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狸戦記(仮) =他の異世界知識が組み込まれた勇者=  作者: OPPA
第3章 セントラル王国編
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第48話 新たな能力

「実は頼みがある」

ダルムシュタット=セントラルは、城にある会議室にラムシュンドとカートに向かって言った。明らかに様子がおかしい・・・。


(何かあったのか?)

(ニャンかおかしくなったかニャ)

ラムシェンドとカートはほぼ、同時に同じようなことを考えていた。


「実は、セントラル王国の軍の大半がカロン王国との国境の街であるノラドに派遣されていたのだ。恐らく、私と同じように仮死状態になったはず・・・少しでも助けたいのだ」

ダルムシュタット=セントラルはそう言って頭を下げた。


「ひょっとして、派遣されていたのは、あなたの部隊?」

ラムシュンドは、何となくそう思っただけなのだが、


「そうなのだ。私が兄に黒い霧の相談にセントに来ている間に呑まれてしまった・・・」

そう言った後、崩れ落ちるように椅子に座った。


「では、このまま、街道をノラドに向けて進めれば・・・」

ラムシュンドが言いかけたのを遮り、


「最後の伝令によると、人の形をした石のようなものが攻撃してきて、城門が破られそうだとのことだったのだ。私は、この城で会ったゴーレムなのではないかと思っている」

ダルムシュタット=セントラルの顔には絶望という文字が書いてあるような、悲壮な顔をしていた。


(石のような・・・たぶんゴーレムだな・・・ゴーレムが街を攻撃していたとなると面倒だな)

ラムシュンドは、今まで接したゴーレムの様子から、かなり強いとみていたのである。


「街に攻撃してきたゴーレムの数とかの情報はないのかニャ」

カートの言葉に


「10体くらいと聞いている。街の守備隊長の咄嗟の判断で、攻撃を受けた直後に出てきた伝令なので、詳しく見てはいないらしい」

恐らく、黒い霧から逃れるように必死にセントに走ってきたのだろう。


(10体のゴーレム・・・あれが10体だと、ちょっときつい)


「黒い霧の中を行動できるのは、ラムシュンドとカートしかいない。したがって、ゴーレムと遭遇した際、まともに戦えるのは2人しかいない可能性が高い・・・ゴーレム10体と正面から戦闘するのは無理だ」

ラムシュンドの言葉に、


「やはりそうか・・・」

と肩を落とすダルムシュタット=セントラルであった。しばらく沈黙が続いた後、ダルムシュタット=セントラルは何か覚悟を決めたかのように突然立ち上がり、

「異界の神様にお願いしてみよう」

と叫んだのである。


((???))

ラムシュンドとカートはお互いの顔を見て首を傾げた。


・・・


「ここなのだ!」

ダルムシュタット=セントラルに連れられてやってきたのは、城の北の隅にある小部屋であった。


ダルムシュタット=セントラルに続いてラムシュンドとカートが入ると、そこには、神様らしき像があった。


「ニャんかいつもと違うような・・・」

カートがその神像を見て首を捻る。


(カートの言う通り、この像は、この世界で会った神様ではない・・・でもこの神様も若そうに見えるな)

ラムシュンドは像を見ながら考え込んでいると、


「この神像は、この城に昔からあるものらしいのだ。我々の神様の仲間であると伝えられている」

(でも何か違うような・・・)

ラムシュンドにある波高の記憶にも、カートにある阿久津の記憶にも、この神様の記憶はない。


その時、神像が光を出し始めた、

「えっ?!」

この場にいた3人が叫んだ直後、ラムシュンドとカートは、何か白い物の中に浮いていた。


「これ、そこの狸と猫よ!」

目の前には、神像そっくりな人物(?)がいたのである。


驚きのあまり、声も出せずに目の前の男を見ているラムシュンドとカート。どういう訳かダルムシュタット=セントラルはいない。


「お前たちが見たゴーレムは、私の世界から転移してきたらしいのだ」

「転移?」

目の前の男の言葉に、辛うじて反応したラムシェンドに


「そうだ。ここの神は私の後輩なのでな」

「つまり、あなたも神様なのかニャ?」

遅れて立ち直ったカートが目の前の男の言葉に反応する。


「そうだ。本来、この世界にあってはいけないものだった」

「であれば、消してください」

神様の言葉に答えるラムシュンド。


「そういう訳にも行かなくてな。誰か、他の神が私の世界からこの世界に、私の世界の人間1人とゴーレム、そして瘴気発生装置を持ち出したことまでは解っている。だが、自分で持ってきたものでない以上、連れもどすことが出来ないのだ。正直なところ、戻ってきてほしくない連中や物だったりするのだが・・・」

「この世界は、あんたの世界のゴミ捨て場じゃニャい!!」

神様の説明に腹が立ったのか、カートが叫ぶ。


(元の世界にも似たような奴がいたような・・・)

神様は自分が連れてきた猫のことを思いだしていた。

「猫よ。あれは、私が連れてきたものではないのだ。だが、このままではこの世界が滅んでしまうのでな。ちょっと私からお詫びの品を渡そうと思うのだ」

そう言うと、周辺が光に包まれた。


・・・


「ここは何処ニャ」

カートが目を覚ますと、そこは、先ほどダルムシュタット=セントラルに連れられてやってきた神像のある部屋だった。目の前にはつい先ほど、白いもの中で話していたはずの神像、すぐ近くにはラムシュンドとダルムシュタット=セントラルがいた。2人とも気絶しているのか意識がない。ラムシュンドの方に行こうとして、何かに足があたった。慌ててカートが見ると、それは2冊の本であった。


“猫のための広域魔法”

“猫のための雷魔法”

(2冊共、俺のための本だニャ)

カートは迷わず、2冊の本日を開き、ページをめくった結果、新しい魔法の知識が入っていたのを感じていた。


「ステータス」

カートは自分のステータスを開いた。


名前 カート(Lv.27)

HP 16,000/17,000

MP 600,000/650,000

魔法 付加属性 :ヒール(Lv.3)、ライト(Lv.-)

火属性  :ファイヤーボール(Lv.5)

土属性:アースウォール(Lv.10)

雷属性 :サンダーボルト

付加魔法:広域魔法

スキル 鑑定魔法(+)

称号 猫のブレーン、ダンジョン踏破者、N2122HD神の祝福


(雷属性の魔法と広域魔法が増えている・・・・N2122HD神の祝福って何ニャのだ!)

カートがステータスの確認を見計らったように、ラムシュンドとダルムシュタット=セントラルの目が覚めた。


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