表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の異世界冒険記!  作者: ワシュウ
領主の娘 領地に行く
101/384

隣国のダンジョン 獣人レオン編2

獣人レオン視点

俺の弟を抱きしめた輝くような美しい聖女が涙を一滴流した。


綺麗だ、と思った。


シルバがペロリとその涙を舐めて尻尾を振っていた。

舐められた聖女はそれを受入れているように見えた。

俺達は獣人は呪われた邪神の使い、異形、怪物、そう人間には言われている。


このアルラシードの国では俺たち獣人を見つけると疫病の元だとか言われてすぐに殺されそうになるから、ずっと隠れて住んでいたのに。


ある日、誰かが星空を駆けた天馬を見たと言ってたんだ。

真っ白くて輝くような美しい天馬が夜空を駆けていたって、願い事が叶うと誰かが言い出したんだ。

美しい天馬に願いを込めて祈るだけ、それだけ、弟達は里から出て星の見える丘まで行ったんだ。


まさか人間に見られてたなんて・・・。

それからすぐに砂漠の貴族の私兵が俺らの村を焼いた。戦った虎族や狼族もいたけど、戦える人数が違ったんだ。


俺のかぁちゃんは病気で死んだし、とぅちゃんも狩りから戻って来なかった。


もぅ、帰る場所なんて何処にもないんだ。


聖女「その天馬って・・・たいし

大した事ない馬だよ!願いを叶えたりなんかしないからね!

何を叶えたいのか知らないけど、自分で頑張りなさい」


シルバ「星になったお母さんにもう一度会いたかったの」


聖女「ぐふぅ!

ごめんなさい、自分じゃ叶えられない夢もあるわよね。

ヨシヨシイイコイイコ、おねーさんの胸で好きなだけ泣きなさい」


シルバが聖女様の胸をペロペロ舐め回していたのに、怒るどころかシルバの頭を優しく撫でて慈愛の瞳で見ていた。

本物の聖女様だ、俺はこんな優しい人を怒らせようとしていたのか?

自分の愚かさが嫌になる、聖女様からは甘くて優しい、いい匂いがした。


「聖女様達は知らないだろうけど、少し前に邪教がこの国に蔓延っていたんだ。

飢饉の上に疫病まで流行って、懇意にしてた近くの人間の村を邪教の奴らに潰されたんだよ。

それで母さん俺らの為にいつも無理してて、無理してるの知ってたのに・・・俺は何も出来なかったんだ。

さっきあんたに言われて、悔しかったんだ。

口先だけで何もしてなかったって本当だよ。

聖女様が自分は無力だと言って、それでも何とかしようと色々と考えてくれてたのに。俺っ、すみません」


聖女「ぐはぁ!・・・もぅ、やめて

それ以上言わないでぇ、ウッ、グズッ

本当にごめんなさい、うぇぇん、ごめんなさーい」


「そんな、あんたが謝る必要ないよ」


聖女が泣いてた。

俺を慰めて泣いた。

俺の為に流した涙が彼女の頬を伝うたびに、俺の胸がドキドキした。

イケない事だと分かってても、俺も自分の匂いを彼女に擦りつけたくなった。キューンキュンと鳴きそうになるのをグッと我慢する


シルバが遠慮なく腰フリしてるのに、人間の女がそれを許すのか?俺たちを受入れるのか?


聖女は不思議な人なんだ。優しくて甘くていい匂いがした。



兄殿「マリーもしかして?」


聖女「おにーさま、力になってあげましょう!

あっ、ターンアンデット!

とりあえず散らばったケモ耳の回収と追っ手を巻きますよ!シルバくんそろそろ離れてくださる?

わたくしは戦いに行きます!」


シルバ「嫌だ行かないで聖女様!

僕を護ってくれるんでしょ?離れたくないよキューンキュンキュン」


聖女「分かったわ!しっかり捕まってなさい!」


聖女が何も無い所から板を出した。盾にでもするのかと思ったけど違った。

聖女が乗った板が浮いたんだ。そのまま迷宮の上空をどんどん登って壁を越えた。

はためくスカートから白くて齧り付きたくなるムチムチのお尻と太ももが見えた!

子どもをたくさん産んでくれそうなお尻だった!


