましたわね」
スコット「そうだね、懐かしいよ」
フレッド「え?みんなで?!」
ジェイコブ「シャンプーをマリーウェザーが作ったのか?!作り方を教えてもいいのか?」
「おにーさまどうでしょう?おしえても良さそうですか?
領地に工場を作ったのですが、全然足りてないようなのです
それにおばあちゃまは高級宿で忙しいですから
VIPが来た場合やクレーム対応で動けないでしょうね」
スコット「そっか、ロバートさんもチョコレートで手一杯なんでしょ?
うーん、お祖父様も忙しそうだしね
スチュワート商会の会長はどうかな?」
「ロバートさんは甜菜工場を建設中ですし
シャンプーもあるだけ売れますからね
温泉に設置分とは別に、みなさんお土産に欲しがりますよね?
観光地って財布の紐が緩くなりますから
お友達用のお土産として
お茶会に配って自慢出来るようなお試しサイズと価格帯なら飛ぶように売れるでしょうね
貰った人は温泉街に行きたくなるでしょう?
2度美味しいですわ
どこかで作って売ってくれるなら取引したがる商会はたくさんいると思いますわ
グスコーブ商会のお高級のうるツヤのシャンプーはマネ出来ませんけど」あれはロバートさんのチート有りきだ。
シャルル「シャンプー自体まだ入手困難だからな……」
ステファン「なんて楽しそうに儲け話をするんだ、やっぱり普通の令嬢じゃない!」
喋りながら講義室に入ると、ざわついてた部屋がシーンとした
みんなシャルル達を見ていた
部屋にいたモーリスが気を使って挨拶をする
「おはようみんな……えっと何の話だい?」
シナリオを知ってるモーリスも
どーなってるの?じゃなくて、上手く行ったね!みたいな顔をしてる
フレッド「シャンプーの話さ」
モーリス「シャンプー??それはマリーウェザーの髪の秘訣かい?」
サイモン「お嬢様の髪は何もしなくても艶々だ!」
フレッド「領地で洗いっこしてたんだって」
「屋敷でコーネリアスお兄様の髪も洗いましたわ、ねぇ?」
スコット「そうだね、僕も兄上に洗ってもらったよ」
シャルル「兄妹の仲が良くて羨ましいですね」
俺たちは教室の前の方で当たり障りない事をシャルル達と立ち話する
するとジョナサンがツカツカ入ってきて叫んだ
「君達は何をしてるんだ!
今度は堂々と幼いマリーウェザーに嫌がらせか!!
昨日あれだけ殿下に言われただろう!いい加減にしないか!」
ジョナサンは正義感溢れる、まぁいいヤツなんだな
今も間に入って庇ってもらってるし、悪いけどこれを利用させてもらうぜ?
お、ちょうどいいレイナルドも教室に来たみたいだし
俺はジョナサンの服を引っ張り
「ジョナサン、違いますアワアワ
わたくしは別に嫌がらせされてませんよ?
今朝1番に謝ってもらいましたし
わたくしは、本当に気にしてませんから、ねぇ?」
とフレッドに振る。
俺の大根演技はこれで終わりだ
振られたフレッドはハッとしてノッてくれて
「そ、そうなんだよ!
わざわざ朝早くから寮まで来て謝ってたんだ!僕もたまたま寮から出る時に見かけて
彼らなりに反省してるんだと思う…
それにマリーウェザーがもう良いって言ってるなら僕らがとやかく言う事じゃないよ、なぁ?」
と、サイモンに振った。
モーリスは反対側だよ間抜け!サイモンに振ってどーする!
フレッドは、あっしまった!みたいな顔をしたけどサイモンが振られたから答えた
「私はまだ納得して無い…
けど、お嬢様はみんなと仲良くしたいと仰せだ!
僕と違って慈悲深くて心の広いお嬢様は今までの無礼な態度を許されたのだ!
