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俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
学園物語
162/372

街に降りて買い物だ!

さて、悪夢の事はどうでもいい


今日はみんなで街に降りて買い物だ!

アンナはデュランが迎えに来るからメロン狩り行くって

昨日の朝に1つを一人で食べたらあまりの美味しさに感動して、ヨハンとフォルトさんにも食べさせてあげたいと言ってた。

1個丸々一人で食べるんじゃなくて分けてやれよ、と思ったけどな?

寮のデザートになるしいいや


ラウンジでみんなと待ち合わせだ。

俺とサイモンとスコットとフレッドがラウンジでお茶をしてるとデュランが斬鉄を連れてきた。


「おはようございますお嬢様

今日はアンナ嬢のエスコートをまかされました

ついでに雑草抜きと水やりもしてまいります」


俺「おはようございますデュラン、よく来てくれました」


アンナ「デュランさんよろしくお願いします!

たくさんメロンが持てそうな体躯ですね素敵です!

お嬢様メロン楽しみにしててくださいね」


俺「デュラン、アンナの面倒を押し付けてしまってごめんなさいね

アンナ、山道ではしゃぐと転けるわよ?」


アンナ「アハハ、お嬢様やサイモンじゃあるまいし転けませんよ、行ってきまーす」


ランチュウとクリオネをこっそりついて行かせた。

昨日、寝る前に変身ステッキでデュランを半妖にしておいたのだ

人間のように体温があるけど、カースウェイブなんかの特殊スキルはそのままだ

首無騎士デュラハンナイトってアンデット寄りの闇妖精で死の宣告とかろくなスキルがない

クリオネたちの水技スキルの蜃気楼とか濃霧とかウォーターボールとかの方が使えるんだよな



そして、斬鉄の手綱をヴラドが持って待機してる

程なくして他のメンバーが来た

ジェイコブとモーリスに、ジョナサンが加わった


昨日、街に買い物する話をしてたらジョナサンも行きたいって言い出してジェイコブと喧嘩になりかけていた。

交友関係の広いフレッドからスコットが聞いた話を要約すると


ジョナサンは伯爵家の次男だけど、母親が男爵出身の第二夫人だから、レイナルドの側近候補たちの中では爵位は上なのにヒエラルキーは何故か下


しかもミシェランド派が多いからダビルド派のジョナサンは側近候補たちにハブられる

ジェイコブは当初ハブって意地悪していた中の一人で

いつの間にかレイナルドの側近から離れてコルチーノにすり寄っていた

スパイ疑惑があるのに、令嬢に取り入って危険だとフレッドに知らせてくれた1人だ


コーネリアスに横恋慕していたカトレア・ゴルモンドの異母弟と言う微妙な貴族だけど、コルチーノからしたら敵ではないハズ!

あれ、殿下の側近候補たちと仲良くするよりコッチのほうが楽しい!

剣術クラブでスコットとよく一緒にペアを組んで少し喋る機会が出来た

(※背の順、体格が同じだから)


同じ側近候補だった中立派のスコットと一緒にいるから、一応まだ自分は側近候補だとのたまってるらしい。


スコット「マリーに危害が及ばないなら(どーでも)いいんじゃない?僕はジェイコブより信頼出来そうだけど」

と昨日話してくれた


ジョナサンの人となりは、よく分からないけど悪いやつじゃないのかな?

図書館でも親切に忠告してくれたしな

今も時々ジェイコブを注意深く探るような目を向けてる


無理に仲良くしろとは言わない。合う合わないは個人で違うからな

友達の友達は別に友達じゃない、ただの顔見知りだ。

でも喧嘩はすんな!



俺とサイモンは斬鉄に乗ってヴラドが手綱をにぎり、みんなで山道を降った(※サイモンは筋肉痛)

午前中の涼しい風が吹く木漏れ日の山道は気持ち良かった。

ジェイコブがサイモンから俺の描いた漫画を借りる約束をしていたから忠告しといた


俺「ジェイコブさん、他の人に見られないよう気をつけて下さいね」


ジェイコブ「何故だ?」


お前の寮はミシェランド派の寮だろ!

