プロローグ
「ただいまー」
リビングに入ると
ソファーにバーチャルベッドとコントローラーを装備した姉がいた
嫌な気しかしない
「ちょ、それ、俺のじゃね? マジでやめて!」
慌てて姉から剥ぎ取る
「あ、おかえりー ってかさぁ
平日の昼間に帰ってくるってことは、おぬし、ニートか? 暇か?」
「イヤイヤ、違うし 出張から直帰なだけ!
あーーっ、やっぱり俺のアカウントで何してくれてんの?
ちょーっ、何のダウンロードしてんの?何したの?」
「お母さんとまーくん(2歳)が買い物行ってて暇なのよ、なんかゲームあるじゃん?
レイドバトルみたいなのしてたよ
変なオッサンから武器もらったんだけど使い方わかんないし
適当にウロチョロしてたら終わってた
ボス倒したのに宝箱とか出ないのね
ガチャやっといたよ【真実の瞳】だってさ
装備しといたよー」
「なんでガチャやるんだよぉぉぉー!
とっとけよぉぉー
俺のガチャがっ!
しかも、持ってる課金アイテムと被ってるし
うぉぉぉーー!なんだよ両方なくなってるし!」
「ハイハイゴメンね
よくわかんないけど、なんかボタン押しちゃったのかな・・・女々しいなぁ廃課金者が」
「ぐぬぅ!俺のぉぉ
ハァ・・・そういえば、なんで、ねぇちゃんが家にいるの?」
「里帰り出産ってやつよ、しばらく世話になってやんよ」
「あー、そういや母さん言ってな
俺まだ飯食ってないの、腹減ったからカルボナーラ作って
腹減りすぎてクラクラする」
「しかたないなぁ、待ってなさい
伝説級のを作ってしんぜよう、それでチャラにしなさい」
耳鳴りがする
何かが俺から剥がされる妙な感覚がして、ソファーにそのまま倒れ込んだ
自分で自分を見おろすとか、明晰夢ってやつか?
俺が起きて歩いてる
俺がカルボナーラ食ってるのをぼんやり眺めてる
ねぇちゃんが何か言ってる
テレビのざわめきが少し遠くに聞こえたのを最後に
俺の意識はなくなった
※
【真実の瞳】を装備しますか?
→YES
【真実の瞳】を装備しますか?
(だからハイだって)→YES
俺は多分死んでないと思う
ねぇちゃんのカルボナーラは店の味
ねぇちゃんアルビノ美人
シスコンじゃねーし