お嬢様は昨日の事も既に知っている
僕はジョナサンの納得できない気持ちもよくわかる
けどお嬢様が彼らを許したのだ」
サイモンが最もな事を言う。
成長したね、凄いよサイモン。そして、ほぼ俺といたのに昨日の話を理解してない所もすごい。
どーゆー耳してんだよ
ジョナサン「サイモン…そうか、君達すまなかったね早とちりしてしまった」
モーリス「信じられないのも無理ない、昨日の今日だからな」
シャルル「いや、こちらこそ…すまない」
サイモンのファインプレーで講義室にいる人たちはこの茶番を見ていた。
そしてすっかり忘れてたけどレイナルドも驚愕して見ていた
サイモンのお陰で俺は、過ちを許せる心の広い慈悲深い令嬢になり
レイナルドは心の狭い人になってしまった
やべぇ、ファインプレーじゃなかった!
イヤァー!不敬罪にならない?
サイモン「捨てる神あれば拾う神ありというらしい、前を向いてやり直せるチャンスは誰にもあるとお嬢様が言っていたのだ」
いや言ったけどね?
でも今じゃないよ、もうヤメテー!ドヤ顔で何てこと言ってんだよ!
うひぃ!レイナルドの顔から表情がなくなってるやんか!
くっ、こうなったら……
「あのっ、今謝れば殿下は許して下さるわ…きっと」多分
シャルル「え!?」
すまん、サイモンの代わりにお前らが自爆してくれ!
骨は拾ってやる逝ってこい!
すると、ルイーゼが走った
おお!勇者がおったわ!頑張れよ
「レイナルド殿下!昨日は大変申し訳ございませんでした!
僕は殿下を裏切ってあっちに付いたあいつらとは違う!自分の間違いを悔い改めました!
殿下に許していただけるなら、また側近候補として扱って下さい!どうかお慈悲をお願いしますっ!」
ギョッ!
えぇー何言ってんだあいつ
朝みんなが謝ってる時にも屈辱的な顔してたけど
番狂わせのとんだダークホースだぜ!
「ルイーゼの奴やりやがった」
ジェイコブが呟いた声はルイーゼにも届いたらしい
ルイーゼは憎らしそうにジェイコブを睨んで捲し立てた
「殿下!あいつらジェイコブに唆されてあっちに寝返ったんです!
謝れば簡単に許してもらえるぞって甘い言葉に乗って!
あいつら簡単に殿下を裏切りました!信用出来ません!
コルチーノ嬢は騙されてるとも知らずに憐れな」
ルイーゼは振り向いて蔑んだ視線を俺に向けた
盤上の駒が勝手に動いてる、やだもう!
「ルイーゼ!お前何を言ってるんだ、くっ」
シャルルは気まずそうな視線を俺に向けて言い淀んだ
ジェイコブは悔しそうな顔をして俺を見た
上手く出来なかった、失敗した、そんな顔をする
計画の詰めが甘かったのは俺のせいだ
ルイーゼ「私はあいつらとは違います!殿下を裏切ったりしません!私にチャンスを下さい!」
とりあえず、ごちゃごちゃ言ってるルイーゼを止めるぜ
俺「もうやめなさい
ジェイコブさんは友達よ!私の友達を悪く言うのはやめてよ!」
ルイーゼ「何が友達だ憐れな、まだ分からないのか?
謝ったのは嘘だ!本意じゃない馬鹿が!」
俺「だから、もうやめてよ!
例え嘘でも私は謝ってもらって嬉しかったわ
少しだけでもお喋りできて楽しかったし
これ以上誰かを貶めるのは貴方のためにもならない から、もうやめなさい!」
ルイーゼが何かを言おうと口を開いた所でチャイムがなった。
すぐに講師の先生が入ってきてみんな着席する。
ルイーゼはレイナルドの側近だった頃のポジションにもどってレイナルドの隣の席に着いた
その反対隣にジョナサンが座って気遣わしげな視線を送ってくる、俺に。
こっち見んなよレイナルドの相手をしてろよ!