また破られるんじゃねー?とは言わない


俺「知らない人に見られるのは恥ずかしいですわ

私が描いたことは内緒にしてくださいね?」


スコット「マリーも懲りないんだから、以前描いた物は結局どうなったんだろうね?」


懐かしいな、きこりの泉と人魚姫だよな

ヨシュアに押し付けて、ヨシュアがたぬきにバレて…どうしたっけ?

ふっ懐かしいな

(※面倒になった父親が長男コーネリアスに押し付けて領地に家族で避難してた)



山を降るとフレッドが疲れたと言い出した。

そんな革靴履いてくるからだ!

と思ったけど、それって俺が一昨日に畑の小屋で錬金術で修理した靴じゃねーか

この時代にはないクッション性のある機能革靴だ!

運動靴作ったら売れるかな?

時代錯誤で奇天烈だと笑われるかも


ヴラド「大通りから一本裏の通りは、安めの雑貨屋が並んでますよ

皆さんが探してるものは、まずそちらで相場を見てはいかがでしょうか?」


詳しいな!さすがヴラドだ!


ヴラドに案内されて裏通りを行く、大通りと違って道が少し狭くなったけど店がたくさんあった。

見たい店がそれぞれ違うから昼の鐘が鳴ったら、眼の前のインク壺とペンの看板が目印の店の前に集合すると言って解散した。


俺はサイモンと防具の店に寄ることにした。

スコットとフレッドとモーリスは色々見て回って

ジョナサンとジェイコブは俺に付いてきた。

防具のアドバイスをくれるらしい


防具屋に女子の俺が入ると場違いだったらしくて、店員がギョッとして

「店を間違えてますよお嬢さん」と声をかけてきた。


俺「従者の防具を見に来ましたの相場が知りたくて、これも勉強ですわ店主マスター


学生らしく勉強と言ったけど、幼児の俺の事を知らないようだった。

ここは裏通りで俺は研究所のスタッフにしか顔が知られていないのだ


店主がヴラドを見てから、お転婆なお嬢さんで大変だねと肩をすくめた。

皮の他にも鎖帷子くさりかたびらみたいなのもあったけど

西洋風とでも言うか、忍者っぽいのは売ってなかった。

サイモンは小柄だから忍者っぽい軽量化されたもののほうが動きやすいだろうな。


店主は子どもがウロチョロするのが気になるようで、俺ばっかりみてくる!俺は他の店に行くとサイモンに声をかけて店を出た。


ヴラド「幼児がうろつく店ではありませんでしたね」


「まぁ欲しければ自分で作るよ」


ヴラド「おすすめは、花柄の便箋が置いてる文房具のお店です」


幼児ならぬ女の子の好きそうな店か…詳しいねホント

まぁ行くよ?他に行くトコないし

ヴラドの案内で歩く、斬鉄が人型になり俺と手をつないで歩く。

母上ではなくお嬢様とお呼び!と言ったら嬉しそうに笑ってた。


プラプラ歩いてると、アクセサリーショップっぽい所の前を通った。

どの店もガラスの窓が小さくて店内がよく見えないんだよな…

人が出てきて扉が開いてたまたま分かった


ヴラド「見ますか?」


俺「流行りが何か知っておきたいから、女の子ってそーゆーの敏感だろ?」


ヴラドと斬鉄と入ると、今度はちゃんとお客扱いされた。


店員「何をお探しでしょうか?」


俺「流行りが知りたいの話題についていけなくて」


と正直に話すとクスクス笑ってカワイイわねと店員さんが流行りを教えてくれた。

親切な店員さんだな

去年からボリューム感あるポンパドール風が流行っていて

今年もそれを意識した商品がオススメなんだとか


リボンもレースでボリュームを出したのが流行るだろうと言われてるらしい。

その分お値段もボリューミーだ。

店員さんがカワイイ薄いピンクのリボンを頭にかけてくれて

