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第7話 ゴブリン狩り

中々ダンジョンに入りません

「タヌキも歩けばゴブリンにあたる・・・なんてね」

そういいながら、木の枝でゴブリンの頭を叩く。頭を叩たたかれたゴブリンは、悲鳴を上げる暇もなかったのか、その場に倒れていた。


「ラムシュンドも魔石を回収しニャ」

ショートソードを手にしたカートがそう言いながら後に続く。


「えっ・・・面倒だよ。何に使うの?」

ラムシュンドはそんなカートに向かって嫌そうな顔をした。


「魔石は魔道具を動かすことが出来るはずニャ」

カートは自慢げにいう・・・阿久津の記憶に魔石を使った魔道具というものがあったらしい。


「この世界の人は、魔物を倒せないのでしょ。ということは、魔石を手に入れることが出来ないはずだから、魔道具もないんじゃないかな」

ラムシュンドは魔石を、綺麗な石くらいしか思っていなかった。仮に、カートの言う通り、魔道具に使えたとしても、魔石を手に入れられそうにないこの世界の人が持っているとは思えなかったのである。


「この世界は、あの神様の知らないことがありそうだニャ。ニャのでどこかに魔道具もありそうな気がするのニャ」

そういいながら、ゴブリンの死体から魔石を回収するカート。その姿を見ながら、

「ひょっとするかもな・・・」

ラムシュンドは呟くのであった。


・・・


「それにしても、沢山いるのニャ」

カートは次々と現れるゴブリンを倒しながら魔石の回収を続けていた。アイテムボックスがあるので収納には困らなかったが、どうしてこんなにゴブリンがいるのか解らなかった。


「この島のどこかにゴブリン発生器でもあるのかね」

ラムシュンドもゴブリンを倒しながら答える。結局、ダンジョン入り口の先にある森をほぼ探検し終わったときには、300匹以上を2人で倒していた。


名前 ラムシュンド(Lv.3)

HP 1400/3100

MP 9800/10050

魔法 神聖  :プリフィケーション(Lv.1)

火属性 :ファイヤーボール(Lv.1)

スキル なし

称号 タヌキの英雄



名前 カート(Lv.3)

HP 1500/2090

MP 9500/10060

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.1)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.1)

スキル なし

称号 猫のブレーン


森の外まで戻ってから、ステータスを確認すると、2人ともレベル3になっていた。

(Lv.1→Lv.2と比べると、HPとMPの上昇が多いな・・・)

ラムシュンドはレベル3になったステータスを見ながら思っていた。


「ニャんで、レベル2に上がったときより変化が大きいのかニャ」

カートも気が付いたらしい。ラムシュンドに問いかけるように話してきた。


「恐らく、レベルが上がるまでの経験値が違うのだろう」

そう言うと、何か思うことがあったのか、海に向かってファイヤーボールを打ち込んだ。海面から白い煙が上がる。と同時に、魚らしきものが海面に浮いていた。


「にゃんと!魚が捕れたニャ」

カートは慌てて魚を回収しに行く、どうやら、ファイヤーボールが海面に当たった衝撃で気絶したらしい。カートがアイテムボックスに入れようとしたが・・・


「ありゃ。この魚、アイテムボックスに入らニャい」

気絶した魚は、アイテムボックスに回収できなかったのである、仕方なく、両手に抱えて持ってきたカートに

「まだ生きているからでは?」


と冷静に答えるラムシュンドであった。


「なら、焼いてみればいいのニャ」

早速、魚を捌いて焚火を起こし、焼き魚を作り始めたカートであった。


・・・


「美味いニャ!」

焼けた魚を夢中で食べるカート。それを見ながら、味見してみるラムシュンド。調味料を持っていないので海水から作った塩のみであったが、味はまあまあであった。どうやらカートは魚が好きらしい。ちなみに、捌いた魚はアイテムボックスに収納できた。ラムシュンドの予想が当たっていたらしい。



食べ終わると、食料調達と言って、ファイヤーボールを海に向かって連打するカートの姿があった。ラムシュンドは黙ってみていたが

(もし、何かが襲ってきたらどうするつもりだ)

警戒心の消えないラムシュンドであった。


「疲れたニャ」

散々、ファイヤーボールを打っていたカートが突然、倒れ込んだ。


「大丈夫か?」

ラムシュンドが心配そうに声を掛けると、


「体がだるいニャ」

カートがステータスを確認すると


名前 カート(Lv.3)

HP 1500/2090

MP 30/10060

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.1)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.2)

スキル なし

称号 猫のブレーン



「ニャんと、ファイヤーボールのレベルが上がっているニャ!」

MPがほとんどなくなった代わりに、ファイヤーボールのレベルが上がっていたのである。


(ひょっとすると、使うほどレベルが上がるのか?)

カートが驚いている姿を見ながら思うラムシュンドであった。


・・・


翌朝、


「大変だニャ。レベルが上がっているのニャ」

起きた後、再びステータスを見たカートが叫んだ。


名前 カート(Lv.4)

HP 2100/2100

MP 10660/10660

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.1)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.2)

スキル なし

称号 猫のブレーン



見ると、MPが上昇しており、レベルも上がっている。しかし、HPはほとんど上昇していない。つまり、海に向かってファイヤーボールを打ち続けた結果、ファイヤ―ボールのレベルとMPの上昇をもたらし、カート自身のレベルも上がったのである。


「これは実験だニャ」

カートはラムシュンドを見てほほ笑んだ。


・・・


「俺はそんなに魚が好きなわけじゃないんだが・・・」

ラムシュンドは、カートに言われるまま、海面に向かってファイヤーボールを打ち込んでいた。この日も魚が次々に浮き上がってくる。それらを回収して、海岸で待っているカートが次々に捌いてアイテムボックスに収納していく。ラムシュンドのMPがほぼなくなるまで行った結果、昨日のカートとほぼ同じ量の魚が捕れたのであった。


名前 ラムシュンド(Lv.3)

HP 3000/3100

MP 30/10050

魔法 神聖  :プリフィケーション(Lv.1)

火属性 :ファイヤーボール(Lv.2)

スキル なし

称号 タヌキの英雄


「ファイヤーボールのレベルが上がった」

ラムシュンドのファイヤーボールのレベルがカート同様に上昇していたのである。たいして動いていないので、HPはほとんど減っていない。にも拘わらず、ラムシュンドは疲労を感じていた

(MPが減っても疲れるらしい)

結局、この日は他に何もせずそのまま寝てしまったのである。


翌朝、ラムシュンドがステータスを確認すると、予想通りの結果となっていた。


名前 ラムシュンド(Lv.4)

HP 3110/3110

MP 10700/10700

魔法 神聖  :プリフィケーション(Lv.1)

火属性 :ファイヤーボール(Lv.2)

スキル なし

称号 タヌキの英雄


(魔法は使うほど経験値が貯まってレベルが上がる。MPもHPも使うほど、翌朝上昇する・・・ということか)

ラムシュンドはこの結果を冷静に見ていた。

カートに比べラムシュンドのHPはいくらか多い。MPはほぼ同じである。だが、上昇する値はあまり変わらない。恐らく経験値分だけ上昇するのではないかと思われた。


この結果を聞いたカートは

「では、寝る前にMPを使い切るまで魔法を使ったらいいのニャ」


と嬉しそうに言った。それを聞いたラムシュンドは少し困った顔をして、

「その後、襲われたら危ないだろう・・・。少なくとも、安全な場所を確保するまでは・・・」

そう言ってため息をつくのであった。

猫には魚・・・。しばらく出てこないです。

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