まぁ、当初の予定通りレイナルドガードが一部だけ戻って、スコットが行かなくて良くなった。
結果オーライだ
スコットは俺を慰めるように頭を撫でていつもの席に座った。
俺は黒幕らしくほくそ笑んでおく
スコット「マリー、少しはその可愛い笑顔を隠してよ」
「おにーさまが帰ってきて下さったので嬉しいです」
シャルルとステファンは箸の方の空いてる席に着いている
ジェイコブが俺の横に座って「すまない」と小さく呟いた
「まぁまぁ結果オーライです」
多分、ルイーゼがごちゃごちゃ言うからレイナルドは来ないだろーな、よし!
この時間は教会から偉そうな人あらため、暇な人が来て説教をするようだ。
前回の人と違っていた。
目が合うとニコニコな俺を見て、あちらもニコリと笑っていた。愛想の良い人だな
次の時間はダンスだからアカデミーの大ホールへ移動する
ジェイコブの所にシャルルとステファンが来て何かを話したらまた別行動している。
俺としては、別に来るなら拒まないし去るなら追わない
ジェイコブ「すまない、僕の落ち度だ
ルイーゼの家は子爵位なのだが、土地なしの法衣貴族なのだ。
次男だしレイナルド殿下の側近にならなければ家を追い出されると聞いたことがある」
あーなるほどね、甜菜の種をもらっても育てる土地も無いし、シャンプー工場も建てられない
だから儲け話に乗ってこなかったんだな
モーリス「そうか、スペアとして教育を受けてはいるけど爵位は継げぬし、領地が無いなら代官や補佐にもなれぬ
かといって長男に何かあった時のために手の届く所に置いておきたいとなると家での扱いは雑であろうな…」
「世知辛いわね」
ジェイコブ「それだけはない…僕らは王妃様の命令で殿下の側近をするように言われていたのだ」
(※ミシェランドは王妃の実家)
フレッド「それじゃぁ、ジェイコブ達はお叱りを受けないか?」
ジェイコブ「僕らが不甲斐ないから仕方ないさ…
しかし、ルイーゼがあんな卑怯な奴だとは思わなかった!
あんなやつレイナルド殿下の側近に相応しくない!
嘘つきで卑怯で意地汚い!あんなのが殿下の側近などとおこがましいミシェランドの恥だ!
裏切り者だ!」
最初に寝返ったジェイコブが言えることかよ
相変わらず鉄メンタルだな
「そんなの大人になるまでは分からないわよ
みんなを踏み台にして殿下の側近に返り咲いた、その忠誠心は本物かもしれないじゃない、へこたれない根性でたくましいわね」
ジェイコブ「マリーウェザーはルイーゼを許すつもりか?信じられない!少しは人を疑え!」
「許すも何も…私は目的を達成してますもの
みんなの評価はともかく満足ですわ」
フレッド「目的?」
モーリス「最初の筋書きでは盾を手にする事だったな…あ!」
「そうです、結果的に殿下を離せてスコットおにーさまを取り戻せましたわ
ルイーゼさんがどうなろうと、どーでもいいです。
むしろ置石になってくださって感謝してるくらいですもの、今もごちゃごちゃ言って殿下を引き止めて下さってるのでしょ?
それにね、自分の側近に相応しいかなんて殿下が自分で判断することですし、ルイーゼさんも大人になったら丸くなってるかもしれませんわ。
相手の弱みを握ってのし上がるなんて、したたかで貴族っぽいじゃない、別に普通の事よね?」
ジェイコブ「んな!!」
モーリス「計画と違っていたが、どちらに転んでもマリーウェザーに損は無かったのか…だがやり方が酷すぎないか?
シナリオを知ってるから言える事だが、ジェイコブとシャルル達を悪者にして孤立させるようなやり方がな、確かに貴族らしいがそんなことで本当の信用は得られまい」
ジェイコブ「そうだよ、みんなの前で罵られて僕は許せない!マリーウェザーが許してもだ!」
「まぁ、ジェイコブさん達を落として自分を上げるって、やられた方は納得できませんね」
ジェイコブ「そうだろ?悔しいのだ!シャルルは僕が謝るよう仕向けたが、納得はしていたのだ…
自分が代表して謝ると言ってたのに、あれでは憐れだ」
スコット「うん、そうだね
今まで散々言っていたから自業自得ではあるけど
みんなから無視されてるし、僕らの策略の失敗の結果だしね…後味悪いよ」
うぐっ
雑な作戦の結果だからな
しかも、スコットは関係ないのに俺のせいで罪悪感を感じてるの?