カチューシャみたいに巻いて耳の横でリボン結びをしてくれた。


店員「まぁ、春の妖精のようですわ。とてもお可愛らしいわ」


斬鉄「お嬢様カワイイです!」


うん、知ってる俺って可愛かった。

鏡を見て、まぁ小さい子って何でも可愛いよ

あれ?誘拐されるレベルじゃね?とか自画自賛してた


ヴラド「おいくらです?せっかくですから、そのままつけて行きましょう」


店員が色違いやリボンに模様のあるものを出してきて、流行りのチョーカーも見せてくれた

チョーカーなんてメイド喫茶でしか見たことない!

はぇ~と眺めてたら店員さんが俺に似合うのを巻いてくれた。

当たり前だけど苦しくない!


ヴラド「それもそのままつけて行きましょう」


斬鉄「お嬢様とてもお似合いです!」


ゴスロリのようだ(※あくまでイメージ)


店員さんがこれも似合いますと頭を撫でてくれて、いっぱい勧めてくるんだ、斬鉄が似合いそうですねって一緒になって褒めてくる。

まぁ買っちゃったよ

この手のアクセサリーって持ってないから

使わなかったらアンナにあげようと思う


まぁいいカモだったと思うよ

ヴラドが言うには値段は良心的な店らしい


俺「店主マダムお勉強になりました。ありがとう存じますわ」


店員「(流行るわきっと!)ありがとうございました、またお越し下さいませ、お嬢様」


店から出たらボリュームあるピンクのリボンが目立つのだろう、通りがかる人が頭を見てニコッとしてくる

この辺りは平和な世界だ!

アイテムボックスにとりあえず入れて、歩き出す


その後、食器を売ってる店があったから入った。

ガラスの小瓶がケース売りしてたからあるだけ買った。軟膏を詰めて売るからだ


怪力のヴラドと馬力の斬鉄がケースを2人で全部持つと店員さんが落としても弁償出来ないから1個づつ持ってと泣きそうになっていた。

裏に馬車があるから大丈夫と無理やり出て来て扉を閉めて裏に回ってアイテムボックスにすぐに入れた。


再び店に入って、今度は食器を買う

そのうち畑の小川でバーベキューするからな

カトラリーとお皿を見る


庭で使うから割れにくい物がいいと店員に言うと銀の皿が出て来た。


俺「重くないかしら?食器屋さんだもの木のお皿とかは売ってないわよね?」


木工芸品を扱ってる店を教えてもらったからカトラリーだけ銀で買っておいた

近くだったからすぐに店に入ると木工芸品の店は家具も売ってる店だった

この世界の家具は基本オーダーメイドだ


店員さんが俺を見て子どもが遊びに来る店じゃないと嫌な顔をしたが

さきほど、食器屋で木の皿を買うならここだと案内されて来たと説明したらニコッと笑って奥から木の皿を出してきた。


俺「家具屋の扱う木の皿は違うわね、この光沢は何を塗ってるのかしら?」

食べ物を直に乗せるからね気になる


店員「この木の蜜だよお嬢さん」


それなら安全そうだな

洗ってるうちに剥げそうだけど、いいや


俺「この平のお皿を10枚とこの大きなボウル型のを10枚とこの中くらいの…面倒ね全部買うわ」


店員「はっ?」


俺「ヴラド、全部でおいくらかしら?」


ヴラド「木ですから、銀の皿より高くないでしょう?

店員よ、金貨何枚だ?」


店員「あの、木のコップもあるのですけど、それも買いますか?」


俺「落としても割れないし、いいわね買うわ」


木でできてるけど薄くて軽いコップは気に入った

木のスプーンも可愛いから買った

斬鉄が木箱ごとヒョイっと抱えたから、店員が腰を抜かしてた。木も重いもんな


店を出るとすぐにアイテムボックスに入れた。


さて、ヴラドの言ってた可愛い便箋の店は…

あっちだな!