兄殿は美しい聖鳥にまたがり飛んで、目つきの悪い天使様も飛んで、黒い執事にもコウモリのような翼が生えて飛んで行く。

今更だけど、こいつら人間の匂いがしなかった。


「そ、そんな、みんな飛べるなんて!待って下さい聖女様!俺も連れてって下さい」


聖女「あなたはそこでデュランと待ってなさい、お仲間を回収してくるから」


シルバを抱えたまま、颯爽と手を振っていた。


このゴツくて怖い漆黒の騎士としばらく待っていたら、コウモリに抱えられて真っ黒になった猫族や虎や狼もいつの間にかこの洞窟に逃げ込んでいたみたいだ。


聖女「エリアヒール!

あなたは、怪我が酷そうね上級ハイヒール キュア みんな随分汚れてるわね!清浄化クリーン

皆さん大丈夫ですか?」


タイガ「これは・・・奇跡だ!腕がもう駄目だと思ったのに!

まさか、人間に助けられるなんて!?クッ殺せ!」


聖女「おしい!クッコロなんてセリフは女子が言うものよ!男のくせに女々しい奴だな」


タイガ「ガッ、女々しいだと?!」


ヴォルガ「あんたは何者なんだ!俺たちをどうするつもりだ!?人間なんて信用出来ない!」


レオン「待ってくれ!彼女は違う!俺たちを助けてくれたんだよ!彼女は普通の人間じゃないんだ!」


ミーニャ「聖女様ありがとうございます!奴隷紋がなくなりました!わたしたち自由なのね?ありがとうございます」


そこでようやくヴォルガもタイガも自分の奴隷紋が消えてる事に気がついた。

聖女の奇跡の御業に跪いたんだ。


それから、馬車に縛られて捕らえられていた仲間達も開放されて、傷を癒やされ奴隷紋から解放された。


「ねーちゃん、ゴメン俺のせいでグズッ」


ジル「レオン!無事だったのね!」


聖女「兄妹でみんな似てないのね・・・お姉さんフレンチブルドックなの?」


ジル「聖女様!はっ、シルバが大変失礼をしてすみません!離れなさい!聖女様に無礼でしょ!」


シルバ「キャンキャンキャイン!

ヤダよ離れたくない聖女様好き!キューンキュン」


聖女「よいのですわ、幼子を無理に離すのも可哀想ですもの。わたくしは粗相しても気にしませんよ」


ジル「人間の女の人とは思えない慈愛だわ・・・信じられない!聖女様わたしたちの罪をお許し下さい」


聖女「・・・あなた方に罪などありませんよ。

人間は生まれながら罪深い生き物です、願わくば私たちの罪を許してください」


聖女の言葉に他の奴らが感動に打ち震えていた。

俺らは生きてるだけで罪深いと人間達に言われていたのに、聖女様の言葉は救いだった。



聖女「ミーニャちゃん、あなたは怪我はもう大丈夫なの?奴隷紋の跡を見せてくださる?

何も残ってないわ、焼きゴテ?呪系なの?

あ、お菓子食べる?頭を撫でてもいいかしら?厶フフ」


ミーニャ「ゴロにゃーん」


白銀の聖女は種族を問わず獣人に纏わりつかれているのに、心から楽しそうに笑っていた。

彼女から与えられるお菓子も、今まで食べた事がないほどの美味しいお菓子だった。

何も無い所からどんどん出てくる、素晴らしい聖女の奇跡だ。


甘くてとろける味のお菓子は、まるで彼女そのもののように儚く溶けて消えた。

食べてしまったのがもったいなかった。

胸がドキドキして苦しくなった。


キューンキュンと鳴く声が自分から出てるのに、言われるまで気が付かなかった。




「どうか俺たちを聖女様の国に連れてって下さい!お願いします!」


聖女「私の国は雪国なのよ、庭にまだ雪がつもっているの。この国のように暖かくないの・・・ごめんなさい

その獣人の里にはもう帰れないの?」


「焼き討ちにあいました、帰った所で何もない野垂れ死にです」


聖女「あっ、偉大なる賢者さまから連絡が来たわ!

受入れて下さるかもしれないわ。

ただ、この国にもう戻って来ることが難しいかもしれないけど覚悟はあるかしら?」


「賢者様?

あの奇跡の聖杯をこの国にもたらしたとの噂の大賢者様の事ですか?