「手がない訳ではないのです、面倒なだけで」
モーリス「やはりな、マリーウェザーには何か考えがあるのだと思った
余裕と言うか、次の手を考えてそうだと思ってた」
「簡単な事ですわ、信用回復は行動で示すほか無いのですから
当初の予定通り、彼らの領地で甜菜を育てて工場を建てて砂糖に加工するのです。儲かって領地が潤いますわ」
フレッド「そっか、ミシェランドで彼らの評価が上がるね」
モーリス「でもそれだけだと、今後は甜菜畑を抱える領地が増えた時に埋没しないか?そんな一時だけの事では無いのだろ?」
「まあ、そうですね…
近い未来、砂糖が容易に手に入るようになったら、お菓子が増えますから
今から菓子職人やショコラティエを育てて、お菓子と言えばあそこだ!と評される程になれば城に召し上げてもらったりします
ゆくゆくはミシェランドを上げてお菓子の祭典でも開いて観光地化してしまえばよいのです
彼らはミシェランドの南側ですからアルラシードに近いです、カカオの輸入ルートの中継地点になってもらい、カカオの倉庫でも建ててそこから全領地に配送でもいいですよね
いずれ、みなさん自領にチョコレート菓子工場が欲しくなります。
コルチーノまでの輸送コストも下がりますし
アルラシード側って荒野といいますか、あちら側の街から国境までが遠いので、必ず宿を取るのです。
旅人用の宿場町を整えるだけで往来が増えて儲りそうですね」
フレッド「ほぇ〜、大きな話になったね
なんて言うかマリーウェザーって儲け話をする時が1番輝いてみえるよ」
モーリス「その研ぎ澄まされた感覚は領地で鍛えたれたのか?コンスタンツェ様はやり手だと父上が言っていたからな」
スコット「……」フイッ
サイモン「スコット様は祖父のゼノン前領主様と行動を共にしておられたから、民から信頼が熱いのだ!」
ジェイコブ「ちょっと施し過ぎではないか?
そこまでしてやらなくてもいいだろう!
彼らにはそこまでの価値はないだろう
マリーウェザーがそこまで気にかけなくてもいいだろ」
「甜菜糖はともかく、人が育つのには時間がかかるのです
パティシエは元々料理人が環境の整った場所に転職して最低でも1年から2年
ショコラティエはそこからさらに1年から2年かかりますよ普通は」
ゲームとダンジョンだけだ
スクロールで転職可能なんて、あり得ないしズルだよな
現にアバターないから錬成陣が書けても使えない
モーリス「そうだな、実際はそこまで簡単に出来ないぞ。
見えない苦労がたくさん出てくるだろう、少なくとも10年単位の構想なのだろ?」
「チョコレートは500年先まで栄華を誇るお菓子の女帝ですわ
コルチーノは、チョコレートの生まれた聖地として未来永劫観光客がくるでしょうね、近くに温泉街もあるし他国からも客が来るようになるわ
私なら行きたいし」
ジェイコブ「そんな、せっかくコルチーノの近くに領地があるのに…マリーウェザー」
モーリス「ジェイコブの家はコルチーノの近くに領地があったから儲けたけど、宿屋の建設ラッシュが終われば売り上げが伸び悩むかもしれない
でもこればかりはな」
「ジェイコブさん……領地の売りが欲しいのね?
林業はちゃんと植林もしましょうね?はげ山になるわよ?
娯楽施設があると客が流れてくれるでしょうね
ぶっちゃけ温泉街に娯楽がないのよ
女性やお年寄りはいいわよ、温泉とエステで満足するから
けど男性客は温泉なんて一度入れば満足でしょ?
妻と娘が温泉にエステにスイーツと時間が潰れるけど
お父さんは手持ち無沙汰になるわ
男の人や息子が行きたくなる娯楽って何かしら?
