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第6話 島の探索

いよいよ活動開始・・・

「まずは食料の確保だニャ」

そういうとカートは森に入っていった。


そんなカートを見ながら

(危ないなあ・・・)

長崎空港で常に追われる先住民(?)の子孫であった経験が、警戒心を上げる。

(電気柵にあたると痛かったなあ・・・)

箕島(長崎空港)を思い出していた。


・・・


カートは、何か動物のような気配を感じた。

(ニャにかいるニャ・・・)右手にショートソードを握りしめ、気配のする方に向かっていくと、茂みのなかから、ウサギが飛び出してきた。思わずショートソードを振りながらウサギの突進を躱すカート・・・。

(ニャんだあいつは・・・角があるニャ)

躱した先に振り返ると、角のあるウサギも立ち止まってカートの方を向いたところだった。

(今度こそ、仕留めるのニャ)

再びカートに向かって突進してきた角のあるウサギを待ち構えていると、カートのすぐ脇を石が通過していった。

(ニャ!)

驚いたために、よろけてしまったカートであったが、何とか突進してくる角のあるウサギ躱すと再び角のあるウサギの方に体の向きを変える・・・そこには、さっき飛んで行った石にあたったらしい角のあるウサギが倒れていた。そして、その脇で顔を真っ赤にしている角のあるウサギ・・・三度突進してきた角のあるウサギに向かって、カートはショートソードを突き刺すと何かにあたる感触があった。

(やったニャ!)

カートのショートソードが、角のあるウサギの頭に突き刺さっていた。


「危ないな」

そういいながらラムシュンドはカートの脇を通り過ぎ、石にあたって倒れている角のあるウサギを持った。


「こいつが、お前の背中から狙っていたぞ」

カートを見ながら言ったラムシュンドは淡々と森の外に出ようとする。

「危なかったのかニャ」

カートは思わず呟いた。


・・・


「上手いな・・・」

ラムシュンドはカートが角のあるウサギを捌いていくのを眺めていた。


「何故か出来るのニャ」

どうやら阿久津の記憶に魔物の解体があったようであった。捌く途中で、カートは何かを心臓の近くから取り出した。


「石?」

思わず呟いたラムシュンドに、


「魔石だニャ」

小さい石のように見えるそれは、白っぽく光っていた。


「初めて見た」

ラムシュンドは物珍しそうに、カートの手にある魔石を眺めている。

「実は俺も初めて見るニャ」

阿久津の記憶と思われるところにある情報で理解は出来るものの、始めてみる魔石を珍しそうに眺めるカートであった。


・・・


「飽きたニャ」

ラムシュンドとカートは連日角のあるうさぎを狩り、焼いて食べていた。この島には2ヶ所沼があり、水はその沼で確保できたので、生きていくことは出来た。


「ステータス」

ラムシュンドとカートは、それぞれ念じると、2人の目の前にスクリーンが現れる


名前 ラムシュンド(Lv.2)

HP 3010/3010

MP 10000/10000

魔法 神聖  :プリフィケーション(Lv.1)

火属性 :ファイヤーボール(Lv.1)

スキル なし

称号 タヌキの英雄



名前 カート(Lv.2)

HP 2010/2010

MP 10000/10000

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.1)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.1)

スキル なし

称号 猫のブレーン


「ほとんど変わらニャいな」

カートは自分のステータスにほとんど変化がないことにがっかりしていた。


「剣や投石でうさぎを倒しているだけだからな」

レベルが上がったらどのようにステータスが変化するのか楽しみにしていただけにHPが10増えただけという結果に落胆していた。


「干し肉も沢山出来たからニャ」

ラムシュンドとカートは食べるだけでなく、保存食として干し肉にしていた。出来上がった干し肉は、アイテムボックスに入れていたので保管場所には困らない。ダンジョンに入る前にどれくらいレベルが上がるのか確認するのも兼ねて、ひたすら保存食を増やしていたのであった。

(神の用意した干し肉だけでは、ちょっと不安だったからな(ニャ))

ラムシュンドとカートには、まるで信用されていない神様(若者にしか見えない男)なのであった。


・・・


「そろそろ、ダンション入り口の裏の部分も探索しよう」

「そうだニャ」

今まで、ダンジョン入り口の手前までしか行かなかったラムシュンドとカートであったが、ダンジョン入り口の裏にも森があることを確認していた。慎重なラムシュンドの意見によって、十分な保存食とレベルアップでの変化を確認していたのである。


「今度は魔法の効果を確かめるようにしよう」

「ニャるほど」

そう言うと、ラムシュンドとカートは、ダンジョン入り口の裏に広がる森に足を踏み入れた。


「グギャー」

奇妙な声がしたかと思うと、身長100cmくらいの小人のようなものが、数人襲ってきた。手には、こん棒のようなものを持っているが、刃物ではないらしい。


「ファイヤーボール」

「ファイヤーボール」

ラムシュンドとカートは、唯一修得していた攻撃魔法を放った。火の玉が小人のようなものに向かって飛んで行く。野球のボールくらいだろうか・・・命中した次の瞬間。小人の上半身が消滅していた。仲間をやられた残りの小人たちは、ラムシュンドとカートに襲い掛かっていく。咄嗟に落ちていた木の枝を拾ったラムシュンドは、向かってきた小人の頭に木の枝を力の限り叩きつけた。次の瞬間、小人の頭は砕け散り、小人は動かなくなった。一方、カートは、ショートソードを抜き、襲ってきた小人の頭目掛けて振り下ろすと、小人は真っ二つに切れて左右に倒れてしまった。

(冗談みたいだニャ)


・・・


「これはゴブリンだな」

ラムシュンドが呟いた。彼の記憶にあったのである。箕島(長崎空港)にゴブリンはいなかったので、波高の記憶にあったのであるが・・・。


「こいつは食えないニャ」

カートの記憶にもあった。カートは、ゴブリンの死体から魔石を回収すると死体を一か所に集めた。

(穴でも掘って埋めるしかニャいか・・・)

死体を見ながら、その処理を試案するカートであった。


「とりあえず、島全体を回ってみよう」

ラムシュンドは、そう言うと、ゴブリンの死体に触れることもなく、先に進んでいった。

「待ってくれニャ」

ラムシュンドの倒したゴブリンの魔石を慌てて回収後、後を追うカートであった。

魔物がいない世界で魔石を回収してどうするのか・・・。魔石がない世界だったはずのN6276GPですが、どこで波高と阿久津は魔石の知識を得ていたのか・・・謎は多いです。

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