聖杯も賢者も夢物語だと思っておりました。

実在するのですね?賢者の聖杯は万病に聞くと。

もっと早く知っていれば、母は・・・くっ

嘆いても仕方ないですね」


聖女「賢者の聖杯は軽い怪我が治るだけですよ?

噂が1人歩きして大きくなってるのね。

病気はエリクサーじゃないと治らないわ、コレよ!

わたくしもそこそこのエリクサーは作れるけど、大賢者様は高レベルのエリクサーを作るのよ!

あなた達がさっき食べたお菓子も賢者様からの施しよ!偉大なる父のような大賢者様よ」


聖女様は賢者様と親しいようだった、そう言えば聖女様の噂もよく聞くけど王族の人気集めや偽物が多くてどれが本当か分からなかった。



デュラン「押し付け先が大使からロバート殿に変わっただけですか」


ヴラド「怒られませんか?知りませんよ」


『いい加減そのクソ犬捨てろよ!お前気づいてないかもしれないけど、ヨダレでチクビ透けてるからな!』


デュラン「あっ、本当だ我が君ヤバい!」


ヴラド「こちら、上着でございます!」


聖女「ヨダレくらい、ヒンデンブルグだって垂れてたし!別にいいよ。清浄化クリーンあれ、ヨダレは乾かない?

けど汚くないよ?ヨシヨシ」


シルバ「キューンキュン聖女様、好き好き」


聖女「ヨシヨシイイコイイコ

あっ、ちょっとだけ行ってきていい?呼んでるからロバートさんとこ行ってくる。

シルバくん付いてくるの?アバター剥がれて幼女になっちゃうよ?」


「え!あの、聖女様の本来のお姿は秘密なのでは?

俺もお供します!お願いします弟の面倒は必ず見ます!俺も連れてって下さいキュンキューン」


少しだけ困った顔をしたあと、聖女は承諾された。

お供にありつけたのだ。俺はお側にいることを許された、震えるほど嬉しかった。

そして、俺とシルバと兄殿と天使どのと何故かミーニャまでがお供に。


聖女「デュランとヴラドあとよろしくね、とりあえず聖域魔法陣サンクチュアリサークル

みなさん、わたくしが戻るまでこの結界から出てはなりませんよ?食べ物の置いていくわ、デザートに赤い実でも食べてて下さい!

デュラン達も食べてていいからね。行ってきまーす」



暗い穴が足元に出来て、一瞬だった。

次に目を開いたら、とても寒い部屋の中にいた。そして


シルバ「あっ聖女様小さくなったの?クンクンクンクン」


聖女「ちょっ、シルバくん?

えぇ、俺のが小さいんかい!?あっ盛らないで!ちょっと待って!助けて」


スコット「わぁマリーが盛られてる!コラもう離れなさい!」


「シルバいい加減にしろ!

すみません、聖女様大丈夫ですか?あのここは?あっ窓の外に白いあれは雪ですか?」


ミーニャ「聖女様小さくても可愛いにゃん」


聖女様は天使に抱えられていた。

天使が幼子を抱いているだけなのに神々しく見えた。


聖女「ここは、ロバート・マックイーン様のお屋敷よ

わたくし達は、賢者や聖女である前に一人の人なのよ、それぞれの生活があるの。

わたくしはマリーウェザー・コルチーノ。

賢者様も自宅では名前で呼ばれたいのよ。

ロバートさんとお呼びしなさい。わたくしはマリーウェザーよマリーちゃんでも何でもいいけど、聖女や賢者呼びはこの屋敷では禁句よ?

わかりましたね?ミーニャさん?」


ミーニャ「わかった、マリーウェザー様もお貴族様だったのね?粗相は打首になるの?」


聖女「私はしないわよ。(他は知らんけど)

わたくしは貴族だけど、ロバートさんは違うわよ?グスコーブ商会の職人さんよ。少しは安心できたかしら?迎えが来たわ行きますわよ?」


それから案内された部屋は暖炉があって暖かくて、異国の高級紅茶と先程マリーウェザー様が出してくれたお菓子と似たような物があった。


ロバート「やぁ、いらっしゃい。何もないけどゆっくりしてってね?獣人なんて初めて見たよハハハ」


賢者様はとても優しそうな人だった。

もっと怖いおじいちゃんを想像していたのに随分と若く見えた。若返りの秘薬でもあるのだろうか?