「マリーじゃないか、サイモンは?」

後ろから声がして振り向くと、隣の店からスコット達もちょうど店を出て来た所だった


「防具屋に女の子は入れませんでした

ジョナサンとジェイコブがサイモンの防具を見繕ってますわ」


モーリス「そのリボンは買ったのか?」


「モーリスさんは気付くのが早いですわね。ええ、あっちのお店で買いましたの」ドヤ顔


スコット「マリーによく似合ってる可愛いよ」


フレッド「マリーウェザーは何でも似合っていいな」


スコット「マリーはこれからどうするの?」


「お花の便箋を見に行きます。おにーさま達もご一緒しますか?」


そこからスコット達と一緒に向かった

俺は爆買したのを言わず、店に入ったとだけ言っておいた

スコット達は本屋にいたようだ

適当に時間が潰れるし、学生だとちゃんと思われていたから店員に作家シェルタニアのコーナーに案内されたようだ


スコットがエスコートしてくれて雑貨屋に入る。

なるほど、女の子受けを狙った店だな

花柄やリボンやパステルカラーが目に入った


店員「いらっしゃいませ、何をお探しでしょうか?」


俺「便箋を見に来たのよ、人気の柄はあるかしら?花柄があるとうかがったの」


店員「お嬢さんのように幼いレディにまで知りおいて下さるとは

こちらの便箋が今1番人気でございます」


俺「値段も手頃で見栄えも良くて流行りのポンパドール風でちょっとボリューム感のある膨張色ね!

なるほど、これが女の子に人気なのね!買うわ!」


スコット「マリー他も見ないの?即決過ぎない?」


俺「他も見て良かったら買いますわ、便箋はその日の気分で柄を変えれば良いですし、腐るものでもないですから。おばあちゃまにお手紙を書いたら喜ばれますわ

おにーさまもおじいちゃまに書きましょう」


男の子が使う便箋はシンプルだ

ただ薄い青の便箋があったから手に取った、ほんのり染料の香りがして良かったからついでに買った


スコットは栞を見ていて

モーリスは中古本のコーナーにいた。

雑貨屋にも本があるのか、学生の手書きのコメントが残されていた

使わなくなったのを売りに来たのかな?

フレッドは店内の椅子に腰掛けて休憩していて、お茶を飲んでる

お茶が出てくるなんて雑貨屋とはいえ貴族御用達の店だな


目についたものを全部買ってヴラドと斬鉄が荷物持ちをする

みんなの前でアイテムボックスに収納出来ないからだ


すると寮にまとめて届けておくよ?と店主から申し出があったからお願いしておいた。

そーゆーサービスもしてるのか!

店のロゴがはいった木箱に入れて届ける宣伝効果も狙ってそうだ


モーリス「金持ち貴族の衝動買いを初めて見たよ、マリーウェザーは小さいのに買い方が豪快だな」


スコット「マリーは観光地でも端から端まで買うをしていたね…」


フレッド「はぁ、もう疲れた

小さくても女の買い物は豪快だな」


俺「フレッドさんはずっと座っていたじゃない

そろそろお昼が近いですね、お腹が空いて来ました

待ち合わせの場所に行きましょう

ランチのお店はどこが良いかしら?」


店主「大勢いらっしゃるなら表のラ・パウダはいかがか?個室が広いのです」


俺「以前、研究所のオペルート所長と入った事がある店ですわ」


モーリス「もしかして高級食事処か?今日はそこまで持ち合わせはないのだ…」


俺「学生が入ってキャッキャ騒ぐ店ではないですわね…。

店主マスターちょっと騒いでも怒られなさそうなお店はご存知?」


店主「多少はしゃいでも良い店ですか…それでしたら、フォレストガーデンはいかがでしょうか?」


山側に店があって木漏れ日の外のテラス席なら目こぼしされると、大通りから外れてて人通りも少ないし良さげだ。

ヴラドが店のスタッフと先触れ(予約)しに向かった。


スコット「マリー疲れたんじゃない?」

スッとスコットが俺を抱っこして待ち合わせの場所に向かった。


すると防具屋の前に人だかりが出来ていた。

昼間から喧嘩か?