もちろん合法で」
フレッド「非合法ならあるのか?」
「カジノとか?競馬とか?女のコとイチャイチャするお店とか」
モーリス「え、イチャイチャ?!」
スコット「マリー、合法でね?」
「ホホホ
土地が余ってるなら夢の国でしょうか?
バーベキューや狩りや釣り、知的好奇心を触発する各種趣向などを盛り込み、遊園地、動物園、水族館、博物館、食事処、商業施設などを併設して
複合型テーマパークがあれば温泉街がおまけになるかもしれませんわね
テーマパークまでの街道も整備しますから
頑張って人を呼んで下さる?一緒に儲かりましょうね」
ジェイコブ「温泉街がおまけに??凄い!」
スコット「マリー、ジェイコブの所は雪が積もるんじゃない?
温泉街は地熱で温かいから雪は積もらないけど」
そうだった、あっちはダンジョンじゃなかった
「冬季と夏季で分けては?
雪が積もるなら雪像フェスティバルにして、雪の城や雪のホテルとかですかね
氷で出来たグラスで飲むお酒は珍しいのでみんな飲みたがりませんか?
普段のお酒も美味しく感じそうですね」
フレッド「氷で出来たグラスだって?!凄いや!」
「バーベキューも雪で作ったテントの中ですると楽しそうですよ
それに火事の心配もないですから」
モーリス「雪のテントなんて想像がつかないよ!
次から次によく思いつくな」
昔テレビでみただけだから実際はどうか分からないけどな
ジェイコブ「いや、でも雪城や雪像は誰が作るのだ?私も父上も雪で像など作れぬぞ」
「それは、職人さんが作るに決まってるじゃないですか。
大小様々な雪像を作ってもらうためと、人寄せの為にも、賞金を出して競わせるのです、3位まではお金を出しましょう!
ちなみに勝敗を決めるのは観光客ですよ
投票所を設けて、お店で買い物する客に投票チケットを配るのです
みなさん面白がって投票してくださるわよ。
例えばですが、3回優勝したら殿堂入りして達人の称号を与えます
次からは審査員側に立ってもらって雪像フェスティバルの盛り上げ役に回ってもらいます
ホテルやテントなどの監修に雇って毎年嗜好を凝らしてもらいましょう
達人の建てた店と宣伝したら行ってみたくなりませんか?」
ジェイコブ「凄い!さっそく帰ったら父上に手紙でも書くぞ!
冬は雪像フェスティバルに夏は夢の国か!
植林も提案しておく…マリーウェザーが言うのだ
切り倒して無くなるなんて考えてもみなかった、木なんて勝手に生えてくるものだと思っていたしな」
ヴラドに頼んでスチュワート商会の狸を放課後の農学クラブに呼んでもらう
儲け話の専門家に丸投げしよう
アカデミーのダンスホールまで遠いから俺はスコットに抱っこしてもらっていたが
途中ジェイコブが代わってくれると言うのでジェイコブに抱っこしてもらった。
ジェイコブは俺の話を感心して聞いていて
商人を誘致してそれぞれに建てて貰えば良いと話しておいた。
木材が売れるとジェイコブは喜んでいた
ダンスの授業は前回と同様にサイモンと組んで踊った。
ジェイコブを含めてミシェランドの貴族は箸の方でかたまって立っていた、だれもダンスの相手をしてくれないからだ。
身内で踊らないの?練習だろ?
殿下の側近候補がやらかしたことはアカデミーにもしっかりと噂になっていて、シャルル達はミシェランドの中でもさらに浮いていた。
にも関わらず、ルイーゼは取り巻きとして残っていたから評価されたけど妬みや僻みも受けていた
レイナルドは突き放す事はしてないけど庇いもしない
俺がみんなの前で許したから仕方なく側に置いてる感じかな?
まあルイーゼも余程のヘマをしなければ大丈夫だろう
頑張ってレイナルドガードを続けてくれ!