テーブルのお菓子を摘んだ、それはとても美味しかった、まさしく、この方が賢者様なのだとわかった。


マリーウェザー様がまるで子どものようにあしらわれていて、ロバート様は父親のようにドンと構えていた。


何か難しい話をしていて、お菓子がなくなると次のお菓子が出て来た。

ミーニャは冗談でここのうちの子になると言っていた。


聖女「今からわたくしの領地に行きますわよ?

アルラシードの人たちは楽園と呼んでる所ですけど」


「え!ヴァルハラですか?俺たちを剥製にするのですか?」


聖女「何言ってんの温泉街だよ?まあ行けばわかるよフード被っててね」


そして再び足元に暗い穴が出来て次に目を開けたらそこは不思議な街だった。

夢を見ているんだ、きっとそうだ。


夜中でも人が行きかい、とてもにぎやかで、屋台がたくさん出ていて、そこらへんから食べ物の匂いがしていた。


「ここは、この街がヴァルハラ?」


聖女「コルチーノ伯爵領の温泉街だよ。

宿屋や飯屋なんかも増えましたね。足湯は相変わらず凄い人たちだ!増やしたって聞いたけどどこだろ?」


スコット「たくさん人がいるね、足湯のもう一つはお祖母様の神殿近くに予定してたけど、もぅ出来たのかな?」


ロバート「これだけ人がいたら私達も紛れるかな?」


聖女「あっ転移魔法陣だ!ムラマサ、トモエ!おにーさま達をよろ」


「あっ、聖女様!賢者様!」


スコット「あっ、マリー!どうしようロバートさんまで行っちゃった!」


ピッピ「スコット 大丈夫 すぐに戻る クワァ」


トモエ『観光されますか?お食事処とお土産どちらがよろしいですか?』


ムラマサ『今なら秘湯があいてますが、兄上殿いかがなされる?』


スコット「秘湯って、船着き場の露天風呂?今空いてるんだレオンくん入る?

あっ、ミーニャさん女の子だもんね流石に一緒に入るのはマズいかな」


ミーニャ「私は男の子ですよ?秘湯って、ヴァルハラの命の暖かい泉の事ですか?

入っても死なないのですか?」


スコット「楽園の次はヴァルハラなんだ・・・

ただのお湯ってわけじゃないけど気持ちいい所だよ?

ハァ、僕もマリーに毒されちゃったかな。

気軽に今日あったばかりの人たちと温泉だなんてハハ」


異国の変わった服をきたトモエとムラマサ殿が近道があると言って、店の裏手を歩いて行くとすぐに秘湯についた。


暖かい泉がわく不思議な場所だ。

独特の湯の匂いだ、飲んでみたけど不思議と体がポカポカしてきた。


スコット「えっ、飲んだの?大丈夫かな、お腹壊さない?飲むんじゃなくて服を脱いでこうやって」


兄殿が服を脱いで泉に入った。


スコット

「ほぉーっ、久しぶりだ。

マリーがよく行きたがるのがわかる、冬場は特にあったまるー」

傍らにあの鳥がプカプカ浮いていた。


ミーニャはさっさと脱いだけど、ソロリソロリと足を入れて熱いと飛び跳ねてから、トポンと入った。


俺も入る、疲れて寝てしまったシルバをトモエとムラマサが面倒を見てくれると言うから任せた。


「ふぅ~、熱い湯に入るなんてしたことありませんでした」


スコット「湯浴みはしないの?いつもはどうしてるの?」


「その、俺らの里は海が近いですし、少し先に川もありますから水浴びをたまにするくらいでした」


スコット「アルラシードって冬でも暖かい国だね、ここは雪国だから驚いたでしょ?

あの向こうに見える山は真夏以外は雪で白く見えるんだ」


「あの山は俺らの国との国境の山脈ですか?」


スコット「ああ、ハインツ辺境伯の山とは別だよ。ここはもっと国の北側だ」


兄殿に領地の事や国の事を聞いたけど、半分も分からなかった。

学のない俺らでは話について行けなかった。


トモエ『のぼせる前に出ましょう。果実水です

(ピクッ)ご主人様が戻られました』


ムラマサ『行って参る、御前を失礼いたします』


トモエにタオルを借りて体を拭き、ユカタ?異国の変わった服を着せてもらい、果実水を飲んだ。体に冷たい果実水がしみていく。

体がポカポカ暖かくて気持ち良かった。


ミーニャ「上等な布だわ、巻き付けて着るなんてすぐに脱ぐため?