こんな貴族の来る場所でアホじゃね?と思ったらジョナサンとジェイコブが掴み合いの喧嘩をしていた。


俺「あいつら何やってんだよ…うわぁ恥ずかしい

斬鉄2人を止めてきなさい!」


斬鉄がハイと元気よく返事をして走ると、2人の間に入ってグワッと引き離した。


斬鉄「お嬢様の命により介入いたしました

他の方のご迷惑になりますので終わらせて下さい!」


モーリス「すごいな、何て馬鹿力だ!」


フレッド「子どもと侮ってはいけないな、さすが農家の息子!」


ジョナサンは初めて見る少年の斬鉄に驚いていて

ジェイコブは周りを見て俺を見つけると駆け寄ってきて


ジェイコブ「マリーウェザー、サイモンは鎖帷子の方が良いと思うのだ!」


俺も忍者式の鎖帷子がサイモンに合うと思ったよ?


ジョナサン「だから皮の方が良いと言っている!」


俺「喧嘩の原因はそれですか?両方買えばよろしいのですわ!

店主マスターご迷惑をおかけして申し訳ございません

お詫びに両方買いますわ、ついでに膝当てと肘当ても下さる?

サイモンのサイズで揃えて寮までお願い出来るかしら?

皆さんもお騒がせいたしました。

代金は後ほど寮でお支払いいたしますわ」


フレッド「ここでも爆買いしてる!」


モーリス「財力でで即決ならぬ、問題解決したな」



するとヴラドが店の影から現れた。

分身に予約を取りに行かせて本体は俺の影にいたのだろう

賢いね全く


ヴラド「予約がとれました」


俺「さあ、お昼を食べに行きましょう

お腹が空いてるから喧嘩になるのよ若者たちよ」


スコット「マリーが1番若者だよ

サイモンも大変だったね」


すまねぇ、こいつらを放置して置いてった俺が悪いのか…

保護者がいなければならないやつらなんだな。

いつの間にか斬鉄が馬になっていたから乗せてもらった


不貞腐れてるジェイコブを斬鉄に一緒に乗るかきいたら乗ると答えた。

顔が喜んでるあたり乗ってみたかったんだな

わかるよ斬鉄でかくてカッコいいもんな


ジェイコブ「うぉっ、他の馬よりも高いな!

アハハすごい体躯がしっかりしてる!見た目よりも名馬だな!」


「斬鉄は走っても早いのですわ!レースで1番を取りますわ!」

俺もドヤ顔して褒めとく


ジェイコブ「マリーウェザーはこんなリボンをつけていたか?」


俺「んまぁ、今頃気づいたの?

女の子の髪型はすぐに気づかないといけませんのよ?」


ジェイコブ「うっ、髪型などしょっちゅう変わるではないか」


俺「女心がわからないと苦労しますわよ」


「そんことはない、それよりも――」

ジェイコブは話題を変えて、サイモンの防具の話しに戻った。

根に持つタイプなのか?


ジェイコブ「サイモンは鈍臭いしナヨってるから鎖帷子でしっかりと体を覆ったほうが良いのだ」


俺「わたくしも鎖帷子の方がサイモンに合ってると思いましたわ」


ジェイコブ「そうであろう?ホラ見よジョナサン!」


そこでジョナサンに振るなよ、また喧嘩になるだろ!