ついでに、ミザリーが俺に嫌がらせをしていたのは周知されていて、可哀想な令嬢として見られた。
そう言えば前回ぶつかってきたのもミザリーだったな。
休憩しにサイモンとジェイコブの所に向かったら、一瞬ザワッとしたけどにこやかに挨拶する俺を見て静かになった。
ジェイコブ「マリーウェザー、君からも農学クラブに来るように言ってくれないか?
シャルル達は迷惑がかかると遠慮するのだ…気にする必要はないと言ってあるが」
モーリスも休憩しに俺たちの所に来て
「多分スパイごっこのせいで、まだ勘違いしてるんじゃないか?
君に後ろめたいと思ってるのかもしれない」
アチャー
「では黒幕が誰かバラしてしまいましょうか?
別にバレてもわたくしは痛くも痒くもありませんから
双方に利のある取引ですもの、それに嫌なら断わって下さってもいいのです
甜菜糖も中継地点も別の場所に建てたら良いだけですし、陸路にこだわらなくても海路の話も出ています。コルチーノの後ろには大河がありますから
裏があると気づいてるのでしょ?
シャルルさんは勘が良さそうですから」
ジェイコブ「バラしても良いのか?シャルルがその情報を持って殿下に寝返る可能性も捨てきれないぞ?」
モーリス「そうだな、万が一にも追い詰められた時につい喋ってしまうかもしれない
彼らは君が無償で与えるから不安になるんじゃないか?」
あー、なるほどね
分かりやすい裏を用意したらいいのか
つまりマージンを取れって事だな
「私が提案したのは全くリスクが無いわけではないのですが、そうですね
例えば売上の1割を聴取するとか砂糖に加工した物の1割を納品してもらうとかですかね
お友達価格で買い取ります」
モーリス「商売の事はよくわからないけど、1割なら払えそうだな」
「ではもう1割をカレッジに卸してもらいましょうか、肥料なんかの実験のデータも欲しいですし
カレッジも甜菜糖が手に入って嬉しいですよね?
病気にかかった時にカレッジと連携しておくのは悪くないと思いますわ」
モーリス「そう言われるとカレッジと提携しておくのも手だな。
卒業しておしまいではなく、その後も研究しやすい」
俺たちが話してると
ダンスの先生がやってきてミシェランド派に向かって
長い休憩ですこと!と注意した。
まぁ授業サボってる訳だしな
「ジェイコブさん誘って下さるならお相手をいたしますわよ?」
と手を出してみた。
「え!?……その、いいのか私で?」
「一回踊っておけば先生も何も言わなくなるわ
ゆっくり回ってくれると助かりますチビですから、ふふっ」
ジェイコブと手をつないでダンスホールの真ん中に向かうと、またザワッとしたけど曲がなって、ニコニコしながらクルンと回ってると静かになった。
ジェイコブはサイモンより上手だった
ぶっちゃけレイナルドより気を使ってくれる
ちょっと照れくさいのかジェイコブが赤くなっていた
友達と踊るのはなんか照れるな
スコットやサイモンは身内だから安心感があるけどな
「ジェイコブさんはお上手ね」
「10年後も君とまた踊りたい…私が誘ったら踊ってくれるか?」
「ええ、喜んで」
ちなみにスコットはダンスが終わるとアカデミーの肉食系女子に囲まれて休まず踊ってる
スコットが誰かの手を取らないと喧嘩が始まるからだ
モテますな
次はモーリスと踊ってみた
モーリスは俺が疲れないように立ち回ってくれて踊りやすかった
「モーリスさんも領地に甜菜畑を作りますか?」
「僕は、どうしようかな
父上や兄上とそこまで仲がいい訳じゃないし…
あの人達は商売に向いてないのだ
頭も硬いし、種をもらって育てても別の場所の加工工場に運ぶだけだ
僕は経営に口を出せないし、君を合わせても女だとなめられるだろうな利に疎い人たちなんだ…」
「……モーリスさんは将来の事は考えてますか?」
「さぁ、ずっと考えてるよ
結論は出ないけどね、マリーウェザーはもし自由なら何がしたいのだ?」
「私は王太子妃にならずに、研究者か商人になりますわ
商船で海を超えて世界を股に掛ける大商人か、マッドな科学者もありですね
人工知能を開発して危険な作業は機械にしてもらいます。
ミネルヴァで働いてもいいですし、別に拠点はこの国でなくてもいいです
人前に出ず、男名で登録して本人の代理として本人が取引しますの社長兼秘書ですわ
そうすれば舐められずに動けるとおもいませんか?」
「面白い事を考える……君は将来のために考えてるんだね、それに出来そうな所が凄いな
将来は有能な美人秘書かい?