暖かい泉巡りの為なの?!ここの人間は水浴び好きなのね」


スコット「わぁ浴衣だ、着てみたかったんだよねハハ

頭にタオルを巻いたの?レオンくん様になってるよ」


それからすぐにマリーウェザー様があらわれた。


聖女「おにーさまお待たせいたしました!

あら、浴衣似合いますわね、混浴露天風呂に入っていたのですね。」


スコット「トモエが出してくれたんだ、温泉久しぶりで気持ち良かったよ」


ロバート「早速ですけど、第2ステージへ行きましょう。スコット様こちらを」


マリーウェザー様が何かの木札をスコット様に渡していた。

案内されたのは、歩いてすぐの林の中だったのにモヤモヤと霧が出てきたと思ったら


「ここは?さっきの賑やかな街とは違う!静かだ・・・誰もいない?何ですか?」


聖女「うまく実装されてて良かったです」


ロバート「本当、5分とかでよくやるよ」


スコット「マリーここは開拓区なの?喧騒が無くて静かだね」


聖女「そのうち川のせせらぎとかBGMつくと思います、足湯にポーションとエリクサー入れときましょうか。はい、トポトポと・・・

さて、この場所は開拓区ですけど、裏側といいますかB面と言いますか、獣人達の村です。

木札が無いと人間は入れません、出ていくことは可能ですけど。

フードを被ってこっそり出て居るもの買い物でもなんでもしてください。

並んでる家の間取りやデザインは全て同じです。時間が無かったので、自分たちで後は好きに改造してください。」


「ここが獣人達の村ですか?」


ロバート「君たちが安全に暮らせる場所だよ、本当の意味で隠れ里ってとこかな」


「大賢者様!ありがとうございます!」


聖女「賢者様の御業に感服いたしましたわ、わたくしのような小娘ではとうてい成し得ない奇跡ですわ!」


ロバート「あっ、そう来るか!この前の二番煎じなのに言われてしまった。

あっ、君たち違うんだよ、私じゃないんだよ!」


聖女「まぁ、ご謙遜を!

賢者様の奥ゆかしさに心からのエールを送ります!

ホラありがとう言って」


ミーニャ「大賢者様ありがとうございます」


ロバート「くっ、やられた!またこのパターン?」


聖女「こんなちびっ子が作った村より"大賢者が創った村"の方が安心感が違いますから!

ちゃんとロバートさんの料理で餌付けしておきました。

土地と建物だけ提供したんで、統治お願いします!」





そして、すぐに洞窟に置いてきたみんながこの新しい街に来た。


みんな最初は人間の街に驚いていて、ヴァルハラだと説明すると涙を流して現世と別れを惜しむやつもいた。

大賢者様の作った不思議な場所は、街の門の外にある林を歩くとあの賑やかな人間の街に出る。


すぐ近くに屋台があったのに、この場所には匂いが届かなかった。

きっとこちらの匂いも届かないのだろう。

こんなすぐ近くに、人間が住んでいるのに、凄い奇跡だ。


大賢者様の御業に恐れ入り足が震えそうになった。

虎族は解っていなさそうだけど、狼族の奴らは解ったみたいだった。


聖女「簡単にルール説明します

1番、無闇に人間を襲わないように!

ここはわたくしの家のコルチーノ領地ですから、領民たちはわたくしの民です。

2番、仲間内で喧嘩してもいいですけど、自分たちでちゃんと仲直りしてください。

3番、出来るだけバレないようにしてください。

獣人は珍しいので誘拐されるかもしれません。

ここは国中の人間が観光に来ますから、悪い人も良い人もたくさんいるのです。

わかりましたね?

大賢者様の教えです!皆さん守りましょう」



ロバート「最後そう言うと思った!