ジョナサンもムッとして


ジョナサン「皮の方が軽くて使いやすいのだ!サイモンは成長期だから皮の方が買い替えても安いし

剣術クラブ程度の打ち合いで鎖帷子はやり過ぎだ」


俺「確かにあそこの防具屋の鎖帷子はデザインが本格的すぎますね

もしかしてクラブで使ったらサイモンは笑いものですか?」


ジェイコブ「怪我をして青あざを作るよりかは良いだろう?基礎練習しかしてない今はいいけど、打ち合いが始まる最初の間だけでも使っておくべきだ」


ジェイコブなりにサイモンの心配してんだな

いいヤツじゃん


俺「鎖帷子を解体して服の内側に着れるように、作り直しましょう。一見しただけではわからないようにします

よく打ち合いで狙われる胴体と肩から腕と太ももから下の部分をカバーできれば良いのよ

一回生のクラブの打ち合いで首から上は狙わないでしょ?

省いた分軽くなるわ。

その上から皮を着てもいいのよ

ちょっと打ち込まれたくらいじゃびくともしないわね」


ジェイコブ「解体?!そんなもの出来るのか?」


俺「研究所の知り合いにそーゆー解体が出来そうな人がいますから。防具が届いたら見せに行きますわ」


自分で錬金術で錬成し直すんだけどな。



そして、木漏れ日のフォレストガーデンは

想像よりお洒落な貴族向けの店だった。

2階の個室が高そうな感じだ


そして、メニューがない

店員さんにいちいち聞かないといけない。

それが貴族のレストランでこの世界の当たり前


俺「何がオススメですの?」


注文係ウエイターが俺を見てニコッと笑って

デザートにケーキが出るビーフソテーのセットを勧めてきた。

昼間からビーフソテーな…


スコットが笑って

「マリーはそんなに食べれないよ、軽いものは何がある?」


ガレットがあるというからそれにした

そば粉と小麦粉を混ぜたクレープみたいなやつだよな?

トッピングで卵を乗せて焼いてくれるらしい

卵は標準装備だと思ってた

話を聞くと俺の思ってたガレットじゃなくて、薄い千切りにしたじゃがいもに生地を混ぜてお好み焼き風に焼いた方のガレットだった


スコットとサイモンとモーリスは鳥の煮込み料理を頼んでいて

ジェイコブとジョナサンとフレッドビーフソテーをガッツリ


昼間は学生向けのメニューがあるようだ

あの店主はモーリスの不安そうな顔を見て安めのメニューを置いてる場所を教えてくれたのだろう

貴族もピンキリだからな。

俺の爆買いで金持ち同士の集まりだと思ったのかもしれない

友達同士で奢ったりするのは、よくあるけど奢られっぱなしは嫌だよな


無料で飲める水が出てくるのは、日本くらいだ!

その事を忘れていた、そして氷の入ったお冷は存在しない

氷は頼まないと出てこない高級品だ

冬の間に凍らせて地下に保存してある分だけ

お酒に割って飲むロックが使い道の大半


製氷機作ったら市場が荒れるほど儲かるだろうな


スコット「さっぱりした果実水があるなら早めに欲しい、歩き回って喉が乾いたのだ」



そしてすぐに果実水がピッチャーで運ばれてきた。

給仕係ウエイトレスがコップに注いでくれて

俺からした常温のちょっとぬるく感じる果実水をチビチビのんで

みんなは飲み慣れた果実水をグイッとあおって、お代わりをしていた


常に給仕係がついていてくれる

当たり前だけど貴族のレストランなんだな


しばらくして料理が一気に来た。

出来た順じゃないの?

肉系が並ぶ中、ガレットデカかった


ピザみたいに切り込みが入ってた。


俺「アハハ、さすがに無理ですわ

皆さんも一切れづつ食べて?