誰もが契約書にサインはしそうだな」
「ふふふっコーネリアスお兄様は賛成派ですけど、スコットおにーさまは、王太子妃を捨てきれないようです
お城で一緒に働いて下さるのですって
それにサイモンはわたくしの護衛騎士を目指してるようなので会社を立ち上げたら護衛として雇ってあげようと思います」
「なら、僕も社員として雇ってくれないかい?」
「モーリスさんなら研究者として花を咲かせる事が出来ると思いますよ?
トーマスさんの研究室に入ったり、わたくしがパトロンになりましょうか?」
「それはいい考えだね、君も科学者にむいてるよ
一緒に働けたら楽しいだろうね」
モーリスと踊った後はもう一度サイモンと踊って疲れたからおしまいにした。
気を使ったジェイコブが抱っこしてくれたんだけど、寝そうになった
さすがに授業中に寝たくない
モーリスとフレッドが俺のほっぺや鼻を摘んで寝そうになる度に起こしてもらった。
昼をアカデミーのカフェで食べようと思ったけど、どこも噂で視線が嫌だったからシャルル達を誘って街に降りることにした
ヴラドに頼んでフォレストガーデンに予約を入れてもらい、俺は斬鉄に乗ってみんなで向かった。
「今日は農学クラブですから、遠慮なくどうぞ」
シャルル「その、迷惑になるだろ?」
「別にわたくしは噂は気になりませんわ
さすがに食事してる時にジロジロ見られるのは嫌ですけど」
領地にカカオの倉庫を誘致する提案をし
店には結構人がいて、昼からバーベキューが流行ってるのかテラス席で肉を焼いてた。
俺たちはVIP席の二階の個室を使わせてもらった
そこしか空いてなかったからだ
給仕「お嬢様いらっしゃいませ
ご贔屓にしていただいてありがとうございます
あの、申し訳ございませんバーベキューのコンロが予約でいっぱいなんです」
「リサさん、先日は騒いでしまって失礼しましたわ
後片付けが大変でしたでしょ?
それに室内で昼からバーベキューはしませんわ
匂いがついて昼から授業に出れなくなるものホホホ」
リサ「とんでもないです、オーナーがお酒を飲んで寝ちゃってこちらこそ失礼致しました
また来てくださって嬉しいです」
俺とサイモンはそば粉のガレットを頼んで、皆はボリュームランチを食べていた
空のピッチャーをもらってこっそり氷水を作ってテーブルに置いた。
みんな喉が乾いていたのかごくごく飲むのに減らない不思議な水差しだ
「お腹いっぱいです、次の講義は寝てしまいそうですわ…」
シャルル「氷水なんて…ここの店は高額なんじゃないか?持ち合わせがないし(ツケにしたら)父上に怒られそうだ」
ジェイコブ「ここの店はコルチーノがパトロンをしてる研究者が製氷機を卸してるのだ。
水さえあれば氷が無限に作れるらしい」
ステファン「製氷機!!え?凄いよ!僕も欲しい!」
「一般に流通出来るようになるには、まだまだ時間がかかりそうですね」
残りの昼休憩の間、俺は寝てたらしい。
斬鉄に乗れないからヴラドに抱っこしてもらって、山道に慣れてないシャルルとステファンが斬鉄に乗って山を登ったのだとか。
チャイムがなってすぐにスコットが起こしてくれた。
俺はスコットに膝枕されて講義室で寝てたからびっくりだ。
寝てた俺を見てクラスメイトが微笑ましい視線を送ってきた
教室に入る前に起こしてよお兄ちゃん!!
恥ずかしいやんか!