はぁ~、もう良いですけどね。

とりあえず皆さんには、奥のカカオと薬草園の管理をお願いします。

畑の野菜は食べて良いですから、どうにか自給自足を目指しましょう。

無くなったら種はまた届に来ますから」


聖女「マンドレイク植えないんですか?」


ロバート「管理に困ります、絶対にもて余しますよ?秘薬にもなりますけど今は作りたくないですね」


聖女「作れるんだ!すごっ!」


ロバート「路銀置いて行きますから、しばらくは屋台とかで肉を買って下さい。皆さん肉食ですよね?

シスコンさん銀貨持ってる?金貨って使いづらいですね」


聖女「俺もそんな持ってません、ヴラドその辺の空いてる大きな宿屋で両替してきて、ハイ。

その執事の格好なら、急なお使い風を装えるんじゃない?」


ヴラド「かしこまりました」




そして、執事が両替を済ませて、賢者様が狼族の長に路銀を渡していた。ずる賢くて信用出来ない奴らに渡ってしまった。


でもそんな事より聖女達が帰ろうと話していた。


「あの、帰るってマリーウェザー様はここの領地にいるんですよね?」


聖女「わたくしたちは王都の屋敷ですの、春から学校ですのよ」


シルバ「行っちゃうの?キューンキュン」


聖女「くっ、おにーさま、」


スコット「駄目だよ、ゴメンね家では飼えないんだ。みんなとここにいたほうがいいよ」


ジル「あの、聖女様のそのお姿が本来のお姿ですか?幼体に見えますけど・・・

シルバいけません!まだ聖女様は成長してないのです!つがいの準備が出来るまで待ちなさい!」


スコット・聖女「「番い?」」


聖女「いやいや、番わないですよ?何言ってんの?」


ジル「え?先程からシルバのマーキングを受け入れていらっしゃるので、てっきりシルバをお召しになるのかと・・・??」


スコット「シルバくんって何歳いくつなの?」


ジル「シルバは12歳です、小さな固体ですがもう成体でございます」


聖女「え、12歳?・・・シルバくんチワワだったの?」


ジル「ちなみにレオンは13歳です。

あっ!その、獣人は体格差がありますので、成体の明確な時期は個体差がありますですわ!

えっと、人間のような15歳で成人などという括りではなく、その、食料事情とかもありますけど大体10歳前後で交尾可能です!

聖女様の準備ができ次第、いつでもお召しになれます!」


聖女「え!ツッコミどころいっぱいある!レオンってショーガクセーだったの!?」(※中1の間違い)


スコット「レオンくん達、痩せてガリガリだったけど大きく見えたのに13歳だったんだね・・・えぇ僕の1つ下だったの?」


ロバート「一応聞いておくけど、獣人と人間のハーフっているの?」


ジル「だいたいどの種族も過去に人間と交わっています、その、数が減ると人間相手にも発情するようになります。

あの、えっと、賢者様はわたくし達のどの子をお召しになりますの?キューン」


ロバート「え!?」


聖女「カルチャーショックです。

はっ賢者様はミーニャをお召しですわ!ミーニャも賢者様のうちの子になりたいって言ってたし!

ロバートさん良かったですね?」


ミーニャ「ニャッ私でいいの?ロバート様お世話になります。あ、ご主人様お世話になります」


ロバート「うぇ!?ちょっと、ちょっと待って下さい!そんな急に!」


ジル「賢者様はミーニャですか、"そう"なのですね残念です」


聖女「皆さん、くれぐれも街の人を襲っちゃ駄目だからね!」


「あの、マリーウェザー様はあと3年くらいで成長するんですか?俺は待ちます!」


聖女「3年後8歳だよ!そんな早く大きくならないから、待たなくていいからね!時間を無駄にしないでよ?」


「キューンキュンそれでも待ちます」


聖女「あれ?可愛く見えてくる不思議、なんでだろ?

犬耳のせいかな?

あ、ウソウソ冗談だって!そんな怒んなよ

垂れ耳のワンちゃん可愛いとか思ってないってば!お前が1番可愛いよ?ホントホント」


ヴラド「マリーウェザー様は本当は犬好きだったんですね?」憐れむ視線


聖女「動物全般好きだよ」


天使に睨まれてしまった。

マリーウェザー様は天使に召されるのかな、俺と番になってくれないのかな・・・

寂しい


「キューン王都に行ったら会えますか?」


聖女「えぇ、ここから距離あるよ?