サイモンはやめておきましょうか、多分小麦粉が入ってるわ。そば粉のガレットではなかったの」


俺は給仕係に小皿を全員分頼んでガレットを分けてもらう


俺の前にはちょうど良い大きさのガレットが一切れ来た。


ジェイコブ「マリーウェザーはそれだけか?」


「女の子ですもの、このくらいでよろしいのですわ」


じゃがいものガレットはこんがり焼けてて美味しかった。


モーリス「そば粉のガレット?」


スコット「僕らは去年領地で食べたよね」


サイモン「そば粉のガレットです、こう、生地を薄焼きにして卵が乗っててハムと野菜もあって彩りが良くて」


ジョナサン「北の国の郷土料理らしい、ダビルド公爵領ではガレットはそば粉のほうをさす

コルチーノはダビルドの民がよく向かうからな、そこから広がったのではないか?」(※冬の前に逃げてくる貧民のこと)


俺は食べながらお行儀が悪いけど

そば粉のガレットを絵に描いた


フレッド「ああ、それなら女の子向けのランチにちょうどいいよ

マリーウェザーがあのデカいのを頼んでたから驚いたよ」


俺「フレッドさんは知ってたら言ってくれればよろしいのに」


フレッド「シェアするのかなって思ったんだよ、だから切り込み入ってただろ?」


ジェイコブ「私もシェアすると思っていた、ガレットは腹に貯まるしよく食べていたからな」


ガレットって庶民料理じゃないの?

トッピングで貴族向けになってたりするのかな?

ここのは学生むけのボリューミーでコスパ料理だよな


一切れでお腹にたまった。

厚みもあって、じゃがいもだからか?炭水化物すげぇーな


テーブルを片付けると紅茶が出てきた

学生でも貴族の店だな


俺はお手洗いに向かう

すると厨房から声が聞こえてきた

恰幅の良い男のコックさんが怒鳴っていた

「これが最後だったのに何てことをしてくれたんだ!!」


「も、申し訳ありませんすみませんごめんなさい!」

覗き見ると水浸しの桶があって新人っぽい人が怒られていた。


ヴラド「どうやら、地下の扉を開けっぱなしにしていたようですね

冷気が逃げて氷が溶けてしまったようです…

お嬢様、何もしてはなりませんよ?」コソッと


「わかってるよ

ってかいつから知ってたの?」


ヴラド「ここに来た時から店の様子を伺ってました」


俺がウロチョロしてたのをウエイトレスが見つけて声を掛けてきた

「いかがなさいました?」


「声が聞こえたものですから足が止まってしまいましたわ」

と言って去ろうとしたらウエイトレスが事情を説明してきた。別に聞いてないんだけどな?


給仕「今晩アカデミーのお客様の予約が入っておりましたの。学生さんですけどお酒を召されるようで氷が無いと…」


氷がないと怒られるって?そりゃ大変だね


俺「他の店から買えないの?」


すると、別のスタッフが走ってきて

「氷買ってきました、地下に入れときます!

今日の分はコレでいいですが…明日の分はもう無いです」


そして、泣きながら新人スタッフが店を出ていった

氷を買いに行かされたらしい


ヴラドが俺の背中を押してテラス席に戻った。

すると、そこにエジソンがいた。


スコット「マリー、エジソン殿がマリーに用があって寮まで行ってたんだって」


エジソン「寮に行ったら街に降りてるときいてな、学友と遊んでいたならすまない。また今度にする」


俺は運命じゃないかと思ったんだけどな


俺「いえ、丁度わたくしも用がありましたの、トーマスさんの研究室に今から向かいますわ」


スコット「え、マリー今から?」


俺「皆さんも研究所に来ますか?

図書室はそれなりに充実してますのよ、ねぇ?

将来のために見学してもいいかしら?