検問で捕まりそうだし、来なくていいよ。冬の間はたまに餌持って行くから多分。

ムラマサ、トモエ、仕事が増えたけど頑張ってね?」


2人が『御意』と跪いて頭を下げた。


ミーニャは賢者様に連れてってもらうため、親に挨拶されてた。



聖女様が"またな"と言って帰ってしまった。

後には甘い残り香が漂っていた。


タイガ「聖女様は、虎を飼ってみたいと仰ってた!俺に気があるのだろうフフン!

あのムチムチは良かった!番にしてやろう」


ヴォルガ「ふっ、早く大きくなってくれたらいいですねぇ?どの家に住むか見てきたらどうです?」



ヴォルガ「レオン、人間の街を案内してくれ、屋台で肉が買えるらしいな。

この金が尽きたらどうなる?またくれるのか?

カカオと薬草園の管理と言うことは、賃金を貰えると言う事か?もっと聞いておけば良かったな・・・。

まぁ、元気だせ?これからの事を考えよう。

また来ると言ってただろ?」


「慰めてるのか?ヴォルガっていい奴だったんだな」


ヴォルガ「フゥ、いいか

虎族バカが領民たちに手を出した場合切られるのは俺たちなんだぞ?

気に入られてるお前やシルバが取りなさないと、ここも追い出される。

聖女や賢者と言えど人間だ、俺たちとは違うんだ。

お前は賢いだろ?

まあ、頑張って番になってくれよ」


狼のこういう蔑む態度と打算的な所が嫌いだ。


ヴォルガ「あの、暖かい泉の水は飲めるのか?家もおかしな建物だ」


「あの暖かい泉は水浴び用だ、兄殿とミーニャと水浴びした"湯浴み"と言う習慣らしい。悪くなかった」


ヴォルガ「・・・湯浴みくらいアルラシードの金持ちもしてるだろ」


知らなかった。




そして、人間の街の屋台で肉を買おうとしたけど態度の悪い店主に睨まれた。


店主「けっ、お前ら異国の奴らに売るもんねーよ、帰れ!」


「んな!?」


ヴォルガ「落ち着け、想定内だ」


「でも、それじゃどこで買えばいいんだよ!」


くいっと服を引っ張られて、振り返るとユカタを着たトモエがいた。


トモエ『あの店主は人間相手でも同じです、足湯周辺の店へどうぞ』


「足湯って、あの人が集まってる所の事だよな?なんであんなに集まってるんだ?」


トモエ『あの足湯は無料です。ご主人様が作られましたが、他の方が癒やしを施してるのです。

足湯は皆さんの街にもあります』


ヴォルガ「なるほど、棲み分けをしろと言う事か、人間の領域で勝手をしないよう注意しよう。

フゥ、虎族バカどもに言い聞かせるのが大変そうだ」


今度はちゃんと串焼きが買えた。

トモエと手を繋いでいるせいか、オマケまでしてもらえた。この街も悪くないかもしれない。


トモエ『野ウサギや鹿や猪が出て畑や薬草園を定期的に荒らします』


ヴォルガ「・・・管理しろとはそういうことか」


「どういう事だよ?柵でも作ればいいのか?」


ヴォルガ「定期的に来ると言うことは、あらかじめ夜行性の奴らや狩りたいやつらの発散場所が用意されてたんだろう。

賢者とは賢者足りうる存在なんだ、俺たちは彼らの手の上だ、畏れ敬う存在なのだ」


ヴォルガの言いたい事が何となく解った。


たくさんの串焼きを持って帰ってみると、タイガが立派な猪を猟っていてみんなに自慢していた。

でも香辛料のついた串焼きもちゃんと欲しがって食べていた。


ヴォルガが何をどう言ったかわからないけど、タイガは畑や薬草園の近くの家に住み着いて昼間は水やりや雑草抜いたり真面目だった。


「シルバは地面を掘り返して何をしてるんだ?」


シルバ「わっ、にぃちゃんに見つかっちゃった、聖女様からもらった赤い実を隠したの。みんなには内緒にしててね!

今度はいつ会えるのかな、聖女様優しくていい匂いがして甘くて美味しかった、もっと舐めとけば良かったなぁ」


俺も舐めておくんだった。

街ダンジョンの第2ステージは森と草原フィールド。

家も道もレンガ風

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