トーマスさんご迷惑じゃなくて?」


エジソン「研究室にうろうろされるのは困るが資料室なら構わないだろう

それで、私に用とは一体なんだ?」


俺はサイモンの防具の解体と加工を手伝って欲しいと頼んだ。


ジェイコブ「研究室にいる解体が出来そうな知り合いか!」


斬鉄に乗ってみんなで研究所に向かう

俺「ついでに製氷機を作りませんか?」コソッ


エジソン「ついでに作るものでは無いのだがな…実はこの前の凍るルーンで色々と実験をしていたのだ

やりすぎて手が霜焼けになってしまった」コソッ


それ凍傷っていうんじゃね?指先が真っ赤になってた

バナナ軟膏を出して塗りながらエピスキーのルーンで指先がみるみる綺麗になっていった。


エジソン「相変わらず規格外だな…」


ヴラドに頼んで防具屋で鎖帷子だけ先に回収する


研究所に着いたら、俺たちを歓迎してくれて

クリス先生に

「今日はお友達をたくさん連れてきてしまいましたの端からジェイコブ、フレッド、ジョナサンですわモーリスさんは前に紹介しましたね

今日は急に来てすみません」


クリス「んまぁ、お友達がたくさんできたのね

カレッジが楽しそうなのは一目でわかったわ。クリス・ロイドよみんなマリーウェザーちゃんをよろしくね。ウチの可愛い救世主アイドルよ!

歓迎するわ、トーマスの研究室にみんなで向かうのかしら?」


みんなをとりあえず資料室に案内してもらって

ヴラドが持ってきたように見せかけてお菓子を出した。

他のスタッフ達がわらわら出て来て、カレッジの後輩たちに先輩風吹かせてあれこれテストの話をし出した。


その間にヴラドとエジソンの研究室に向かう

テーブルの上がごちゃごちゃしてたから鎖帷子を地面に置いて


俺「先にこのダッサい鎖帷子を忍者風にする!」


ヴラドはブフッと吹いてエジソンはわかっていないようだった

ヴラドがエジソンに経緯を説明していて


俺は賢者の杖で中級錬成陣を展開する

前世のタートルネックのインナーのようなデザインで作り、肩と肘周りは開けておく。


ボディ(マネキンの事)を作って着せてみて関節が動かしやすいか確かめる


ちなみに防具屋の鎖帷子は、下はズボンではなくスカートなんだよな

俺は股空きタイツのような鎖帷子を錬成してボディに履かせる。膝周りもあけておく


だいぶ忍者っぽくなったかな?


エジソンがヴラドの説明で忍者とは何かを考えていて

俺が忍者の絵を描いた。


ヴラド「戦国時代からいたようですから、もしかしたらどこかの国に似たような組織があったりして?」


エジソン「むっ、君達はどこで知り得たのだ?」


俺「ふふふ、ダンジョンですわ!またルーンダンジョンに行きましょう!近くです」


面倒な事は全てダンジョンのせいにする

ダンジョンにロマンを抱く男、それがエジソン!


ついでに製氷機の説明をする

つい先日の事なのに、俺のデザインした業務用の冷蔵庫っぽいのが出来ていた。

厨房のテーブルの下に置くような横長のものだ


小型の木箱の上の段に氷を入れて下に落ちる氷の冷気で冷やす冷蔵庫ならだいぶ前に商人が作って特許を取っていたそうだ。

原始的だよな


冷蔵庫が冷える仕組みを前回エジソンに説明して

気化熱による冷却システムをエジソンが再現しようとしてる。

水道もないのにエアコンから水がでる仕組みだな


エジソンは楽しそうにヴラドと話をしていたけど

俺も仕組みをそこまで詳しく説明できない

ヴラドも所詮学生の知識だ。

そのうちエジソンが自分で見つけるんじゃないかな?


ヴラド「くっ、もっと勉強しておけば…」


俺「そのセリフはまだ早いだろ、今から勉強しなさい!」


ぐはぁ、ブーメランだ!


と言うわけで、気化熱による実験をする

帰化しやすい液体ですぐに手に入りやすいのはアンモニアとアルコールだ

とりあえずアルコールを錬金術で精製する

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